墓じまいに補助金が出るって本当? 補助金対象になるケースとは?
こうしたなか、「墓じまい」を検討する家庭が増えていますが、費用負担も少なくありません。しかし、地域によっては墓じまいに対して、補助金や助成金制度 が設けられているケースも存在します。
本記事では、墓じまいに対する補助金について対象者や費用、手続きなどを整理します。
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自治体が墓じまいを支援する背景
墓じまいに補助金を出す背景には、墓地の管理上の課題があります。お墓を継ぐ人がいなくなると「無縁墓」と呼ばれる状態になり、雑草や老朽化などで景観や環境の悪化、衛生面の問題、さらには管理費用の増加につながります。
このような墓地は景観や衛生面の問題につながるほか、管理費用の増加も招きます。
自治体はこうした課題を解消し、墓地全体の管理負担の軽減や返還された土地の再利用を促進するため、補助金制度によって自主的な墓じまいを後押ししています。この制度を利用することで、利用者にとっても経済的な負担を軽減できるため、双方にとってメリットのある取り組みとなっています。
補助金が出るケース・出ないケース
補助金の対象例としては、公営墓地の区画を更地に戻して返還する場合や、一般墓から合祀墓・永代供養墓・樹木葬などに改葬するケースが挙げられます。
多くの自治体では、墓石の撤去や埋め戻しなどの原状回復工事費用の一部を助成する制度が設けられており、場合によっては未使用の区画返還時に支払った使用料の一部返金を設けているところもあります。
一方で、すべての墓じまいで補助が受けられるわけではありません。自宅での手元供養や散骨といった方法は、宗教的・法的観点から対象外となることが多く、寺院墓地や民営墓地もほとんどの場合で助成制度の対象外です。
また、すでに工事を始めた後には申請できないなど、申請タイミングにも注意が必要です。
費用の目安と経済的な考え方
墓じまいの費用は、内容によって大きく異なります。墓石の撤去や整地などの工事だけなら20~50万円程度が一般的な相場ですが、改葬先の利用料や供養料、離檀料、事務手続き費用などを合算すると総額で30~300万円、それ以上になることもあります。
地方の小規模墓地で合祀墓に改葬する場合は比較的安価ですが、都市部や大型墓石の撤去、納骨堂を利用する場合は高額になりがちです。
補助金は主に撤去工事費など一部のみが対象で、受給額は10~20万円程度が多く、残りの費用は自己負担となります。計画的に複数業者から見積もりを取り、自治体の補助制度の有無や条件を早めに確認して計画的に進めることが大切です。
手続きの流れと注意点
補助金を利用するには、申請から交付までの手続きを正しく進める必要があります。多くの自治体では、申請書類に加えて工事前後の写真や見積書、領収書などの提出を求めています。また、着工前の申請と申請期限が定められているため、早めに自治体へ相談して確認することが大切です。
さらに、墓じまいは単なる工事ではなく、寺院や親族との合意形成も欠かせません。特に寺院墓地の場合は、お布施や離檀料などの支払いが発生することが多く、想定外の費用が生じることもあります。
経済的な面だけでなく、感情面や宗教的な慣習にも配慮して調整を行うことが、トラブルを防ぐために非常に重要なポイントです。
補助金と費用を見極めて、納得のいく墓じまいをしよう
墓じまいを考える際は、まず自分の住む自治体に墓じまい補助金や助成制度があるかを確認しましょう。
地域や時期によっては、制度が存在しない場合もあります。撤去や改葬にかかる費用は自治体によって補助される場合もありますが、現状では支援制度のある自治体は全国でも限定的で、金額や対象条件にも差があります。
必要に応じて複数業者から見積もりを取り、自己負担分となる金額を把握したうえで資金計画を立てることが重要です。費用・手続き・家族の意向のバランスを取りながら、冷静に判断していくことが、生活者として現実的かつ賢い選択といえるでしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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