最終更新日:2019.01.10 公開日:2018.09.07
保険

今だからこそおさらい 地震保険の政府再保険制度ってなに

保険のCMというと、自動車保険が印象的ですね。「インターネットだから保険料が割安」などの謳い文句を耳にします。
 
自動車保険に限らず、火災保険も生命保険も保険会社が違えば、商品や保険料が異なるのは当たり前。では、地震保険はどうでしょうか? 
 
なお、本稿における地震保険とは「地震保険に関する法律」に基づいた「居住用の建物と、そこに収容される家財」を指します。事業用の財産などの補償を目的とする地震保険(事業活動保険の地震補償拡張担保特約)は本稿では対象外です。
 

地震保険の商品(補償)内容や保険料は、保険会社による違いがありません

保険金の支払いの基準や、契約者が払う保険料など、地震保険の商品(補償)は保険会社による違いがありません。なぜでしょうか?
 
それは、地震保険は他の保険商品にはみられない、画期的な仕組みがあるからです。
 

日本政府による地震保険の再保険制度

日本地震再保険株式会社によると、地震保険の再保険とは下記のような内容です。
 
『1回の地震等により支払われる保険金の額が884億円に達するまで(1stレイヤー)は民間(当社)が負担します。884億円を超え2244億円に達するまで(2ndレイヤー)は政府・民間が50%ずつ負担します。2244億円を超える部分(3rdレイヤー)については政府がその大半(約99.8%)を負担します。』。(日本地震再保険株式会社 地震保険再保険スキーム)
 
お気づきの通り、地震保険の保険金は、契約者が支払う保険料だけで全てが賄われているわけではありません。
 
地震保険の保険金の合計が「1stレイヤー」で済むのであれば、契約者が支払った保険料だけを元手に保険金の支払いがなされます。
 
しかし、多額の保険金を支払わなくてはならないような巨大な地震が発生した場合、すなわち支払う保険金の合計が「2ndレイヤー」や「3rdレイヤー」に達するのであれば、契約者が払った保険料だけでは足りず、政府の予算までもが保険金の支払いに充てられるという仕組みなのです。
 

だから、保険会社による違いはないのです

地震保険は民間のごく普通の損害保険会社から、街の代理店やショップなどを通して販売されています。
 
地震保険は「地震保険だけ」の契約は認められず、「必ず火災保険とセットで地震保険を契約する」という独特のルールがあるものの「民間の保険商品」であることには違いありません。
 
しかし、これまで述べてきたように、地震保険の保険金支払いには「再保険制度」というカタチで政府の関与があります。民間の保険商品で政府の関与があるのは地震保険くらいではないでしょうか。
 

保険金総支払限度額とは?

地震保険では、地震1回当たりの「保険金総支払限度額」というものが定められています。金額としては現在「合計11兆3000億円」とされています。(金額は平成二十九年三月三一日政令第九一号に基づいています)。この金額の根拠は「1923年に発生した関東大震災が再来」しても、保険金を滞りなく支払うことができるように組まれた予算です。
 
もし、仮にこの「保険金総支払限度額」を超える保険金を支払うことになった場合、按分して保険金を支払うことになります。
 

「やっぱり高いよ」地震保険

いくら、政府が再保険制度というカタチで予算を組んで関与しているとは言え、何よりも地震保険の保険料の高いこと!「高い保険料を払うくらいなら、貯金しておいて、後は公的な支援に頼った方が効率的な家計になるのでは?」もちろん、そんな考え方もありだとは思います。
 
次回は「大きな地震が起きた時の公的な保障」についてみていくことにしましょう。
 
出典
日本地震再保険株式会社 地震保険再保険スキーム

 
Text:大泉稔(おおいずみ みのる)
株式会社fpANSWER代表取締役

大泉稔

執筆者:大泉稔(おおいずみ みのる)

株式会社fpANSWER代表取締役

専門学校東京スクールオブビジネス非常勤講師
明星大学卒業、放送大学大学院在学。
刑務所職員、電鉄系タクシー会社事故係、社会保険庁ねんきん電話相談員、独立系FP会社役員、保険代理店役員を経て現在に至っています。講師や執筆者として広く情報発信する機会もありますが、最近では個別にご相談を頂く機会が増えてきました。ご相談を頂く属性と内容は、65歳以上のリタイアメント層と30〜50歳代の独身女性からは、生命保険や投資、それに不動産。また20〜30歳代の若年経営者からは、生命保険や損害保険、それにリーガル関連。趣味はスポーツジム、箱根の温泉巡り、そして株式投資。最近はアメリカ株にはまっています。

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