祖父の遺品から、合併して今はもうない「銀行の通帳」が見つかりました。「残高150万円」はもう引き出せないのでしょうか?
しかし、銀行などの金融機関が合併している場合、所定の手続きを行えば預金を引き出せる可能性があります。
そこで今回は、金融機関が合併した場合に預金はどのように扱われるのか、亡き祖父の預金を引き出すための方法とあわせて、銀行が破綻した場合の預金の取り扱いについても解説します。
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金融機関が合併した場合の預金の取り扱い
銀行がほかの銀行と合併した場合、基本的に旧銀行の口座は新しい銀行に引き継がれるようです。
例えば祖父名義の通帳に記載された銀行名が現存していなくても、どこかの銀行に合併されていれば預金自体は残っている可能性があります。
まずは、遺品整理で出てきた通帳に記載された旧銀行名から、合併後の新しい銀行を確認しましょう。銀行が合併したタイミングによっては、通帳の表記が変更されていたり、新しい通帳への切り替えが必要だったりする場合もあります。
大切なのは、旧銀行の預金が新しい銀行に引き継がれているかを確認することです。
祖父名義の預金の相続手続きについて
口座名義人が亡くなっている場合は、新銀行への引き継ぎ手続きと同時に相続手続きが必要となるでしょう。相続は通帳や印鑑だけでは行えず、相続人であることを証明する書類などが必要となります。具体的には、次のような書類を求められることが多いようです。
・亡くなった方の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
・相続人全員の戸籍謄本
・相続人全員の印鑑証明書
相続手続きは時間を要することも多いため、余裕をもって準備しましょう。金融機関によって必要書類や手続きの詳細が異なるため、事前に問い合わせて確認しておくとスムーズです。
銀行が破綻した場合は預金保護制度を確認
今回のケースのように合併ではなく、銀行が破綻していた場合でも預金がすぐになくなるわけではないようです。日本の銀行などの預金は預金保険制度により、金融機関が破綻した場合も預金者一人あたり元本1000万円までとその利息までは保護されます。
ただし、外国の銀行の在日支店や政府系金融機関・農業協同組合・漁業協同組合などは預金保険の対象外のようなので注意が必要です。
また、普通預金・定期預金・定期積立・当座預金などは対象となりますが、外貨預金や譲渡性預金など一部対象とならない預金もあります。破綻した銀行の預金は、新しい銀行に引き継がれたり、預金保険機構を通じて払い戻されたりすることが一般的です。
相続手続きで預金の引き出しが可能
相続などの際に古い通帳が見つかり、銀行がすでに合併していたり破綻していたりした場合でも、預金を引き出せることがあります。
合併して今はない銀行の場合、まずは預金を引き継いだ新銀行の確認を行います。口座名義人が亡くなっている場合は、その銀行で相続手続きを行う流れになるでしょう。
手続きには一般的に、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本や相続人全員の戸籍謄本と印鑑証明書などが必要になります。しかし、必要な書類は銀行により異なることもあるため、事前に確認しておくと手続きがスムーズです。
遺品整理を行い古い通帳が出てきて不安になっても、銀行や預金保険機構などに確認し、落ち着いて相続手続きを進めることが大切です。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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