「公営住宅」に“夫名義”で住んでいましたが、先日夫が亡くなりました。相続人は私なのですが、公営住宅の「使用権」も相続できますか?

配信日: 2025.10.12
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「公営住宅」に“夫名義”で住んでいましたが、先日夫が亡くなりました。相続人は私なのですが、公営住宅の「使用権」も相続できますか?
公営住宅に住んでいて名義人である配偶者が亡くなった場合、「このまま住み続けられるのか」と不安に感じる人もいるでしょう。
 
公営住宅の使用権が相続の対象であれば、相続人となる配偶者が相続できるはずですが、実際はどのようになるのかを確認しておきましょう。
 
本記事では、名義人が亡くなっても公営住宅に住み続けられるケースや、名義を引き継ぐための手続きについてもご紹介します。
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公営住宅の使用権は相続できるのか?

公営住宅法では、公営住宅の入居条件として「収入が一定基準を超えていないこと」「住宅に困窮していること」などが定められています。
 
入居希望者が公営住宅の戸数よりも多い場合は、政令で定める選考基準に従い、公正な方法で入居者を選考しています。
 
名義人である入居者が亡くなった場合、相続人が公営住宅の使用権を引き継ぐことになると、新たに入居を希望する人との公平性が保たれなくなります。そのため、公営住宅の使用権は相続の対象にはならないと考えられます。
 
名義人が亡くなるまで長年住んでいたとしても、その後も当然のように住み続けられるとは限りません。名義人が亡くなったことで、公営住宅を退去しなければならない可能性もあります。
 

名義人が亡くなっても公営住宅に住み続けられるケース

名義人が亡くなっても、同居者が必ず退去しなければならないわけではありません。
 
公営住宅法第二十七条六項によると「公営住宅の入居者が死亡し、又は退去した場合において、その死亡時又は退去時に当該入居者と同居していた者は、国土交通省令で定めるところにより、事業主体の承認を受けて、引き続き、当該公営住宅に居住することができる」とされています。
 
国土交通省令では、以下のいずれかに該当する場合は承認をしてはならないと定められています。
 

・亡くなった名義人と同居していた期間が1年に満たない場合
・引き続き居住することを希望する入居者の収入が一定基準を超える場合
・不正入居である場合
・家賃を滞納している場合

 
これらに該当しないケースであれば、名義人が亡くなった後もそのまま公営住宅に住み続けられる可能性があります。
 
ただし、引き続き居住を希望する者が病気にかかっているなど特別な事情がある場合は、前述の条件にかかわらず承認されることもあるようです。
 

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名義を引き継ぐために必要な手続き

都営住宅の場合、名義人が死亡した際は「住宅世帯員変更届」を東京都住宅供給公社の窓口センターに提出する必要があります。
 
都営住宅に住み続けることを希望する場合は、さらに「住宅使用承継申請書」を提出しましょう。
 
承継の基準を満たさず東京都の承認が得られない場合は、都営住宅を明け渡す必要があります。退去までには猶予期間が設けられますが、それを過ぎても退去しない場合は、近隣の民間賃貸住宅に相当する家賃を翌月から負担することになります。
 
名義人が亡くなった後も公営住宅に住み続けたい場合は、まず承継の基準を満たしているかを確認しておくことをおすすめします。
 
なお、ここで紹介した内容は都営住宅の手続きです。地域によって流れが異なる場合もあるため、お住まいの自治体などに確認しておくと安心です。
 

公営住宅の使用権は相続できないが、条件を満たしていれば引き続き住み続けることができる場合もある

公営住宅の名義人が亡くなった場合、同居していた配偶者はその使用権を相続できません。
 
しかし、同居期間が1年以上であることや収入が一定基準内であることなどの条件を満たせば、公営住宅に住み続けられる場合もあります。
 
名義を引き継ぐには書類を提出して承認を受ける必要があるため、手続きの方法は各自治体のホームページなどで確認しておくとよいでしょう。
 

出典

デジタル庁e-GOV法令検索 公営住宅法(昭和二十六年法律第百九十三号)第三章 公営住宅の管理 (入居者資格)第二十三条 ・(入居者の選考等)第二十五条・(入居者の保管義務等)第二十七条
国土交通省住宅局 公営住宅制度の概要について(4)承継承認(法27条6項)(3ページ)
JKK東京 都営住宅等の主な手続き 都営住宅等の世帯員変更届 (同居人の転出、死亡、氏名変更、出生)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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