最終更新日:2019.01.10 公開日:2018.01.19
保険

子どもの自転車事故で9500万円の賠償金?家族を守る保険とは

個人賠償責任保険をご存知ですか? これは火災保険や自動車保険・傷害保険などに付帯でき、年間1000円~2000円程度の安い保険料にもかかわらず、被保険者本人やそのご家族等が他人にケガをさせたり、他人の財物を壊して法律上の損害賠償責任を負う場合に、保険金額を限度に支払われる、付いているととても安心できる保険です。

では、具体的にどんな場合に賠償責任が問われるのか、過去に起きた裁判の判例もあわせて見ていきましょう。

お子さんが他人にケガをさせてしまう

元気いっぱいの我が子が誰かに迷惑をかけてしまわないかと親はいつもハラハラドキドキしながら成長を見守っているものですが、偶然相手に大ケガをさせてしまうことも考えられます。
 
<参考判例>
平成20年9月、神戸で当時11歳の少年が坂道をマウンテンバイクで下っていた途中で女性に激突し、ぶつかった女性が意識不明の重体となった事故で、神戸地裁は少年の母親に監督義務者として約9500万円の賠償を命じました。
 

ペットが他人や他のペットを噛んでしまう

散歩中や訪問客があったとき、ペットが見知らぬ相手に興奮して噛んだり引っかいたりしてしまうことがあるかもしれません。ケガをさせてしまった場合には、治療費はもちろん慰謝料などの賠償責任を負う可能性があります。
 

認知症の家族が他人に損害を与えてしまう

認知症の家族を家で介護していて、ちょっと目を離したすきに家を出てしまってヒヤッとした経験のある人もいるのではないでしょうか。平成28年の1年間で、全国の警察に届け出があった行方不明者のうち、認知症を患っていた人は1万5432人にのぼることが警視庁のデータで明らかになりました。
 
平成24年には9,607人だった数がこの4年だけでも60%も増加しています。寿命が伸び、少子高齢化が進む日本では、家族の介護の問題は誰にとっても避けられないテーマとなっています。
 
<参考判例>
平成19年3月、認知症患者の男性が東海道本線の線路に立入り走行してきた列車にはねられて死亡し電車を遅延させた事故で、JR東海は遺族である妻と長男に対し約720万円の損害賠償を請求しました。最高裁では、妻本人も高齢で要介護1の認定を受けていることや、長男が長く別居していたことで監督義務者ではないという個別の要素を考慮しての判決となりました。

しかし、今後も認知症の家族の介護において他人になんらかの損害を与えた場合に、家族に監督責任があれば賠償義務を負う可能性があるということになります。
 
しかし、個人賠償責任保険は基本的には他人の身体や所有物に物理的な損害を与えた場合に保険金が下りるものです。今回の列車事故は車両や乗客には物理的な被害がない(損害はあくまで列車を遅延させたことによるもの)ということで補償の対象外になる保険会社もありますので注意が必要です。
 

内容の確認も

以上それぞれのケースから、まずはちゃんと個人賠償責任保険をかけているかどうか、そしてもしすでにかけていたらその内容の確認も大切です。
 
被保険者(保険の対象になる人)の範囲はどこまでか。賠償責任はどこまでカバーされるか。補償の上限金額はいくらか。示談交渉サービスはついているか。
 
ということをチェックし、補償内容が自分の家族にとって十分でない場合は他社でかけ直すことも検討したほうがよいでしょう。また、この保険はいくつもかけていたとしても重複して支払われることはありませんので、その場合は見直しが必要となります。
 
Text:加藤桂子
CFP(ファイナンシャル・プランナー)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
http://www.fpkato.jp/

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加藤桂子

執筆者:加藤桂子(かとう けいこ)

CFP(ファイナンシャル・プランナー)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
㈱ファイナンシャル ファシリテーターズ 代表取締役
東京外国語大学を卒業後、大手企業を対象とした語学講師を務める。退職後にFP資格を取得し、外資系金融機関に勤務。FPとして独立後は、「大切な人がより豊かになるために、選び抜かれた情報と優れたアイデアを」をモットーに会社を設立。個人・法人のご相談にのる傍ら、セミナー講師や執筆活動を行っています。
http://www.fpkato.jp/



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