「父の遺産3000万円」は“すべて母親”が相続予定だったのに…姉妹で「相続放棄」の予定が、急に「父の兄」が相続人と名乗り上げ!「母のため」が裏目に出る理由とは? 注意点を確認
配信日: 2025.12.13
親が亡くなった場合、遺産は原則として法定相続分にしたがって家族で分けられます。しかし、中には遺(のこ)されたもうひとりの親の老後資金として、自分たち子どもの分はいらないから、全額を相続してほしいと考える人もいるでしょう。
そのような状況で、姉妹で相続放棄を予定していたときに、突然父の兄が「自分も相続人だ」と名乗り出て来たら、「伯父なのに遺産を支払う義務はあるのか」、「母に全額渡すことができるのか」という問題が発生してしまいます。
本来、妻と子にしかないはずの相続権を伯父が持つことができるのはなぜなのでしょうか。本記事では、相続の基本的なルールと、伯父が相続人になるケースを解説し、「母にすべて相続させるための対策」について紹介します。
そのような状況で、姉妹で相続放棄を予定していたときに、突然父の兄が「自分も相続人だ」と名乗り出て来たら、「伯父なのに遺産を支払う義務はあるのか」、「母に全額渡すことができるのか」という問題が発生してしまいます。
本来、妻と子にしかないはずの相続権を伯父が持つことができるのはなぜなのでしょうか。本記事では、相続の基本的なルールと、伯父が相続人になるケースを解説し、「母にすべて相続させるための対策」について紹介します。
ファイナンシャルプランナー2級
故人の兄(伯父)が相続人になるのはどんなとき?
今回の相続について、亡くなった父親の親族が、故人の妻、子ども2人、兄(直系尊属の父母は既に亡くなっている)であるとしましょう。
相続の基本として、配偶者は必ず相続人となります。その次に相続人となるのは子で第1順位、子がいなければ父母など直系尊属が第2順位、それもいなければ兄弟姉妹が第3順位と相続の権利が移行していきます。
また下位の順位の人が相続人となるためには、上位の順位の相続人がいないか、またはその人たちが一切相続しないという条件が必要となります。
今回のケースだと、母親が遺産の半分、子ども2人で残った遺産を均等に分けるのが基本的な相続です。しかし、姉妹2人が相続放棄をすると、「父親には最初から子がいない」という状態となり、代襲相続で、父親の父母(祖父母)から伯父へと相続権が渡ってしまうことになります。
つまり、姉妹の相続放棄の目的が「母に単独で相続してもらいたい」という意図で行われたとしても、法律上は「放棄」したことにより、伯父にも相続権が発生してしまうのです。
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