妻が亡くなったのですが、保険証券が見つかりません。死亡保険金は請求できるのでしょうか?

配信日: 2026.01.22
この記事は約 3 分で読めます。
妻が亡くなったのですが、保険証券が見つかりません。死亡保険金は請求できるのでしょうか?
先日、交差点でバイクと車の交通事故を目撃しました。
 
幸い、亡くなった方はいなかったのですが、健康であってもひとたび交通事故にあってしまい、家族と意思疎通が困難になるとさまざまな手続きが滞ってしまうリスクを改めて痛感しました。
 
特に事故や病気などに備えて、多くの人は生命保険・共済に加入しています。もし事前の準備なく死亡してしまった場合、家族はスムーズに生命保険金を受け取ることができるでしょうか?
 
保険金は支払い事由が発生したら自動的に支払われるわけではなく、例えば生命保険では原則として受取人、あるいは正当な代理人等が保険金を請求する必要があります。
 
特に保険を管理していた方が急死してしまった場合、契約状況の分からない保険の内容を確認し、保険証券がない状態でも保険金を請求する方法を把握しておきましょう。
菊原浩司

FPオフィス Conserve&Investment代表

2級ファイナンシャルプランニング技能士、管理業務主任者、第一種証券外務員、ビジネス法務リーダー、ビジネス会計検定2級
製造業の品質・コスト・納期管理業務を経験し、Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)のPDCAサイクルを重視したコンサルタント業務を行っています。
特に人生で最も高額な買い物である不動産と各種保険は人生の資金計画に大きな影響を与えます。
資金計画やリスク管理の乱れは最終的に老後貧困・老後破たんとして表れます。
独立系ファイナンシャルプランナーとして顧客利益を最優先し、資金計画改善のお手伝いをしていきます。

http://conserve-investment.livedoor.biz/

保険金は請求しないと支払われない

保険関係を夫婦どちらか一方が管理しており、その方が保険に関する情報を残す間もなく急死してしまうということがあります。
 
特に近年は、保険証券の電子化が進んでいます。紛失しにくい、保険料が安くなるといったメリットがあるものの、残された方が保険契約を確認しにくいといったデメリットもあります。
 
まれに「保険金は保険会社の担当者が請求してくれるよ」という方がいるのですが、あくまでサポートに限られます。保険金や給付金は自動的に支払われるものではなく、生命保険であれば、受取人またはその代理人等が手続きを行う必要があります。
 

保険契約の状況を確認するには?

保険金は請求しないと支払われませんが、複数の保険会社と契約していたり、契約を把握している方が急にいなくなったりした場合、保険契約の状況が把握できなくなってしまいます。
 
保険状況を把握するために、まず最適なのは保険証券ですが、これがない場合はメールや保険会社からの郵便物を確認するようにしましょう。
 
また、こうした手段で探せない場合でも契約者の保険加入状況全体を一括で照会できる「生命保険契約照会制度」があります。これは一般社団法人生命保険協会が提供する有料のサービスで、契約者が結んでいる照会日当日に有効な保険契約を知ることができます。
 
しかし、照会できるのは生命保険協会に加入している保険会社に限られるほか、利用料金もかかります。もし有効な契約がなかった場合も返金されないので、最後の確認手段として覚えておくとよいでしょう。
 

保険金請求手続きは?

有効な保険契約が見つかった場合、保険金の請求へと移ります。保険証券が見つからなくとも問題はありません。保険会社に連絡を取り必要であれば、再発行の手続きを進めてもらいましょう。また、同時に保険金請求の書類を入手するようにしましょう。
 
相続の場合、死亡診断書や被保険者の戸籍謄本や住民票の除票、受取人の印鑑証明・住民票・本人確認書類、保険金振込先の口座情報などが必要となります。
 
保険金の請求期間は原則として権利を行使できるときから3年、保険商品によっては5年程度で、この期間を過ぎると保険金を受け取ることができなくなります。
 
ここで気になるのが、相続です。特に、故人の負債もまとめて引き受ける「単純承認」に該当しないかという点です。確かに、故人の医療保険などの入院給付金等を請求すると、相続財産を処分したと見なされ、単純承認をした扱いになります。
 
一方、死亡保険金は契約時に受取人が定められていることが多く、原則としてこれを受け取ったとしても単純承認をしたとは見なされません。
 
死亡保険金は手続き後、長くとも数週間以内には振り込まれます。死亡保険金にかかる税金は、保険料負担者(契約者)・被保険者・受取人の組み合わせにより、相続税・所得税・贈与税のいずれかとなります。
 
被保険者が故人で、保険料負担者(契約者)が受取人になっていた場合は所得税(一時所得等)に該当し、課税されることがあります。所得税に該当した場合は、生命保険金の相続税の非課税枠(500万円×法定相続人の数)の対象外になるので、納税に備える必要があります。
 

まとめ

保険を管理している方が急死した場合、有効な保険契約が直ちには分からなくなってしまいますが、郵便物や保険料の引き落とし状況または生命保険契約照会制度によって、保険加入状況を把握することができます。
 
死亡保険金の請求には保険証券があったほうがスムーズですが、なくとも再発行または証券番号のみで保険金請求をすることができます。
 
死亡保険金を契約書に記載されている受取人が受け取っても、原則として単純承認とは見なされませんが、医療保険の給付金などを受け取ってしまうと単純承認に該当する恐れがあります。この場合は負債についても引き受けることになるので注意が必要です。
 
執筆者 : 菊原浩司
FPオフィス Conserve&Investment代表

  • line
  • hatebu
【PR】 SP_LAND_02
FF_お金にまつわる悩み・疑問