クリスマスに息子に「レクサス」を送りたいと思っていますが、贈与税がかからない方法で送りたいです。何かよい方法はないでしょうか?
今回は子どもに車をプレゼントするケースについて、贈与税がかかるのかどうかをチェックしていきましょう。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。
富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”
車にも贈与税がかかる
親から子どもへ金銭などを渡した場合、110万円までは贈与税がかかりません。なぜなら、贈与税には110万円の基礎控除があるからです。
例えば、親が子どもに、生活費や教育費ではなく、200万円の現金を渡した場合、基礎控除をひいた90万円分(200万円-110万円)について、贈与税がかかります。一般贈与財産の場合、90万円分にかかる税率は10%となります。
贈与税がかかるのは、現金だけではありません。マンションなどの不動産や車も対象となります。タイトルにある通り、レクサスなどの高級車を子どもや孫にプレゼントした場合、レクサスの市場価格が110万円を超えると、超えた分に贈与税がかかります。
レクサスは、新車の場合300万円を超え、高いものでは、600万円以上の車種もあります。そのため、親から子どもに新車のレクサスをプレゼントすると、贈与税がかかる可能性が高いでしょう。
また中古車の場合、市場の査定額で贈与税を計算します。レクサスの場合、中古車であっても、200万円など高額な査定額がつくケースもあります。中古車の価格が贈与税の基礎控除分110万円を超えた場合、贈与税を支払わなければなりません。
贈与税を払わなくても良いケースは?
ただし、親から子どもや孫に車をプレゼントする場合で、贈与税がかからないケースがあります。どのようなケースなのか、本章でチェックしていきましょう。
・車の価格が110万円以下の場合
ご説明した通り、年間110万円までであれば、親から子どもへの贈与に税金がかかりません。110万円以下に値段が下がっている中古のレクサスを子どもに贈れば非課税となります。もちろん、新車で110万円以下の車を贈った場合も、贈与税はかかりません。
・親が車を購入し、子どもが親の車を借りて乗っている場合
親が車を購入し、子どもがその車を借りて使用している場合、贈与税はかかりません。車の所有者は、親となります。正式なプレゼントとはなりませんが、贈与税を払わずに、子どもが車を使用することは可能です。
ただし、車の名義人を親から子どもに変更するタイミングで、車の査定額によっては、贈与税がかかる可能性があります。
・車が日常生活を送るために、必要不可欠の場合
公共の交通機関がない地域などに住んでおり、生活をするうえで車が不可欠で、親が子どもに車を購入した場合は、贈与とみなされないケースがあります。
ただし、レクサスなどの高級車の場合、たとえ車が必要な地域であっても、贈与税が課税される可能性があります。
まとめ
贈与税は、該当者が必ず支払わなければならない税金です。うまく逃れようとしたり、悪意を持って申告しなかったりした場合、ペナルティーが課される可能性があります。
親が子どもにレクサスなどの高級車を贈る場合には、贈与税がかかることをしっかりと理解し、申告漏れがないように注意しましょう。また今回ご紹介した通り、贈与税がかからないケースも把握しておくと、お互いに税負担がなく車を贈ることが可能です。ぜひチェックしておきましょう。
出典
国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
執筆者 : 下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者