「1000万円」を「100万円×10年」で孫に贈与する予定です。知人には「贈与税がかかるかも」と言われたのですが、年間110万円以内なら非課税ではないでしょうか?

配信日: 2025.09.29 更新日: 2025.09.30
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「1000万円」を「100万円×10年」で孫に贈与する予定です。知人には「贈与税がかかるかも」と言われたのですが、年間110万円以内なら非課税ではないでしょうか?
孫や子どもに多額のお金を渡したい場合、贈与税を考慮して複数年に分けたいと考えている人もいるかもしれません。しかし、複数年にわたってお金を渡していても、場合によっては課税対象となるでしょう。
 
今回は、毎年定期的な贈与をすると課税対象となる例や、定期的な贈与以外で贈与とみなされる例、課税されないためのポイントなどについてご紹介します。
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定期的な贈与も課税対象となるケースがある

贈与税は基本的に年間で贈与された財産の金額に対して課される税金です。しかし、定期的に毎年同じ金額を渡していると、「まとまった金額を複数年に分けて渡す贈与契約を結んだ」として、初年度に贈与税が課される場合があります。
 
例えば、10年間100万円を毎年孫に渡すとします。この場合、1000万円を複数年に分けて受け取れる権利を贈与されたとして、初年度に1000万円の贈与を受けたと判断されるでしょう。
 
国税庁によると、定期贈与となるのか毎年異なる贈与とみなされるのかは、おもに以下の基準で変わります。


・毎年贈与契約を結んでいる:1年ごとの贈与と判断
・事前に毎年決まった金額を渡すことが約束されている:渡し始める初年度に総額の贈与が行われたと判断される

もし祖父母から成人している孫へ毎年100万円ずつ10年間にわたって渡すと、孫はお金を受け取り始めた1年目に1000万円の贈与を受けたとして課税されるでしょう。
 
贈与税は基礎控除(110万円)が設定されているため、課税対象となるのは、基礎控除を差し引いた890万円です。国税庁によれば、この場合は特例税率が適用され、税率は30%、控除額は90万円のため、孫は177万円の贈与税が課されます。
 
1年目に受け取っているのは100万円なので、この時点では受け取った金額よりも多くの税金を負担することになるでしょう。
 

ほかに贈与とみなされる例

本人たちが贈与のつもりでなくても、結果として贈与扱いになるケースがあります。
 
例えば、本来の価格よりも非常に低い値段で財産を譲り渡した場合、本来の値段と譲り渡した価格の差額を贈与したと判断されると贈与税の課税対象です。1000万円の不動産を10万円で譲ったとすると、990万円の贈与が行われたと判断される可能性があります。
 
また、親などからお金を借りた際に出世払いや無利子にしてもらっている、あるいは実質的な贈与であるようなときも、金額によっては贈与税の課税対象です。無利子にしている場合は利子分が、出世払いや実質的な贈与の場合は借りた金額自体が贈与税の課税対象となります。
 

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課税されずにまとまったお金を渡すポイント

毎年孫にお金を渡すにあたって、孫に税金の負担をかけたくないのであれば、都度贈与契約を締結しましょう。最初に述べたように、毎年贈与契約書を作成していれば、それぞれがその年の贈与として扱われる可能性が高まるようです。
 
そのため、定期贈与とみなされなければ、110万円以内の贈与には税金はかからないといえます。贈与契約を毎年結ぶ場合は、客観的に見ても分かるよう、渡す金額や日付などを書いた贈与契約書を残しておくとよいでしょう。
 
また、非課税項目を活用する選択肢もあります。贈与税には非課税項目が設定されており、必要なタイミングで必要な金額の扶養義務者からの生活費や教育費、医療費などの支援には税金がかからないとされています。まとめて孫に渡すのではなく、仕送りとして家賃代や教科書代などを送るとよいでしょう。
 

毎年一定金額の贈与は初年度にまとめて課税される可能性がある

贈与税は年間の贈与された財産の金額に対して課される税金です。しかし、まとまった金額を複数年に分けて渡す場合、一定金額を毎年渡すと1年目にその総額を受け取る権利を贈与したとして、課税されることがあります。
 
課税対象となると、年間の贈与額が基礎控除額内でも、総額が基礎控除よりも多ければ税金の支払いが必要です。
 
課税されないようにまとまったお金を渡すには、毎年贈与契約を結んだり非課税項目を活用して生活費や教育費の支援をしたりする方法があります。孫が遠くに住んでいて贈与契約書を毎回作りにくい場合などは、生活費や教育費の形で支援するとよいでしょう。
 

出典

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)No.4402 贈与税がかかる場合 毎年、基礎控除額以下の贈与を受けた場合
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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