田舎の両親が生前「放置していた畑」を勝手に近隣の農家に貸していたことが相続時に判明! 「相続税」が高くつく可能性もあるって本当?

配信日: 2026.01.10
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田舎の両親が生前「放置していた畑」を勝手に近隣の農家に貸していたことが相続時に判明! 「相続税」が高くつく可能性もあるって本当?
近しい親族が亡くなった際、頭を悩ませるのが相続の問題です。相続税は正しく申告しなければ、後からペナルティーを科せられる恐れもあります。
 
本記事では、農地の相続というケースに絞って、相続税や貸し出しに関する規定を解説します。
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農業委員会の許可を受けていない「農地の貸し出し」は違法行為

自身が所有している土地でも、農業委員会を通さずに農地を貸し出すのは違法です。農地法第3条には、農地について使用貸借による権利を設定する場合は農業委員会の許可を受けなければならないと定められています。
 
農業委員会の許可を受け、他人が耕作することで、小作料の受け取りが可能です。農地の所有者に借り手が小作料を支払うことで、その農地で耕作することができる権利のことを「耕作権」と呼びます。耕作権を設定された農地は相続の際に、本来の農地の評価額から耕作権の評価額が控除されるため、相続税の負担軽減が可能です。
 
しかし、農業委員会の許可を受けていない場合は耕作権が認められないため、控除を受けられません。耕作権を設定しないまま農地を耕作することを「ヤミ小作」といい、農地法第64条には「三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する」と記載されています。
 

「ヤミ小作」では農地の相続税額が「本来の倍」となる可能性も?

ヤミ小作を行った場合、相続税の納税額が2倍ほどになるケースもあるようです。
 
国税庁によれば、農地の価額は以下の4種類に区分して評価されます。
 

・純農地
・中間農地
・市街地周辺農地
・市街地農地

 
この中でも掲題の田舎の畑は、純農地や中間農地に当てはまりやすいと考えられます。同じく国税庁によると、純農地および中間農地に係る耕作権の価額は、定められた方式により評価したその農地の価額に、耕作権割合である100分の50を掛けて、決定される仕組みです。
 
ヤミ小作の場合は耕作権が適用されないため、耕作権が適用されている場合と比べて評価額が実質的に倍になってしまい、その分相続税の金額も上がる恐れがあります。
 

農業をしない場合には「相続放棄」するのも手

相続税がかかりすぎる恐れがある場合は、相続が始まってから3ヶ月以内に相続放棄を行う選択肢もあります。
 
ただし、相続放棄を行う場合はマイナスの財産だけでなくプラスの財産もすべて放棄しなければならないため、土地のみの相続放棄はできません。農業を行う予定がない、農地以外の相続財産がほとんどない、故人の負債を相続したくないなどの場合は有効な選択肢といえます。
 
相続放棄の際は必要書類を準備したうえで、被相続人が最後に住んでいた住所地の家庭裁判所での手続きが必要です。申述期間は相続が始まってから3ヶ月以内と定められているため、なるべく早めに手続きの準備を進めましょう。手続きに不安があるのであれば、弁護士や司法書士などの専門家への依頼をおすすめします。
 

まとめ

農地を他人に貸し出す際は、農業委員会の許可を受け、耕作権を設定する必要があります。耕作権がない状態での土地の貸借は、違法行為です。相続においては評価額の控除も受けられないため、相続税が本来の2倍かかるケースもあるかもしれません。
 
相続税が高すぎる場合は相続放棄もひとつの選択肢です。土地のみの相続放棄はできませんが、農地以外の相続財産がない場合や故人の負債を相続したくない場合は有効な選択肢といえるでしょう。
 

出典

e-Govポータル法令検索 農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号) 第二章 権利移動及び転用の制限等 第三条(農地又は採草放牧地の権利移動の制限)、第六章 罰則 第六十四条
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4623 農地の評価
国税庁 法令解釈通達 (貸し付けられている農地の評価)、(耕作権の評価)
国税庁 法令解釈通達 別表1 耕作権割合等一覧表
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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