父の遺産「3600万円」を母と子の2人で半分ずつ相続しました。金額は同じはずなのに、手元に残ったお金が違うのはなぜ?

配信日: 2026.02.12
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父の遺産「3600万円」を母と子の2人で半分ずつ相続しました。金額は同じはずなのに、手元に残ったお金が違うのはなぜ?
父の遺産3600万円を、母と子の2人で「半分ずつ相続」したという親子から、計算上はそれぞれ1800万円のはずなのに、いざ手元に残ったお金を見ると「明らかに差がある」といったお話を聞くことがありました。
 
平等に親子で分けたはずの遺産について、なぜそんなことが起こったのでしょうか。それについて考えられる理由を整理して解説します。
柘植輝

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

そもそも相続税はそうそうかからない

手元に残ったお金が違うとなると、最初に浮かぶのは相続税でしょう。
 
しかし、相続財産は少なくとも3600万円までであればかかりません。なぜなら、相続税の基礎控除は下記のとおり計算され、この範囲内であれば相続税はかからないからです。
 
3000万円+法定相続人の数×600万円
 
仮に、相続人が母と子の2人だけというような場合、少なくとも4200万円まで相続税がかからないわけです。そのため、遺産分割によって相続財産を同額で分けている状況であれば、手元に残るお金が違うということはあり得ません。
 

相続手続きの費用を支払ったのは誰か

相続では、税金以外にもさまざまな費用が発生します。
 
例えば、不動産の名義変更費用や戸籍収集、書類取得の実費などがあります。また、一部の手続きを司法書士や行政書士へ依頼をしていると、そういった専門家への報酬の支払いも生じます。
 
これらは安くても数千円、場合によっては数十万円かかります。時には100万円を超えるような額となることもあり得ます。こういった諸費用を母が自分の取り分から払ったのか、それとも子が支払ったかによって実質的な受取額は大きく変わります。
 
特に多いのが、手続きは子がやったので、これら費用も子が払ったというケースです。この場合、分けた遺産の額は同額でも、実際には子の手元に残る遺産の額が母親に比べて少ないことになります。
 

遺産の違いから現金化のしやすさが変わることもある

遺産を1800万円ずつ相続したとしても、それぞれが何を相続したかで手元に残る金額が変わることがあります。
 
例えば、母が現金1800万円で、子が評価額1800万円の不動産という分け方をした場合で考えてみましょう。
 
この場合、不動産は高額であり、状態によっては買い手がなかなか見つからず、すぐ現金化できなかったり、売却にあたり整備などで追加費用がかかったり、名義変更に多額の費用がかかってしまうことがあります。
 
それに対して、現金は1800万円まるまる手元に残ります。このように、数字は同じでも、自由に使えるお金が大きく異なることがあるのです。
 

不公平を感じたら確認すべきポイント

もし、相続財産を同額で分けたのに手元に残ったお金の金額が異なり、違和感を覚えたり不公平に感じたら、次のような順でそれぞれのポイントを確認してみてください。


・相続税の有無
・相続手続きにかかる費用は誰が負担したか
・相続財産の内容

これらを確認することで、手元に残るお金の金額になぜ違いが出てきているのか、その理由を比較的容易に把握することができます。
 

まとめ

遺産3600万円を母と子で半分ずつ相続しても、手続き費用の負担など諸々の条件によって、最終的に手元に残る金額が違うのは、あり得ないことではありません。
 
相続で等分に遺産分割したのに最終的に手元に残るお金の金額が異なる場合は、遺産としての数字が同じかだけでなく、なぜ違いが生まれたのかを理解することが大切です。
 
そうすることで、相続を相続人全員が納得のいくものとすることができるはずです。
 
執筆者 : 柘植輝
行政書士

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