父が亡くなり、相続するのは「2000万円の実家」だけです。現金がなくても相続税を納めないと相続できないのでしょうか?

配信日: 2026.02.11
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父が亡くなり、相続するのは「2000万円の実家」だけです。現金がなくても相続税を納めないと相続できないのでしょうか?
相続財産が「2000万円の実家だけ」で、しかも手元に現金がない場合、「相続税を払えない=相続できないのでは」と不安になることがあるかもしれません。ただし、相続税はすべての相続で発生するわけではなく、まずは課税対象になるか(=申告が必要か)を数字で確認することが重要です。
 
本記事では、相続税がかかる条件と納付の原則、現金が不足する場合の制度的な選択肢を整理します。
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相続税は「相続財産があるなら必ずかかる」わけではない

相続税は、被相続人(亡くなった人)から相続や遺贈などで取得した財産に対して課されます。
 
国税庁によれば、相続税の対象となる財産には、現金・預貯金・土地・家屋だけでなく、有価証券や貸付金など「金銭に見積もることができる経済的価値のあるすべてのもの」が含まれ、死亡退職金や一定の死亡保険金など、いわゆる「みなし相続財産」も対象になり得ます。
 
一方で、相続税は「正味の遺産額」が基礎控除額を超える場合に課税対象となります。国税庁の公式サイトでは、基礎控除額は「3000万円+600万円×法定相続人の数」と示されています。「正味の遺産額」がこの基礎控除額を超えなければ、相続税はかかりません。
 
そのため、「相続するのが2000万円の実家だけ」という前提が相続税評価額ベースで正しければ、法定相続人が1人でも基礎控除は3600万円となるため、一般的には相続税の課税対象にならない可能性が高いと考えられます。ただし、他の財産やみなし相続財産、過去の贈与加算の対象などがないかの確認は必要です。
 

申告・納税が必要な場合の期限と「現金がない」ときの扱い

相続税の申告は、「相続の開始があったことを知った日(=通常は被相続人が亡くなった日)の翌日から10ヶ月以内」とされています。提出先は、被相続人の住所地を所轄する税務署です。
 
ここで誤解されやすいのが、「納税できないと相続できないのか」という点です。相続そのものは被相続人の死亡により開始し、相続税は“相続した後に、条件に応じて申告・納税が必要になる”税金です。したがって、相続財産が課税対象でない(基礎控除以下)なら、そもそも納税の問題は生じません。
 
一方、課税対象で相続税額が発生する場合は、期限までに、原則として金銭で一括で納める必要があります。
 
ただし国税庁によると、相続税額が10万円を超え、かつ納期限までに金銭で納付することが困難な事情があるときは、申請によって、その納付を困難とする金額を限度として年賦払い(延納)ができること、延納でも金銭納付が困難なときは申請によって、その納付を困難とする金額を限度として、一定要件を満たす相続財産で納める(物納)ことができる旨を示しています。
 
いずれも、納期限までに所轄税務署に申請書類などを提出し、許可を受ける必要があります。
 

まとめ

相続税は、相続財産があるだけで必ず課税されるわけではなく、「正味の遺産額」が「3000万円+600万円×法定相続人の数」の基礎控除額を超える場合に課税対象になります。
 
今回のケースにおいて、「2000万円の実家だけ」という前提が相続税評価額で成り立つなら、一般的には課税対象にならない可能性が高く、現金がないから相続できないという話には直結しないでしょう。もっとも、預貯金や一定の死亡保険金など、相続税の対象となり得る財産が他にないかは確認が必要です。
 
仮に相続税が発生し、納期限までに現金での一括納付が難しい場合でも、条件次第では国税庁が示す延納・物納といった制度もあり、いずれも期限までの申請が要件となります。
 
相続財産の内容や評価方法、納税方法の選択は個々の状況によって異なるため、判断に迷う場合は、税理士などの専門家に相談しながら手続きを進めることもひとつの方法といえるでしょう。
 

出典

国税庁 パンフレット「暮らしの税情報」(令和7年度版) 財産を相続したとき
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4105 相続税がかかる財産
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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