実家の土地を相続予定です。兄は「住みたい」、私は「売りたい」。もめずに決めるにはどうすればよいでしょうか?

配信日: 2025.08.25
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実家の土地を相続予定です。兄は「住みたい」、私は「売りたい」。もめずに決めるにはどうすればよいでしょうか?
実家の土地を相続することにもなり、兄は「住みたい」、あなたは「売りたい」という対立がある状態。どうすれば感情的な争いを避け、公平かつ納得のいく結論を導き出せるでしょうか。
 
本記事では、兄弟間で起こりがちな「住みたい vs 売りたい」の意見の食い違いに対し、具体的な解決手段と手順を整理しながら紹介します。話し合いの進め方から代償・換価・現物分割の方法、さらに法律的な対応と専門家の活用まで解説します。
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まずは冷静に話し合いの場を設けよう

株式会社アシロのアンケート調査によると、遺産相続で最も多いトラブルは遺産分割です。土地相続でトラブルにならないよう、次のような工夫をしましょう。
 
・中立的な場づくり
自宅ではなく、中立的な立場で話しやすいカフェや公共施設などを選ぶ。
 
・目的を共有する
「兄弟仲を壊さず、公平に解決したい」という目的を明確に共有し、話し合いの前提にする。
 
・事実を整理する
土地の評価額や現預金などを一覧化し、財産目録を作成して共通の情報をもとに話す。
 
・話し合いの形式
可能であれば第三者に進行役(親族、信頼できる知人、あるいは司法書士・弁護士などの専門家)を依頼するのも有効です。必要に応じて家庭裁判所の調停制度を利用する選択肢もあります。
 
冷静な場で話し合うことが、後の対話をスムーズに進める鍵となります。
 

「売りたい」vs「住みたい」の分割方法を比較

意見が分かれている場合には、以下のような方法があります。
 

・現物分割

「住みたい兄:土地/売りたいあなた:現金や他の財産」など、個別に所有物を分ける方法です。注意点は、他に分ける財産がない場合、公平さを保つのが難しいことがあります。
 

・代償分割

「住みたい方」に土地を相続してもらい、その代わりに「売りたい方」が代償金を受け取る方法です。居住希望を尊重しつつ、公平に代償金を払うことで納得感が得られるメリットがあります。
 
注意点は、代償金が用意できない場合には負担になるほか、遺産分割協議書に代償分割の明確な記載がないと、贈与税が課される可能性があります。代償金額が相続財産の価額を著しく超えると贈与とみなされるリスクもあるため注意が必要です。また、代償分割により不動産を取得した相続人がその後売却すると譲渡所得税が課される場合があります。
 

・換価分割

不動産を売却して得た現金を兄弟で分配する方法です。現金化して分けるため、一番シンプルかつ公平性が保たれやすいメリットがあります。
 
注意点は、相続登記をしなければ売却できないほか、売却益には譲渡所得税がかかる可能性があります。売却価格やタイミング、仲介業者への依頼などの事務的合意も必要で、売却担当者への謝礼なども検討しておくとよいでしょう。
 
これらの方法について、兄弟それぞれの事情と照らし合わせ、話し合いながら選択肢を絞っていきましょう。
 

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それでも話がまとまらないときの法的手段と専門家の活用

話し合いで折り合いがつかない場合、次のような方法で進めるのが望ましいです。
 

1.遺産分割協議・調停・審判

全相続人の合意が必要な「遺産分割協議」が成立しないときは、家庭裁判所の調停を利用できます。調停では調停委員が間に入り、相続人の意見を調整し合意を目指します。調停でも合意が得られない場合は、裁判所の裁判官が最終的に分割方法を決定する「審判」によって解決します。
 

2.専門家への相談

・弁護士
話し合いの進行や交渉代行、調停・審判対応など、トラブルを回避・解決する専門家です。
 
・司法書士
相続登記や名義変更などの手続きを代行する専門家です。
 
・税理士
相続税や贈与税、譲渡所得税などの税務面での対応を専門に行います。
 
また、地域の役所などで無料相談を利用できる場合もあります。
 
専門家に間に入ってもらうことで、感情的な対立を避け、法的にも安全な解決へ導くことが期待できます。
 

双方が納得するためのポイントと次の一歩

話し合いの際は、冷静な場づくりと目的の共有を重視しましょう。相違には、現物分割・代償分割・換価分割という具体的な選択肢があります。
 
各方法にはメリット・注意点(税金や手続きなど)があるので、状況に応じて検討するのがおすすめです。
 
もし、合意形成が難しい場合は、家庭裁判所の調停・審判や専門家への相談が適切なステップです。早期に話し合いをし、無用な共有や空き家状態を避けることが、兄弟関係や将来のトラブル回避につながります。
 

出典

株式会社アシロ 遺産相続に関するアンケート
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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