親が亡くなって「通帳レス」の口座を使っていたことが判明…! 相続のために口座内容を確認したいのですが、どのような手段がありますか?

配信日: 2025.09.24
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親が亡くなって「通帳レス」の口座を使っていたことが判明…! 相続のために口座内容を確認したいのですが、どのような手段がありますか?
親が亡くなったあと、相続の手続きを始めてから「そういえば通帳が見当たらない」「どうやら通帳レスの口座を使っていたらしい」と気づくことがあります。紙の通帳があれば残高や入出金の記録を確認できますが、通帳レスの口座では情報がすべてネット上で管理されているため、相続人にとっては内容を把握するのが難しくなります。
 
相続財産を漏れなく確認するためには、通帳レス口座の扱い方を理解し、正しい方法で照会することが大切です。本記事では、通帳レス口座の確認手段や必要書類、注意点について整理します。
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通帳レス口座とは? 相続で困る理由

通帳レス口座とは、銀行が発行する紙の通帳を持たず、インターネットバンキングやスマホアプリで入出金を管理する口座のことです。銀行にとっては通帳印刷のコストを削減でき、利用者にとっても通帳を持ち歩く手間が省けるメリットがあります。
 
ただし、相続の場面では不便な面が目立ちます。紙の通帳がないため、口座の存在や残高をすぐに把握しにくくなるからです。特に、デジタルに不慣れな高齢者が突然亡くなった場合、残された家族は「どこの銀行に口座があるのか」「いくら残っているのか」を調べるところから始めなければなりません。
 

通帳レス口座を確認する主な方法

通帳がない口座でも、相続人であれば内容を確認する方法はいくつかあります。本章では、代表的な手段を紹介します。
 
通帳レス口座の相続確認には、以下の方法があります。
 
1. 遺品やデジタル機器から情報を探す
 
まずは故人のスマホやパソコンを確認します。銀行アプリやオンラインバンキングの履歴、銀行からのメール、紙の郵便物などに情報が残っていることがあります。これらは、重要な手がかりになります。
 
2. 銀行に直接問い合わせる
 
故人が利用していた銀行が分かっている場合は、その銀行の支店に問い合わせましょう。氏名や生年月日、住所などの情報を伝えれば、口座の有無を調べてもらえます。ただし問い合わせする際には、故人の死亡を証明する戸籍謄本や除籍謄本、相続人であることを示す戸籍謄本、申請者本人の身分証などが必要です。
 
3. 残高証明書や取引明細を請求する
 
銀行で口座が確認できたら、相続人は残高証明書や取引履歴証明書を発行してもらえます。これにより、相続開始時の残高や取引内容を把握でき、遺産分割協議や税務申告で役立ちます。できるだけ早めに請求しておくのがおすすめです。
 
4. 全店照会を依頼する
 
同じ銀行でも、複数の支店に口座を持っている場合があります。一つの支店で見つからない場合は「全店照会」を依頼し、全国の支店に口座がないか調査してもらうことができます。
 
これらの方法は、相続人にとって手間がかかることもありますが、相続トラブルを防ぐために必要な手続きです。適宜、専門家の助言も活用しながら進めることが、安心につながります。
 

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相続手続きで必要な書類

銀行で口座内容の確認や相続の手続きを進めるには、相続人であることや故人の死亡を証明できる書類をそろえる必要があります。代表的な書類は次のとおりです。

・故人の死亡が記載された戸籍謄本または除籍謄本
 
・申請者が相続人であることを証明する戸籍謄本
 
・申請者(相続人)の本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
 
・相続人の印鑑証明書や実印
 
・銀行所定の依頼書や申請書

銀行によって必要書類や手続きの詳細は異なるため、問い合わせの際に必ず確認して、事前に準備しておきましょう。
 

手続き上の注意点

通帳レス口座の内容確認や相続手続きを行う際は、必要書類をそろえるだけでなく、いくつか気をつけたいポイントがあります。本章では、代表的な注意点を見ていきましょう。
 
まず、銀行の取引履歴は無期限に保存されているわけではありません。一般的に数年分(おおむね5~10年程度)しか残っていない場合もあります。銀行によって、古い取引は確認できないことがあるため、早めの確認が望ましいです。
 
また、相続人が複数いる場合、残高証明書の請求や解約手続きには全員の同意が必要になる銀行もあります。相続人同士で協力し合い、円滑に進めることが大切です。
 
さらに、銀行は個人情報保護の観点から、相続人であることを示す戸籍謄本や除籍謄本などの書類を厳格に確認します。これらの書類がそろっていなければ、口座の有無すら答えてもらえない場合があるため、事前に必要書類をしっかり準備して問い合わせることが重要です。
 

早めの確認と準備が安心につながる

通帳レスの口座は便利な一方、相続時にはその存在を把握しにくいという課題があります。しかし、遺品の確認や銀行への照会、必要書類をそろえて手続きを行えば、口座内容を明らかにすることは可能です。
 
「通帳がないから調べられない」と諦める必要はありません。大切なのは、相続人が協力して早めに行動することです。手続きを後回しにすると、取引履歴が消えてしまったり、税務申告の期限に間に合わなくなったりするリスクもあります。
 
親が通帳レス口座を利用していた場合でも、焦らず正しい手順で確認すれば、遺産を漏れなく把握することが可能です。必要に応じて司法書士や行政書士など専門家のサポートを受けながら、相続をスムーズに進めていきましょう。
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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