祖父の遺品を整理していたら中に「現金500万円」が入っているという“貸金庫の契約書”が!相続期限は過ぎていますが、中身は今から申告すべきでしょうか?
相続期限を過ぎてから新たに財産が見つかった場合はどうすればいいのか、疑問に感じることもあるでしょう。
本記事では、相続税の申告期限後に貸金庫の契約書が見つかった場合の対処法を解説するとともに、申告しなかった場合の影響もまとめています。
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目次
貸金庫の中身は相続対象になるのか?
まず、貸金庫の中身は相続対象になるのかどうかを確認しましょう。
国税庁によると「相続税は、原則として、死亡した人の財産を相続や遺贈によって取得した場合に、その取得した財産にかかる」とされています。
ここでいう「財産」には、現金や預貯金、有価証券、宝石、土地、家屋、そのほか金銭に見積もれる経済的価値のあるすべてのものが含まれます。
つまり、貸金庫の中に入っている「現金500万円」は相続財産であり、相続税の申告対象です。
ほかの相続財産に対する相続税の申告を終えている場合でも、貸金庫の存在を知った時点で申告しなければなりません。
相続税の申告期限後に見つかった場合の対処法
取得した相続財産の合計額が基礎控除額を超えた場合は、相続税の申告が必要です。申告期限は、通常「被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10ヶ月以内」とされています。
貸金庫の存在を知った時点で申告期限を過ぎていた場合は、申告をやり直さなければならないでしょう。これを「修正申告」といい、相続財産が新たに見つかった場合だけでなく、相続税の計算を間違えて申告していた場合なども必要になります。
修正申告をした場合は、不足している相続税を追加で支払わなければなりません。申告・納税の期限は法定申告期限から5年とされており、期間内であればいつでもおこなえます。
後から見つかった相続財産を申告しなかった場合はどうなる?
修正申告が必要な場合、追加で納付する日まで延滞税が発生します。発生するのは相続税の法定納期限の翌日からのため、新たな相続財産の発見や修正申告の手続きが遅くなるほど延滞税が増える仕組みとなります。手続きは少しでも早い方がいいでしょう。
また、新たに相続財産が見つかったにもかかわらず修正申告をしなかった場合、延滞税のほかにペナルティーが発生する可能性があります。
まず、税務調査により相続税を少なく申告していることが発覚した場合は「過少申告加算税」が課せられます。こちらは、税務調査がおこなわれる前に自分から申告した場合は発生しないようです。
相続財産を意図的に隠ぺいしたと判断された場合は「重加算税」が課せられる可能性もあります。無申告の場合は過少申告の場合より税率が高くなるため、注意が必要です。
貸金庫の存在は税務署による相続税調査でチェックされるため、隠し通すことは不可能と考えた方がいいでしょう。調査で発覚するとより重いペナルティーが発生するため、早めの対処をおすすめします。
貸金庫の中身も相続財産になるので申告期限を過ぎていても「修正申告」が必要
被相続人が遺した貸金庫の中に現金が入っている場合は、相続財産に該当します。貸金庫の存在に後から気づき、申告期限を過ぎていた場合は、修正申告と追加納税が必要です。
相続税の申告期限を過ぎた時点から延滞税が発生するだけでなく、新たな相続財産が見つかったにもかかわらず申告をせず放置すると、過少申告加算税や重加算税などが発生する可能性もあります。
負担をできるだけおさえるためにも、相続財産は慎重に確認し、後から見つかった場合は迅速に対応しましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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