結婚予定の32歳息子の奨学金「180万円」。肩代わりしても贈与税はかかりませんよね?
今回は、奨学金の肩代わりが非課税扱いにならない理由や課税される条件、利用できる制度などについてご紹介します。
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目次
奨学金の肩代わりは非課税となる「教育費の支援」扱いにはならない
国税庁では、贈与税のかからない贈与とは「夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの」としています。そのため、奨学金は教育費であり、非課税になると判断する人がいるかもしれません。
贈与税がかからない財産とは、生活費や教育費として「必要な都度直接これらに充てるためのもの」としています。32歳の息子が過去に借りていた180万円の奨学金は、すでに発生している教育費に対する返済であり、国税庁が示す「必要な都度、教育費に直接充てるもの」には該当しません。そのため、非課税の対象外です。
また、後ほど詳しく解説しますが、180万円の贈与は基礎控除を超えているため、今回のケースでは、奨学金を肩代わりすると、贈与税が課税されることになります。
奨学金の肩代わりは贈与税の課税対象になる?
奨学金の肩代わりは、金額や状況によって課税・非課税が変わります。ケース別に課税される条件、課税されない条件をご紹介します。
課税されるケース
まず、課税されるのは年間で基礎控除の110万円を超えて支援した場合です。今回のように、180万円の奨学金の支払いを肩代わりした場合、基礎控除を超えているため超えた70万円分に対して課税されます。
課税される金額が70万円のときの税率は10%のため、贈与税額は7万円です。
ただし、贈与税は1年間で受け取った贈与の合計額を基に計算します。奨学金以外に息子がお金を受け取っている場合は、その金額も含めたうえで計算しましょう。
課税されないケース
課税されないのは、肩代わりの金額が基礎控除以内の場合と、相続時精算課税制度を活用していた場合です。
まず、1年間で110万円以内におさえて奨学金の肩代わりをすると贈与税はかかりません。ただし、先述したように贈与税は1年間の贈与合計額を基に計算します。
ほかに贈与がある場合、年間の控除額ギリギリで渡すと、贈与合計額が基礎控除額を超える可能性があるため、注意が必要です。複数回の贈与があるときは、贈与契約書や振込明細などで、合計額がすぐ分かるようにしておきましょう。
ほかに課税されないケースとして、相続時精算課税制度を利用していた場合が挙げられます。相続時精算課税制度は通常の贈与とは異なるため、一定金額までの贈与であれば贈与税は課されません。
相続時精算課税制度の概要
相続時精算課税制度では、60歳以上の両親や祖父母から18歳以上の子ども、孫へ贈与を行う際に選択できる制度です。贈与をする人ごとに制度を選択できます。
相続時精算課税制度を選択すると、以下の2つの控除枠が利用できます。
・年間基礎控除110万円:相続時に加算されない(暦年贈与と同じ)
・特別控除2,500万円:相続時に加算される(繰越可能)
この制度を利用して奨学金の180万円を肩代わりをすると、控除の範囲内となり、息子に贈与税はかかりません。
ただし、相続時精算課税制度の名前の通り、親が亡くなった際の相続財産に、受け取った贈与分を加算する必要があります。そのため、相続財産が多い場合に、相続時精算課税制度の金額が加わることで、奨学金の肩代わり分の贈与税を支払ったときより税金負担が重くなる可能性もあります。
相続時精算課税制度は、親の財産状況や子どもの将来の負担も考えたうえで決めましょう。
180万円をまとめて肩代わりすると課税される可能性がある
奨学金の返済の肩代わりは、今必要な教育費を支援しているわけではないため、非課税ではありません。肩代わりした金額が110万円を超えていると、贈与税の課税対象となります。
ただし、年間110万円以内におさえていたり、相続時精算課税制度を利用したりしている場合は、控除額の範囲内なので課税されません。相続時精算課税制度は、相続税の負担が重くなる可能性があるため、将来のことも考えたうえで検討することがおすすめです。
出典
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4405 贈与税がかからない場合
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
