祖父から教育資金の非課税制度で「1000万円」受け取ったのですが、「450万円」余りました。祖父に返金すれば税金はかかりませんか?

配信日: 2025.09.29
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祖父から教育資金の非課税制度で「1000万円」受け取ったのですが、「450万円」余りました。祖父に返金すれば税金はかかりませんか?
大学や高校の学費を支援してもらう際に、「教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度」を活用する人もいるでしょう。しかし、受け取ったお金を使い切れず余ってしまう場合があります。非課税制度で受け取ったお金が余ると、贈与税が課される可能性があるため注意が必要です。
 
今回は、教育資金の非課税制度で余ったお金が課税される理由や税額の求め方、贈与税を回避するためのポイントなどについてご紹介します。
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契約終了時に余ったお金は贈与税が課される可能性がある

教育資金の非課税制度で贈与税が非課税となるのは、あくまでも教育費のために渡されたお金のみです。たとえ祖父が教育費のつもりで渡していても、受け取った本人が教育費以外で使ったり、教育資金口座の契約終了時に余ったりすれば、その金額分は通常の贈与とみなされるでしょう。
 
仮にあとで返す予定であったとしても、贈与は受け取った時点で成立するため、非課税にはならないと考えられます。国税庁によると、書面による贈与契約は、贈与契約の効力が生じた時点で「贈与により財産を取得した」と判断されるためです。
 
教育資金の非課税制度も契約に基づいてお金を渡す仕組みであるため、お金を送金した時点で贈与契約の効力が生じたと判断される可能性があります。お金が余ったのであれば、その金額分に対して贈与税が課されるでしょう。
 
さらに、贈与は取得した時点で自分の財産となるため、余ったお金を返した場合でも祖父への贈与とみなされ、課税される可能性があるため注意が必要です。
 

余った贈与財産に課される贈与税の求め方

贈与税には、年間110万円の基礎控除が設けられており、基礎控除を超えた分に対して税金が課されます。
 
今回のように、教育資金の非課税制度で450万円が余ったときの税額を求めてみましょう。条件は以下の通りとします。
 

・教育資金の非課税制度以外で受け取った贈与はない
・祖父から孫への贈与で孫は成人している
・教育資金口座に係る契約終了時に祖父は生存している

 
条件を基にすると、110万円の基礎控除を差し引いた340万円が課税対象です。また、贈与税には祖父や両親といった直系尊属から、18歳以上の子どもや孫へ贈与した場合に適用される特例税率と、それ以外の一般税率で分けられています。
 
今回は成人している孫へ祖父から贈与しているため、特例税率が適用されます。特例税率の場合、国税庁によれば、今回のケースだと税率は15%、控除額が10万円のため、贈与税額は41万円です。
 
なお、孫が未成年だった場合は一般税率が適用されるため、税率は20%、控除額は25万円となり、支払う金額は43万円になります。
 

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贈与税が課されないためのポイント

贈与税が課されないためには、必要な金額のみを受け取ることがポイントです。教育資金の非課税制度の場合、教育費以外の贈与は通常の贈与として扱われます。
 
そのため、祖父が送ろうとしている金額では余ることが想定されるときは、祖父に送金額を調整してもらうとよいでしょう。
 
また非課税制度とは別に、生活費や医療費などは、必要な金額の範囲内であれば非課税で受け取れます。したがって、教育資金として余る分の金額を、生活費や医療費の支援として、制度外で送ってもらうのも方法のひとつです。
 
さらに、年末年始の贈答や祝い金は、社会通念上相当と認められる範囲内であれば、非課税とされています。大学の入学祝いやお年玉として、余りそうな金額の一部を受け取ることも検討しましょう。
 

一度受け取った時点で贈与は成立しているため、税金がかかる可能性がある

「教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度」の場合、贈与契約が効力を発揮した時点で財産を取得したと判断されます。そのため余ったお金をあとで返すとしても、受け取った時点で贈与税の課税対象になると考えられるでしょう。
 
今回のケースで、教育資金口座に係る契約終了時に450万円が余っている場合は、孫が成人していれば41万円の贈与税が課されます。
 
税金を課されないようにしたいなら、受け取る金額をできるだけ余らないようにするとよいでしょう。また、生活費や医療費、祝い金といった非課税とされる支出を活用してお金を受け取ることも一案です。贈与財産を受け取ったあとに取り消すことは原則できないため、お金を受け取る前に祖父とよく相談して受け取り方を決めましょう。
 

出典

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4402 贈与税がかかる場合 贈与を受ける財産の取得の時期
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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