独身だった兄が亡くなった後、クレジットカード会社から兄宛に「督促状」が届きました。親族は私しかいないのですが、私が払わなくてはいけないのでしょうか?

配信日: 2025.09.25
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独身だった兄が亡くなった後、クレジットカード会社から兄宛に「督促状」が届きました。親族は私しかいないのですが、私が払わなくてはいけないのでしょうか?
兄弟姉妹の中で、あるいは親族の中で、身近な人が亡くなった後に思いがけず請求書や督促状が来るケースは少なくありません。特に独身で配偶者や子どもがいない場合、親族として「自分が払うべきなのか」「拒否できるものなのか」は深刻な問題です。
 
本記事では、クレジットカードの未払い金が相続人にどこまで影響するのか、相続放棄など借金を引き継がない方法、督促が来たときにどのような手続きをすればよいか解説します。
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クレジットカードの未払い金は相続されるのか? 法的な基本ルール

日本の法律(民法)では、亡くなった方(被相続人)が持っていた 権利・義務 は、その人の相続人が引き継ぐことになっています。これは資産だけでなく、借金などの「債務」も含まれます。
 
クレジットカードの未払い残高は、支払い義務を完全に果たしていない分が「債務」にあたります。亡くなった後も、カード会社はその未払い金を回収しようとできますから、督促が来るのはこのためです。
 
ただし、これには「相続人がどれだけ法的に責任を持つか」によって違いが出てきます。
 

「相続放棄」「限定承認」とは何か—親族が債務を負わなくて済ませる方法

クレジットカードの未払いなど、亡くなった人に「借金」がある場合、相続人はその債務も引き継ぐ可能性があります。ですが、必ずしもすべての人が借金を相続しなければならないわけではありません。
 
以下の方法を使えば、借金を相続しないようにすることが可能です。
 

・相続放棄(そうぞくほうき)

→相続そのものを「一切受け取りません」と家庭裁判所に申し出る方法で、最初から相続人でなかったとみなされます。借金も財産も一切引き継ぎません。
 
■メリット
・借金を完全に避けられる
・財産より借金が多いときに有効
 
■デメリット
・プラスの財産(預金や不動産など)も一切もらえなくなる
・死亡を知ってから3ヶ月以内に家庭裁判所で申し立てが必要
・放棄すると、次の順位の相続人(兄弟姉妹など)に権利や義務が移る場合がある
 

・限定承認(げんていしょうにん)

→亡くなった人の財産の範囲内でだけ、借金を支払うと申し出る方法で、財産が借金より多ければ、残りの分を受け取れます。借金が予想より多かった場合でも、自分の財産から払う必要はありません。
 
■メリット
・プラスの財産を残せる可能性がある
・マイナスが多くても、自分に損害が及ばない
 
■デメリット
・相続人全員の同意が必要
・手続きが複雑で、専門知識が必要になることもある
・こちらも死亡を知ってから3ヶ月以内に家庭裁判所で申し立てが必要
 
亡くなった人に「財産がほぼない」「借金が多そう」という場合は相続放棄、財産も借金もどちらもあるが、詳細が不明の場合は限定承認、というように状況に応じて判断するとよいでしょう。
 

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何をいつまでに行えばよいか

親族で督促状が来たとき、それだけで自動的に支払い義務があるわけではありません。ただし「相続人」であれば未払い金は相続債務となりうるので、何も対策をしなければ負う可能性があります
 
相続放棄や限定承認によって、借金の責任を回避できる制度があり、これらを利用するなら 死亡を知ったときから3ヶ月以内 に家庭裁判所で手続きを行う必要があります。
 
勝手に督促を無視するのではなく、まず亡くなった方の借金・資産状況を正確に調べ、必要な書類を集め、カード会社にも連絡して請求内容を明確にすることが重要です。
 
専門家に相談することで、あなたが不利な状況に立たされないように適切な対応をとる手助けを得られます。
 

出典

裁判所 相続の放棄の申述
裁判所 相続の限定承認の申述
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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