終活中の母に「戒名いらないから、葬式は安くね」と言われた! あまり安いと「親に申し訳ない」と感じてしまうのですが“本人の希望”なら問題ないですか? 平均費用もあわせて確認

配信日: 2025.12.07
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終活中の母に「戒名いらないから、葬式は安くね」と言われた! あまり安いと「親に申し訳ない」と感じてしまうのですが“本人の希望”なら問題ないですか? 平均費用もあわせて確認
終活をしている親から、「お葬式は安く済ませていいからね」と言われると、子どもとしては「申し訳なく感じる」「安くとは言うけれど、どこまで削って大丈夫なの?」と不安がよぎるものではないでしょうか。
 
最近は、家族葬や直葬、墓じまいなどお金をかけない選択が広がっており、戒名をつけずに最低限だけにしたいという人も少なくありません。
 
では、葬儀費用は一般的にどれくらいかかり、どこまで安くできるのでしょうか。本記事では、平均相場から最低限の費用、戒名の必要性まで、残された家族が知っておきたいポイントを整理します。
大林郁哉

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葬儀費用の平均は約120万円。何にお金がかかっている?

終活サービスを提供する株式会社鎌倉新書が2024年に行った調査によれば、葬儀一式の平均費用は約118万円となっています(図表1)。
 
これは、式場費、祭壇、棺(ひつぎ)、霊きゅう車、火葬料金、僧侶へのお布施など、多くの項目が積み重なっている金額です。近年は参列人数が減少し家族葬が主流になってきたものの、一般葬を行うと費用はかさみがちになります。
 
さらに、地域によって火葬料金に差があったり、寺院の檀家(だんか)であるかどうかによって戒名料が変わったりと、費用構造が分かりにくい点も、家族の不安を高める要因といえるでしょう。
 
図表1

図表1

株式会社鎌倉新書 【第6回】お葬式に関する全国調査(2024年)
 

最低限に抑えた場合、葬儀はどこまで安くできる?

では、終活中の親の希望どおり「できるだけ安く」を目指す場合、実際にどの程度まで抑えられるのでしょうか。
 
前記の調査によれば、図表2のとおり、最も費用を抑えられるのは「直葬(火葬式)」と呼ばれる形式で、通夜・告別式を行わず、火葬のみを行うものです。費用の目安は40万円程度で、葬儀会社や地域によって上下します。火葬場への搬送や納棺、火葬料金など、本当に必要な手続きを最小限にした形です。
 
次に費用を抑えられるのは、お通夜を行わず、葬儀・告別式と火葬を1日で行う「1日葬」で、費用相場は90万円程度です。「一般葬」では、規模が大きくなればなるほど費用がかかり、家族だけで行う「家族葬」の場合は100万円前後が相場です。規模は小さいものの、祭壇を設置したり僧侶を呼んだりする分、直葬よりは費用がかかります。
 
ただ、一般葬と比べると項目を自由に取捨選択でき、花の装飾を簡素化したり、会場を小さくしたりすることで費用を抑えることも可能です。母親の希望が「最低限でいい」というものであれば、直葬は現実的な選択肢といえそうです。
 
図表2

図表2

株式会社鎌倉新書 【第6回】お葬式に関する全国調査(2024年)
 

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戒名は本当に必要? 省略しても問題ないケースとは

戒名とは、仏教において故人に与える名前で、多くの宗派では一般的とされています。
 
ただし、戒名は必ずしも必要なものではなく、宗派や寺院との関係性によって必要度合いは異なります。戒名をつける場合は、位のランクや文字数によって費用が変わり、お布施と合わせて20万~100万円程度が相場です(図表3)。
 
寺院との付き合いがなく、無宗教葬や直葬を選ぶ場合は、戒名を省略しても問題ないでしょう。親の宗派や寺院との関係を確認したうえで、「本当に必要か」を確認しておくことが、過剰な負担を避けるうえで重要になります。
 
図表3

図表3

小さなお葬式 戒名料の相場は?葬儀費用控除の可否や渡すタイミングとトラブル事例も解説
 

親の希望が「安くしてほしい」なら、事前の話し合いが大切

葬儀費用は、どこまで儀式を行うか、宗教儀礼を取り入れるかによって大きく変わります。終活中の親が「安く済ませていい」と言う背景には、子どもに負担をかけたくないという気持ちが込められている場合が多いです。
 
しかし、戒名をどうするか、直葬でよいか、親族の理解が得られるかなど、家族全体で合意を得ることが重要です。事前に方針を共有しておくことで、いざというときに迷わず対応でき、費用面・精神面の負担も軽くできます。葬儀は故人との別れの大切な儀式だからこそ、親の希望と家族の考えのバランスをとり、無理のない形を選ぶことが大切です。
 

出典

株式会社鎌倉新書 【第6回】お葬式に関する全国調査(2024年)
株式会社ユニクエスト 小さなお葬式 戒名料の相場は?葬儀費用控除の可否や渡すタイミングとトラブル事例も解説
 
執筆者 : 大林郁哉
FP2級、AFP、簿記3級

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