帰省中「相続対策になるから」と親から100万円をもらいました。これから毎年100万円を渡すと言われたのですが、この方法は本当に相続対策になるのでしょうか?

配信日: 2026.01.21
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帰省中「相続対策になるから」と親から100万円をもらいました。これから毎年100万円を渡すと言われたのですが、この方法は本当に相続対策になるのでしょうか?
お正月などの帰省のタイミングで、親から「相続対策として毎年100万円ずつ渡すね」と言われる人もいるかもしれません。一見するとありがたい話ですが、本当にこの方法が相続対策になるのか、不安に思う方も多いのではないでしょうか。
 
そこで本記事では、「毎年100万円ずつ贈与を受けること」が相続対策として有効なのかどうか、注意点を交えながら解説します。
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年間110万円までは贈与税がかからない

まず知っておきたいのは、贈与税の「基礎控除」の仕組みです。日本の税制では、1月1日から12月31日までの1年間に受け取った、すべての贈与の合計が110万円以下であれば、贈与税はかかりません。この非課税枠を活用すれば、親から100万円もらっても税金は発生しないということになります。
 
したがって、「毎年100万円ずつ渡す」というのは、この非課税枠の範囲内でお金を移動させる方法として、相続税の節税につながる可能性はあります。
 
ただし、相続開始前7年以内の贈与は相続財産に加算されるため、節税効果は限定的です。それでも、長期的に計画的な贈与を行うことで、親の財産を減らし、相続税負担を抑える効果が期待できます。
 

毎年100万円は贈与税がかからないが、注意点もある

ただし、単に「毎年100万円を渡している」だけでは、あとから思わぬ課税リスクが発生することもあります。
 
例えば、毎年同じ金額を、同じ時期に、同じように贈与していると、税務署から「これはあらかじめ決まっていた定期的な贈与だ」と判断されることがあります。
 
このようなケースでは、複数年分の贈与が「一連の定期贈与」とみなされ、基礎控除110万円が一度しか適用されないため、想定以上の税金が課されてしまう可能性があります。
 
このリスクを避けるには、「毎年贈与の意思確認をしている」「毎年ごとに贈与契約書を交わしている」「贈与の時期や金額を多少ずらしている」など、毎年の贈与が独立していることを示す工夫が大切です。
 
また、現金での手渡しでは記録が残りにくいため、贈与の事実を明確にするためにも、銀行口座への振り込みを使用することをおすすめします。
 

相続前の贈与は“持ち戻し”の対象になる可能性も

もう一つ知っておきたいのが、「生前贈与加算」と呼ばれる仕組みです。これは、亡くなる前の一定期間に行われた贈与については、相続時に再び財産として加算されるというルールです。
 
具体的には、相続開始前7年以内以内の贈与が対象となりますが、2026年現在は移行期間中であり、2031年以降に発生する相続からこの7年ルールが完全に適用されます。つまり、「相続税対策として毎年贈与していたのに、結局相続税の対象になる」というケースも発生します。
 
この制度の影響を受けないようにするためには、7年以上前から贈与を開始することが重要です。相続開始前3年超〜7年以内の贈与については、合計100万円までが相続財産に加算されない特例もあります。
 
この特例もうまく活用しながら、早期かつ計画的に贈与を行うことで、将来的な相続税の圧縮につながる可能性が高まるでしょう。
 

贈与を正しく理解して、賢く相続対策を進めよう

親から毎年100万円ずつ贈与を受ける方法は、年間110万円までの非課税枠をうまく活用すれば、贈与税の負担なく財産を引き継げる手段の一つです。将来の相続税を減らすうえで、有効な選択肢といえるでしょう。
 
しかし、定期贈与とみなされないように毎年契約書を用意したり、振り込み記録を残したりと、形式面の工夫が必要です。また、相続前7年以内の贈与は相続財産に加算される可能性があるため、長期的な視点での対策が大切になります。
 
もし今後も贈与を受ける予定があるなら、贈与の記録をきちんと残しながら、無理のない形で進めていくとよいでしょう。さらに安心して進めたい場合は、税理士など専門家に相談することで、より効果的な相続対策を計画できます。
 
贈与を正しく活用して、家族みんなが納得できる円満な相続につなげていきましょう。
 

出典

国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
国税庁 No.4161 贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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