結婚式のご祝儀が「300万円」以上に! ご祝儀は“非課税”と聞きますが、さすがにこの金額なら贈与税がかかりますか? 大勢を招待したなら問題ないでしょうか?
そんなご祝儀ですが、実際に結婚式を挙げてみたら、「思った以上にご祝儀総額が大きくなった」というケースも珍しくありません。例えば、100人規模の披露宴を開けば、ひとり3万円としても合計300万円を超えることになります。
ここで、「これって税金はかからないの?」という疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。普通の贈与なら年間110万円を超える金額は贈与税の対象になりますが、結婚式のご祝儀は特別扱いなのでしょうか。
本記事ではご祝儀に関する贈与税について解説します。
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ご祝儀は基本的に非課税
まず押さえておきたいのは、結婚式におけるご祝儀は、原則として非課税扱いであるということです。国税庁によると、個人からの祝物で社会通念上相当と認められるものについては、贈与税がかからないとされています。
つまり、結婚式で受け取るご祝儀は「一時的なお祝いのお金」として扱われ、税務署に申告する必要も基本的にはありません。
ご祝儀でも課税されるケースはある
ご祝儀は基本的には非課税ですが、「どんなご祝儀でも完全に非課税」というわけではありません。次のような場合、ご祝儀でも税金が課される可能性があります。
1. 社会通念上の範囲を超える高額な贈与
例えば、親から1000万円を「ご祝儀」と称して受け取った場合などです。これは通常のご祝儀の水準を超えるため、贈与税の対象になる可能性があります。
2. 結婚式を開かずに高額のお金を受け取る場合
披露宴や挙式をせず、形式上「結婚祝い」として高額な現金だけ受け取った場合も、非課税扱いにはならず、単純な贈与として課税されるかもしれません。
3. 個人事業主や会社としてお金を受け取る場合
ご祝儀を名目に受け取ったお金が、実態として事業の対価や収入と判断される場合には、贈与税ではなく所得税(または法人税)の対象となることがあります。
300万円のご祝儀ならどうなる?
それでは、本記事のように結婚式で受け取ったご祝儀の総額が300万円になった場合はどうでしょうか。結論としては、通常の結婚式で招待客から受け取ったご祝儀であれば、合計で300万円でも課税されることはないでしょう。
人数が多ければ自然と金額も大きくなりますし、1人あたりのご祝儀額が常識の範囲内(一般的には友人3万円、上司や親族5万円など)であれば、税務署も「これは社会通念上相当なもの」と判断するためです。
親や親族からのまとまった援助には注意が必要
注意したいのが、ご祝儀とは別に親や祖父母などからのまとまった援助を受ける場合です。例えば、結婚にあたって「新生活のために500万円を援助する」と現金をもらった場合、原則として贈与税の対象となります。
ただし、結婚・子育て資金の一括贈与に関する特例(一定額まで非課税)を利用できる場合もあるので、事前に確認しておくと安心できるでしょう。
まとめ
結婚式のご祝儀は、社会通念上のお祝いとして扱われ、原則として非課税です。300万円規模のご祝儀総額であっても、通常の範囲内であれば課税されることはありません。
ただし、親や親族からの高額な援助などは贈与税の対象になる可能性があるため注意が必要です。本記事を参考に、事前に税務上のルールを確認しておくと、後々安心できるでしょう。
出典
国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー