母が亡くなり、葬儀費用「150万円」を娘である私が立て替えました。“相続前”に母親の口座から引き出そうと思いますが、問題ありますか?

配信日: 2025.11.12 更新日: 2025.11.20
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母が亡くなり、葬儀費用「150万円」を娘である私が立て替えました。“相続前”に母親の口座から引き出そうと思いますが、問題ありますか?
家族が亡くなり「葬儀費用は誰が支払うのか?」という問題が出てくる場合もあるでしょう。
 
故人が葬儀費用を残している場合もありますが、遺産相続の前にそのお金を引き出しても問題ないのか、そもそも引き出すことは可能なのか、確認しておくとよいかもしれません。
 
本記事では、葬儀費用を相続財産から支払う方法について、故人の口座が凍結されてしまっている場合の対処法とあわせてご紹介します。
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葬儀費用は相続財産から支払える?

葬儀費用を誰が負担するかについての法的な決まりはないため、相続人間の話し合いで自由に決めることができます。
 
今回の事例では「娘である相続人がいったん立て替えた後で、故人の口座から引き出したい」ということですが、立て替えた葬儀費用を相続財産から支払うことも可能であると考えてよいでしょう。
 
ただし、相続財産から葬儀費用を支払うことを相続人全員が合意していることが必要です。特定の相続人の独断で葬儀費用を支払った場合、相続財産が減ることで、トラブルに発展する可能性もあります。そのようなことにならないよう、遺産分割協議で合意を得ておきましょう。
 

故人の口座が凍結されてしまっている場合の対処法

故人の口座からお金を引き出す際には、口座が凍結されている可能性も考えなければなりません。
 
金融機関が口座名義人の死亡を確認すると、口座は凍結されてお金を引き出せなくなります。
 
通常であれば、遺産分割が完了するまで凍結を解除できませんが、葬儀費用が必要な場合などは「遺産分割前の相続預金の払戻し制度」を利用できることがあります。
 
この制度を利用することで、家庭裁判所の判断を経ずに「死亡時の預貯金残高×3分の1×法定相続分」の額の払い戻しを受けることが可能です。ただし、同一の金融機関からの払い戻しの上限は150万円となります。
 
例えば、1つの金融機関に1200万円の預金残高があり、相続人が2人の子どものみである場合、1200万円×3分の1×2分の1=200万円となるため、払い戻しが可能な金額は上限である150万円です。
 
上限額以上のお金を払い戻したいときは、家庭裁判所に申し立てることで相続財産の全部または一部を仮取得できる可能性があります。
 

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払い戻し制度を利用する際の手続き方法

金融機関で払い戻しの手続きを行う際は、以下の書類が必要です。
 

・本人確認書類
・被相続人の除籍謄本、戸籍謄本または全部事項証明書
・相続人全員の戸籍謄本または全部事項証明書
・預金の払い戻しを希望する方の印鑑証明書

 
ただし、金融機関によって必要書類が異なる場合もあるため、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。
 
また、家庭裁判所への申し立てにより払い戻しの制度を利用する場合は、家庭裁判所の審判書謄本と預金の払い戻しを希望する方の印鑑証明書が必要です。
 
審判書謄本に審判書上確定表示がない場合は、さらに審判確定証明書も必要になるため、用意しておきましょう。
 

相続人全員の合意があれば相続前に故人の口座から葬儀費用を引き出すことは可能

葬儀費用を誰が支払うかは、相続人同士の話し合いで決めることが可能です。
 
相続人全員の合意があれば、特定の相続人が立て替えた葬儀費用を故人の口座から引き出すことも可能であると考えられます。
 
ただし、口座名義人が亡くなったことを確認すると金融機関は口座を凍結してしまうため、遺産分割が完了するまでお金を引き出せなくなる可能性があります。
 
遺産分割の前に口座からお金を引き出したい場合は「遺産分割前の相続預金の払戻し制度」を利用する方法があるため、手続き方法を確認してみるとよいでしょう。
 

出典

一般社団法人 全国銀行協会 ご存知ですか?遺産分割前の相続預金の払戻し制度(1~2ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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