亡くなった父の相続手続き後に、予想外の口座が見つかりました。残高は50万円ほどですが、追加で相続手続きをしなければいけないのでしょうか?

配信日: 2025.09.30
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亡くなった父の相続手続き後に、予想外の口座が見つかりました。残高は50万円ほどですが、追加で相続手続きをしなければいけないのでしょうか?
相続手続きは時間も手間もかかる上、精神的にも重い作業です。一通り手続きが終わったと思った矢先、亡くなった父名義の銀行口座が残されていた。残高は50万円ほど。
 
そんな「思いがけない発見」をされた方は少なくありません。こうした遺産の追加発見は、相続人にとって「やらなければならないことが残っているのでは? 」という不安につながります。
 
本記事では、そうしたケースで何をすべきか、税務面や手続き面での注意点も含め解説します。
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追加で口座が見つかるケースと「漏れていた遺産」の扱い

相続手続きを終えた後に、被相続人(亡くなった方)の未確認口座が見つかるケースは、実は珍しくありません。証券、ネット銀行、過去の取引口座など、通知が来て初めて発見することもあります。
 
法律改正により、「相続手続きを済ませた遺産」に漏れがあっても、その漏れた部分について新たに相続手続きをすることが認められています(「一部分割」と呼ばれる扱い)。
 
つまり、相続全体を最初からやり直す必要は必ずしもなく、この「新たに見つかった財産分」だけを扱う方法が基本です。
 
ただし、例外的に最初の手続きを取り消して全体をやり直すことも、相続人全員の合意があれば可能です。
 

相続手続き後に見つかった財産への対応方法

追加で口座(預金)が見つかった場合、以下のステップで対応するのが一般的です。
 

(1) 相続人間で協議(遺産分割協議)

・新しい口座の残高や通帳を確認
・相続人全員で、誰がその財産を取得するかを決める
・決定したら「遺産分割協議書」に追記して、承認を得る

 
もともとの遺産分割協議書に、「将来見つかる財産はこうする」などの条項を入れていた場合は、それに従って処理するのが原則です。
 

(2) 銀行での手続き(払い戻し・名義変更)

追加で見つかった口座について、銀行への相続手続きを行います。通常、亡くなった名義人の口座は相続手続きが終わるまで凍結されます。
 
相続人として、凍結解除・払い戻し・新名義への振替などをするために、以下のような書類が必要になることがあります。

●被相続人の出生~死亡までの戸籍謄本・除籍謄本
●相続人の戸籍謄本
●遺産分割協議書(今回の追加分を含むもの)
●相続人の印鑑証明書
●通帳・キャッシュカード・印鑑など、銀行で必要とされる証票類

銀行によって必要書類や手順が若干異なるので、見つかった口座の銀行に直接問い合わせるのが確実です。
 

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税務上の影響と申告の注意点

追加で発見された財産(この場合は口座にあった50万円程度の預金)が、相続税の対象となるかどうか、また既に相続税申告を済ませている場合どうするかは重要なポイントです。
 
【相続税申告がまだの場合】
追加発見分を含めた財産を元に、申告内容を訂正して出し直すこと(訂正申告)が可能です。期限内であれば、ペナルティは基本的に発生しません。
 
【相続税申告後の場合】
申告後に見つかった財産がある場合、修正申告が必要です。この場合、修正申告をしないままだと、過少申告加算税や延滞税が課されることがありますが、自主的に早めに申告すれば、過少申告加算税を軽くできる場合もあります。
 
修正申告等を行う際には、追加で見つかった財産の残高証明書など、根拠となる資料を添付することが望ましいです。
 
また、遺産全体の額が大きく増えるような場合には、修正申告の内容によっては当初の分割協議のやり直し(取り消し・合意解除)を主張することも可能です。
 
なお、50万円という規模であっても、正直に申告しておくことで税務調査等で「隠した財産」と見なされるリスクを回避できます。
 

見つかった口座への対処と今後のステップ

1.まず、追加で見つかった口座の残高・通帳・銀行名などを明らかにしましょう。
 
2.相続人全員で話し合い、新たに見つかった遺産について、誰が取得するかを決定します(遺産分割協議を追記または拡張)。
 
3.銀行へ相続手続きを申し入れ、払い戻し・名義変更などを行います(必要書類は該当銀行に確認)。
 
4.相続税申告がまだなら訂正申告、既に申告済みなら修正申告を行い、追加納税・ペナルティ回避を図ります。
 
5.必要に応じて、全体の遺産分割を見直す(取り消し・合意解除)ことも検討できます。

50万円という金額であっても、きちんと手続きをしておくことが後々のトラブルを防ぐためには大切です。不安がある場合は、税理士または相続に詳しい司法書士にご相談されることをおすすめします。
 

出典

一般社団法人全国銀行協会 預金相続の手続きに必要な書類
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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