亡くなった母の口座から“死後3ヶ月”で「30万円」が引き落とされていた! 誰かの勝手な「使い込み」でしょうか? 原因不明でも“相続人に返還”が求められますか? 対処法を確認

配信日: 2026.05.17
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亡くなった母の口座から“死後3ヶ月”で「30万円」が引き落とされていた! 誰かの勝手な「使い込み」でしょうか? 原因不明でも“相続人に返還”が求められますか? 対処法を確認
家族が亡くなった後、遺品整理や相続手続きを進める中で通帳を確認したところ、「死亡後にお金が引き出されていた!」と気づいた場合、対処法はあるのでしょうか。
 
「誰が引き出したのか分からない……」
「親族の誰かが使ったのでは?」
「返還を求めることはできるの?」
 
こうした「使途不明金」は、相続人同士のトラブルに発展しやすいテーマの1つです。本記事では、死亡後に口座から預金が引き出されていた場合、相続人は返還請求できるのか、不当利得返還請求の考え方や、警察へ相談するケースなどについて解説します。
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母の死後に通帳を確認したら「30万円」が消えていた! 一体誰が?

被相続人が亡くなった後、通帳を確認した際に「預金が減っている」と気付くケースもあるようです。
 
実は、銀行口座は、名義人が亡くなった瞬間に自動的に凍結されるわけではありません。一般的には、金融機関が死亡の事実を把握した段階で、相続手続きのために口座が凍結されます。全国銀行協会では、相続が発生した場合には「金融機関への連絡や相続手続きが必要」と案内しています。
 
そのため、銀行が死亡を把握する前であれば、ATMなどから現金を引き出せる場合があるのです。例えば、下記のような立場の人が、葬儀費用や生活費のために出金するケースもあるでしょう。


・同居していた家族
・介護していた親族
・キャッシュカードを預かっていた人

「誰が引き出したのか分からない」「何に使ったのか説明がない」といった状況では、相続人同士の不信感につながりやすくなります。実際、死亡前後の預金引き出しは「使途不明金」としてトラブルになるケースが少なくないとされています。
 

原因不明でも返還請求はできる? ポイントは「利益を得た人がいるかどうか」

では、口座名義人の死亡後に引き出された「30万円」について、相続人は返還請求できるのでしょうか。
 
考え方の1つになるのが、「不当利得返還請求」です。民法703条では、「法律上の原因なく利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした者は、その利益を返還する義務を負う」と定めています。
 
例えば、ほかの相続人が自分の生活費に使っていた、特定の人物の口座へ移されていた、私的に費消されていたといった場合は、不当利得返還請求の対象になる可能性があります。
 
ただし、「誰が引き出したのか分からない」場合は、すぐ返還請求できるとは限りません。実際には、下記などから「誰が利益を受けたのか」を確認していくケースがあるようです。


・ATM利用履歴
・振込先
・通帳記録
・出金時期

 

「葬儀代に使った」は認められる? 返還義務が生じにくいケースも

死亡後の預金引き出しが、全て問題になるわけではありません。例えば、葬儀費用や入院費、施設利用料、被相続人の未払い費用など、被相続人に関係する支出へ充てられていた場合は、直ちに「使い込み」とは判断されないケースもあります。
 
ただし、その場合でも、領収書や明細などにより、出金理由が明確に説明できるかどうかが重要になってきます。特に以下のようなケースでは、相続人間で争いになることが少なくありません。


・短期間で繰り返しATM出金されている
・用途説明がない
・現金の行方が分からない

 

どこからが「警察へ相談するライン」になるのか?

「勝手に引き出されていたなら、警察に相談できるのでは?」と思う人もいるのではないでしょうか。
 
相続人間の預金トラブルは、まず民事上の問題として扱われるケースが多いようです。そのため、遺産分割協議や不当利得返還請求、民事訴訟などで解決を図るケースもあり、法テラスでも、相続問題について弁護士相談などを開催しています。
 
一方、キャッシュカードの無断使用や暗証番号の不正取得、通帳の隠匿など、悪質性が高いケースでは、警察相談につながる可能性もあります。警察では、警察相談専用電話「#9110」を設置しています。トラブルに遭った場合は、一度相談してみるのも手です。
 

相続トラブルを防ぐために、まずは記録の確認を

被相続人の死亡後、口座から預金が引き出されていた場合、「誰が引き出したのか分からない」「何に使われたのか説明がない」といった状況から、相続人同士のトラブルへ発展するケースもあるようです。
 
ただし、死亡後の出金が全て問題になるわけではなく、葬儀費用など被相続人に関係する支出であれば、直ちに「使い込み」と判断されないケースもあるでしょう。
 
用途が不明なまま現金が減っている場合は、不当利得返還請求などが問題になる可能性があります。その場合は通帳履歴や取引履歴などを整理し、状況を確認することが重要です。
 
感情的に対立する前に、まずは事実関係を整理し、必要に応じて専門家へ相談することも検討したほうがよいでしょう。
 

出典

一般社団法人全国銀行協会 預金相続の手続の流れ
e-Gov法令検索 民法
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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