父の遺品整理で額面「5円」の切手を大量に発見!今の市場価格は「1枚5000円」ほどだそうですが、相続税の計算は額面と市場価格のどちらが基準になるのでしょうか?
今回は、相続した切手の評価額の決まり方や相続税の求め方、切手などコレクター向けの財産を相続するときの注意点などについてご紹介します。
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切手の評価額はどう決まる?
切手の評価額は、市場価格がその切手の額面以上か否かで変わります。もし額面以上の価格で取引されていれば、市場価格が評価額となるでしょう。今回のケースのように、1枚5円の切手が市場では1枚5000円で取引されている場合、相続時の財産の価格は1枚5000円として計算される可能性が高くなります。
もし同様の切手が100枚あったとすると、50万円分に相当する切手を相続したと見なされる場合もあるでしょう。
相続税額の求め方
相続税は、亡くなった人が保有していたすべての財産を基に判断されます。また、相続税は基礎控除として「3000万円+600万円×法定相続人数」が設けられており、基礎控除額を超えなければ税金はかかりません。
基礎控除を超えている場合、相続税額は以下の手順で求めます。
(1)すべての相続財産を合算する
(2)葬式費用や非課税財産、債務などを(1)から差し引く
(3)(2)から基礎控除を差し引く
(4)(3)の金額を法定相続分通りにすべての法定相続人で分けたと仮定し、各相続人の税額を求める
(5)各相続人の税額を合算し、実際に相続したり遺贈を受けたりした金額の割合で分ける
(6)配偶者控除など適用される控除や加算があれば適用する
例えば、以下の条件で各相続人の相続税額を計算しましょう。
・法定相続人は子ども2人
・遺産は1枚5000円の市場価値がついている5円切手100枚とほかの財産5000万円
・遺贈を受けた人はいない
・債務や葬式費用等は考慮しない
まず、相続財産は合計5050万円です。今回のケースでは基礎控除は4200万円なので、基礎控除を差し引いた850万円が課税対象になります。
法定相続分は子ども2人で2分の1ずつのため、425万円ずつに分けられます。税率は10%なので、相続税額は子ども一人につき42万5000円、合計85万円になります。
切手などコレクター向け財産を相続するときの注意点
切手など、知らない人が見ると価値が分からない財産を相続するケースもあります。しかし、価値が分からないからと勝手に処分をしたり売却したりすると、あとでほかの相続人とトラブルになる可能性があるため避けたほうが賢明でしょう。
切手やコインなどの財産は、専門業者に見積もりをしてもらったうえで、遺産分割協議の際にどう分けるかを話し合うことをおすすめします。
相続する形としては、切手のまま受け取ることも、相続人が同意のうえで売却して現金化し、分配することも可能です。話がまとまらないときは、専門家に相談することも検討しましょう。
本来の額面よりも買取価格が高い場合は買取価格で計算する
切手やコインなどの財産は、市場価値が額面よりも高くなっていれば、その市場価値の金額が相続した金額として判断されます。額面額が5円でも、市場価値が5000円なら1枚5000円の切手を相続したと見なされる可能性が高いため、相続税の計算時には注意しましょう。
なお、相続税には基礎控除が設けられており、切手が額面より高い市場価値であったとしても、基礎控除を超えていなければ相続税は課されません。
また、切手を相続したときに価値が分からなければ、勝手に処分をしたり売却したりせずに、ほかの相続人とも話したうえで対応を決めるといいでしょう。
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
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