銀行振込で記録が残ると税務署に見られる? 夫婦間の生活費と贈与の注意点

配信日: 2025.12.13
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銀行振込で記録が残ると税務署に見られる? 夫婦間の生活費と贈与の注意点
夫婦間で生活費をやり取りする際に、銀行振込を利用するケースは珍しくありません。しかし、その一方で「振込記録が残ることで税務署に把握されやすいのではないか?」「贈与と判断されることがあるのか?」といった疑問を抱く人もいるでしょう。
 
日常的なお金の移動であっても、税制上どのように扱われるのかは十分に知られていないことがあります。
 
本記事では、銀行振込と税務上の判断の関係を整理し、夫婦間で安心して資金管理を行うために押さえておきたいポイントを解説します。
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なぜ「銀行振込=贈与税リスク」と思われるのか

夫婦間の送金であっても、銀行振込には履歴が残り、後から確認できる形で資金の移動が記録されます。そのため、税務署が相続税調査などの過程で預金の動きを確認した際に、高額の送金が見つかれば「贈与ではないか」と判断材料にされる可能性があります。
 
ただし、これは「高額」「恒常的」「生活費以外に使われている」など、贈与性を疑わせる具体的な事情がある場合にかぎられます。振込記録があるだけで、自動的に課税されるわけではありません。
 

夫婦間の振込が非課税と認められやすいケース

夫婦は法律上「扶助義務」を負っており、生活費や教育費など日常生活に必要な支出については、夫婦間で金銭を渡しても贈与とはみなされません。
 
例えば、食費や家賃、子どもの教育費、医療費など、生活を維持するうえで必要と考えられる支出はこの範囲に含まれます。これらを銀行振込で受け渡ししても、通常は贈与税の対象とはなりません。また、生活費のやり取りとして妥当な金額であれば、毎月の振込が続いても問題とされにくい傾向があります。
 

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贈与税の対象になりやすいケース

一方で、次のようなケースでは生活費ではなく、贈与と判断される可能性が高くなります。
 
1. 生活費の範囲を大きく超える金額
生活費の通常必要額を大きく超える資金移動が続き、その使途が生活費として合理的に説明できない場合、贈与税の対象とみなされる可能性があります。
 
2. 貯蓄・投資・不動産購入などに使われる場合
受け取った資金を貯金し続けたり、投資商品を購入したり、不動産取得やローン返済に充てるなど、将来資産を形成する目的であれば、生活費とは認められず、贈与税の対象となります。年間110万円の基礎控除を超える場合は、申告が必要です。
 
3. 名義預金の扱いになるケース
例えば、夫が妻名義の口座に生活費以上の金額を定期的に入れ、妻が使わず積み立てている場合、その預金は実質的に夫の資産と判断される可能性があります。この場合、税務署から贈与として扱われることがあります。
 

銀行振込の記録は税務署に見られるのか

銀行振込のデータは、自動的に税務署へ通知されるわけではありません。しかし、相続の発生時などに預金履歴が調査されることは珍しくありません。その過程で高額な資金移動が確認されれば、使途を問われる場合があります。
 
したがって、夫婦間の送金であっても、「生活費として適正か」「貯蓄に回っていないか」「生活レベルに比して過大でないか」などを意識しておくことが重要です。
 

生活者が安心して送金するためのポイント

夫婦間のお金のやり取りをスムーズかつ安全に行うために、次の点を押さえておきましょう。
 

・振り込んだ生活費は、日常的な支払いに使ってもらう
・高額になりすぎないよう、生活実態に合った金額にする
・受け取った側が貯蓄に回しすぎないよう注意する
・まとまった資金移動をする際は事前に専門家へ相談する

 
これらを意識することで、後々の税務リスクを大幅に減らすことができるでしょう。
 

夫婦間の送金で不安を抱えないために、振込と贈与税の関係を正しく理解しよう

夫婦間の銀行振込は、通常の生活費のやり取りとして使うかぎり、たとえ記録が残っても贈与税の対象となることは多くありません。一方で、生活費の範囲を超える高額な送金や、貯蓄・資産形成に回すような使い方をすると、贈与と判断される可能性が高まります。
 
夫婦間で送金する場合は、振込金額の妥当性や使途を意識し、必要があれば専門家に相談することで、安心してやり取りを行えるようになるでしょう。
 

出典

国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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