兄弟2人で土地を相続し、兄から「50万円払うから土地をすべて譲ってほしい」といわれました。土地の評価額は800万円なので400万円は受け取れますよね?

配信日: 2025.09.29
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兄弟2人で土地を相続し、兄から「50万円払うから土地をすべて譲ってほしい」といわれました。土地の評価額は800万円なので400万円は受け取れますよね?
相続財産として土地を兄弟で分けるケースは少なくないようです。一方で、「土地の評価額」と「実際に受け取れる金額」が必ずしも一致するわけではないのが現実です。評価額800万円の土地を兄弟で分けるのであれば、本来は互いに400万円相当の権利が生じると考えるのが自然でしょう。しかし、土地の性質や分け方によっては単純なことではないでしょう。
 
ここでは、土地相続の仕組みと注意点を整理していきます。
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相続財産の評価と分け方の基本

相続の際、土地や建物といった不動産は相続税評価額を基準に計算されます。相続人が2人であれば、原則として半分ずつの持ち分を持つことになります。今回の例でいえば、800万円の評価額なら400万円ずつの権利を有していると考えるのが基本です。
 
ただし、土地は現金のように簡単に分けることが難しいことがあります。兄弟でそのまま二分割して登記できる場合もありますが、地形や立地によっては分割が難しくなることがあるからです。結果として、誰かが土地をまとめて相続し、代わりに他の相続人に「代償金」を支払うケースもあるようです。
 

実際に400万円を受け取れない可能性

土地を相続する側が十分な資金を持っていれば、400万円を支払って公平に分けることも可能です。しかし、手元にまとまったお金がないと「とりあえず50万円でどうか」といった不公平な提案が出てくることも考えられます。
 
このような提案に必ず応じる必要はないでしょう。しかし、土地を共有したままでは売却や活用が難しくなるため、現金化したい場合には話し合いが不可欠です。第三者に買い取ってもらう方法もありますが、共有不動産は売却が進みにくく、希望通りの価格で売れないこともあります。
 
また、共有者が複数いる土地は利用や管理の自由度が低く、賃貸や担保設定などの活用も制限されがちです。時間がたつほど調整が難しくなるため、早い段階で解決策を探ることが望ましいでしょう。
 

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土地の「評価額」と「実勢価格」の違い

注意しておきたいのは、相続税評価額と実際の売買価格が同じとは限らない点です。相続税評価額は路線価や固定資産税評価額を基準に計算されるため、市場価格よりも低めになるケースが一般的のようです。
 
一方で、不動産の実勢価格は需要や立地条件によって変動します。評価額800万円の土地でも、買い手がつかなければ市場では600万円程度にしかならない可能性も考えられます。逆に人気のある地域なら評価額を上回る価格で売れる可能性もあるかもしれません。
 
また、地形や接道状況など、土地固有の条件によっても大きく差が出ます。旗ざお地や再建築不可物件などは需要が低く、評価額と比べて実際の取引価格が大幅に下がるケースも少なくありません。土地の評価額が800万円だからといって、400万円を必ず現金で受け取れると考えるのは危険です。実勢価格を踏まえて判断してください。
 

不公平に感じたときの対応方法

自身の受取額を不公平に感じた場合、無理に譲歩する必要はないでしょう。土地の評価や分け方に疑問を抱いたときは、まず専門家に相談することをおすすめします。
 
弁護士や司法書士、不動産鑑定士などに依頼すれば、土地の正確な評価や分割方法の選択肢について助言を受けられます。専門家の意見を踏まえることで、兄弟間の交渉を冷静に進められ、不公平な取引を避けられる可能性が高まるでしょう。
 

相続でトラブルを避けるために

相続はお金だけでなく感情も絡むため、兄弟間で意見が対立しやすい問題です。土地の扱いを巡って「納得できない」と感じたまま話を進めてしまうと、長期的な関係悪化にもつながりかねません。
 
トラブルを避けるには、早い段階で売却か代償分割かの方向性を定め、第三者の助言を取り入れることが大切です。専門家を介してやり取りすることで、冷静に現実的な解決策を見いだせるでしょう。
 

土地相続は評価額だけで判断できない

評価額800万円の土地を2人で相続する場合、原則として互いに400万円相当の土地を得る権利があります。しかし、土地の評価額と市場価格は異なるため、代償金を支払う資力が相手にあるかどうかによって受け取れる金額は変わってきます。
 
もし内容に不公平だと感じたときは、専門家に相談して適正な評価を確認し、納得できる形で判断することをおすすめします。
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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