更新日: 2020.06.18 相続税

少なくともこれだけは確認してほしい。相続税対策にあたって確認しておきたい4つのポイント

少なくともこれだけは確認してほしい。相続税対策にあたって確認しておきたい4つのポイント
相続税対策の有無によって、子や孫に残せる財産の範囲に大きな差が出ます。
 
しかし、いきなり相続税対策といわれても、何から手を付けていいのか迷うこともあるでしょう。そこで、相続税対策を行うにあたり、絶対に確認しておきたいポイントを4つに絞って解説します。

柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

ポイント(1)財産の内容と相続税の計算式について把握する

まず、最初に相続対象になる財産の内容を把握しておいてください。相続財産にはプラスになる財産もあれば、マイナスの財産もあります。
 
プラスの財産には、現金や有価証券、不動産屋、家財などが挙げられます。マイナスの財産には、借金やローン、未払いの税金などが挙げられます。
 
亡くなった人が所有していても相続対象とならない財産もあります。国家資格や親権など、一身専属的な権利義務や相続になじまないと法律で定められているようなものなどがそれに当たります。
 
相続税は、基礎控除である3000万円に法定相続人の数×600万円を足した数値を超える部分の財産にかかってきます(※1)。
 
例えば、相続人が2人の場合は、3000万円+600万円×2人=4200万円を超える部分に相続税が発生するということになります。つまり、いかに控除の範囲内に抑えるかが相続税対策のキモになります。

ポイント(2)財産の総額は同じでも相続税の金額は異なる

財産の総額が同じなら相続税の金額も同じ、というわけではありません。
 
例えば、2000万円分の財産でも、それが現金なのか土地なのかによって相続税の金額が異なってくるのです。その理由は、財産の種類ごとに評価方法が異なるという点にあります。
 
特に、不動産には一定の要件のもと、最大80%まで減額される小規模宅地等の特例(※2)があり、実質的には同じ財産価値であっても、相続税の額には大きな違いが出ます。その他にも特例制度はいくつもありますので、できる限り特例制度を利用して、相続財産の評価額を下げておきたいものです。

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ポイント(3)相続人の納税資金についても考えておく

相続税対策においては、節税面だけでなく相続税の支払いについても考えておくべきです。相続税は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10ヶ月以内に申告および納税することが原則となっています(※3)。
 
相続税は現金で納めることが原則です(※4)。節税のために、相続財産となる預金を、不動産などすぐには換金できないようなものばかりにしてしまうと、充分な資産を有していない相続人が、支払い時期までに相続税を納付できなくなるおそれがあります。
 
そのため、相続財産のなかには、少なくとも相続税を支払うことができる程度には預金を残しておいたほうがよいでしょう。なお、贈与税がかからない範囲で生前から現金を贈与しておくと、相続税を軽減させながら納税資金の準備もすることができます。

ポイント(4)遺言を整えておく

相続税は相続人ごとに計算し納税します。
 
相続人によっては充分な自己資産を有しておらず、現金で財産を相続しないと相続税の支払いに苦労するということもありえます。また、小規模宅地等の特例のように、同じ財産でも誰が相続するかによって特例の適否が異なることもあります。
 
遺産分割をスムーズに、そして最大限の節税ができるよう、遺言を作成しておくことも大切です。

相続税の節税はポイントを押さえて漏れなく行うことが重要

相続税の節税対策は、行うか行わないかで大きな差が出ます。
 
相続税の制度は複雑ですが、重要なポイントをきちんと押さえておくことで、賢く節税することができます。とはいえ、個別の状況によっては、個人で最大限に節税対策を行うことが難しいこともあります。節税対策が難しいと感じたら、税理士など専門家に相談するとよいでしょう。
 
[出典]
※1 国税庁「財産を相続したとき」
※2 国税庁「No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)」
※3 国税庁「No.4205 相続税の申告と納税」
※4 国税庁「No.4214 相続税の物納」
 
執筆者:柘植輝
行政書士


 

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