更新日: 2020.08.15 相続税
相続税の課税財産に含まれる「みなし相続財産」とは?
今回は、相続税の課税財産に含まれる「みなし相続財産」について解説します。
執筆者:中田真(なかだ まこと)
CFP(R)認定者、終活アドバイザー
中田FP事務所 代表
NPO法人ら・し・さ 正会員
株式会社ユーキャン ファイナンシャルプランナー(FP)講座 講師
給与明細は「手取り額しか見ない」普通のサラリーマンだったが、お金の知識のなさに漠然とした不安を感じたことから、CFP(R)資格を取得。
現在、終活・介護・高齢期の生活資金の準備や使い方のテーマを中心に、個別相談、セミナー講師、執筆などで活動中。
https://nakada-fp.com/
「みなし相続財産」とは
みなし相続財産とは、被相続人が生前に所有していた財産ではありませんが、被相続人が亡くなったことにより、相続人が相続する財産のことで、みなし相続財産は、実質的に相続財産と同じ経済効果がある財産とみなされることから、相続税の課税財産に含めることになります。
主な「みなし相続財産」
それでは、主な「みなし相続財産」について確認してみましょう。
【生命保険金(死亡保険金)】
保険料負担者、被保険者、保険金受取人が、いずれも被相続人の場合の生命保険金(死亡保険金)は、被相続人の財産(本来の相続財産)となりますが、保険料負担者、被保険者が被相続人、保険金受取人が相続人の場合の生命保険金(死亡保険金)は、みなし相続財産として、相続税の課税財産に含まれます。
ただし、生命保険金(死亡保険金)を相続人が受け取った場合は、一定額を非課税財産として、相続税の課税対象外とすることができます。
生命保険金(死亡保険金)の非課税限度額 = 500万円 × 法定相続人の数
【死亡退職金】
被相続人の死亡により、相続人などが受け取った退職手当金で、被相続人の死亡後3年以内に支給が確定した死亡退職金は、本来であれば被相続人に支給されるものであったことから、みなし相続財産として、相続税の課税財産に含まれます。
なお、死亡退職金が支給される時期が被相続人の死亡後3年経過後であっても、被相続人の死亡後3年以内に支給が確定している場合は、みなし相続財産として、相続税の課税財産に含まれることになります。
ただし、死亡退職金を相続人が受け取った場合は、一定額を非課税財産として、相続税の課税対象外とすることができます。
死亡退職金の非課税限度額 = 500万円 × 法定相続人の数
【弔慰金】
本来、弔慰金は非課税なのですが、非課税であることを利用した節税行為などを防ぐため、相続人が被相続人の勤務先から受ける弔慰金は、みなし相続財産として、相続税の課税財産に含まれます。
ただし、弔慰金を相続人が受け取った場合は、一定額を非課税財産として、相続税の課税対象外とすることができます。
(1)業務上の死亡の場合
弔慰金の非課税枠 = 被相続人の死亡時の普通給与×3年分
(2)業務上以外の死亡の場合
弔慰金の非課税枠 = 被相続人の死亡時の普通給与×6ヶ月分
【PR】「相続の手続き何にからやれば...」それならプロにおまかせ!年間7万件突破まずは無料診断
まとめ
2015(平成27)年の相続税法の改正により、それまでは相続税の課税対象にならなかった金額の相続でも、相続税の納税義務が生じるケースが増えています。
相続税の納税義務の有無が気になる場合は、本来の相続財産(現金や預貯金、不動産など)だけではなく、相続税の課税財産に含まれる「みなし相続財産」についても、正しく理解をしておく必要があるのではないでしょうか。
[出典]国税庁「No.4105 相続税がかかる財産」
執筆者:中田真
CFP(R)認定者、終活アドバイザー