母が65歳で死去。不動産を含む遺産総額は8000万円になります。兄弟2人で分けた場合、一人あたりいくらまで税金はかからない?

配信日: 2025.12.10
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母が65歳で死去。不動産を含む遺産総額は8000万円になります。兄弟2人で分けた場合、一人あたりいくらまで税金はかからない?
親の死後に訪れる「相続」。悲しみの中でも、現実的に避けて通れないのが相続税の問題です。
 
「母が65歳で亡くなり、遺産総額が8000万円。不動産も含まれており、兄弟2人で分ける場合、一人あたりいくらまで税金がかからないのか?」という疑問を抱く方は少なくありません。本記事では、相続税の基本から実際の計算例までをわかりやすく解説します。
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相続税がかかるのはどんなとき?

相続税は、被相続人(亡くなった人)から相続した財産の総額が基礎控除額を超える場合に課されます。基礎控除額とは、「これ以下の相続なら税金がかからない」というボーダーラインです。この金額は次の式で算出します。
 
基礎控除額 = 3000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)
 
たとえば、今回のケースでは相続人が兄弟2人。つまり、
 
3000万円 +(600万円 × 2)= 4200万円
 
が基礎控除額です。
 

遺産総額8000万円の場合の課税対象額

母の遺産が不動産を含めて8000万円。基礎控除額が4200万円なので、
 
8000万円 − 4200万円 = 3800万円
 
が相続税の課税対象となります。つまり、遺産総額が基礎控除額を超えているため、相続税が発生します。
 

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相続人が2人の場合の税金の計算方法

次に、実際の税額を求めるために「法定相続分」で分割したと仮定して計算します。
 
兄弟2人で均等に分けると、1人あたり4000万円ずつが法定相続分です。課税対象額3800万円を2人で分けると、1人あたりの課税価格は1900万円です。
 

相続税の速算表を使って計算

相続税の税率は「課税価格」に応じて段階的に決まっています(表1は令和6年時点の税率)。
 
【表1】

課税価格 税率 控除額
1000万円以下 10% 0円
3000万円以下 15% 50万円
5000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円

※筆者作成
 
1900万円の課税価格は「3000万円以下」の区分にあたるため、税率15%、控除額50万円を用います。
 
相続税額(各人)= 1900万円 × 15% − 50万円 = 235万円
 
これが法定相続分で相続した場合の1人あたりの相続税額です。
 

実際の税負担はさらに軽くなることも

ただし、ここで求めた税額は概算です。実際の相続税は、以下のような控除や特例を適用するとさらに軽減されます。
 

・小規模宅地等の特例

自宅や事業用の土地を相続する場合、最大80%の評価減を受けられる場合があります。不動産が含まれるケースでは、この特例の有無が税額に大きく影響します。
 

・配偶者の税額軽減

今回のケースでは母の死去時に父がすでに他界している前提ですが、もし配偶者が生存していれば、配偶者は1億6000万円または法定相続分のいずれか多い額まで非課税になります。
 

・生命保険金の非課税枠

生命保険金を受け取る場合、500万円 × 法定相続人の数まで非課税です。兄弟2人なら1000万円まで非課税になります。
 
これらを適用すれば、相続税はゼロまたは大幅に減額される可能性があります。
 

不動産の評価額に注意

不動産が遺産に含まれる場合、実際の市場価格ではなく「相続税評価額(路線価)」で計算されます。この評価額は一般的に時価の7〜8割程度になるため、8000万円という総額がそのまま課税対象になるわけではありません。
 
実際の評価によっては、課税対象額が基礎控除額以下に抑えられ、相続税が発生しないケースもあります。
 

一人あたり約235万円が目安

相続は「税金の問題」だけでなく、家族間の関係にも深く関わります。早めに相続財産の把握や分割方針を話し合い、必要に応じて生前贈与や遺言書の作成を検討することで、後のトラブルを防げます。
 
相続税を「避けられない出費」ではなく、「正しく準備すれば抑えられるもの」と捉えることが、家族円満な相続への第一歩です。
 

出典

国税庁 相続税の税率
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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