【相談】『子供のために教育費を準備したいから学資保険に入りたいけど、何を基準に選ぶべき?』
配信日: 2018.09.28 更新日: 2019.01.10
「教育費の備え=学資保険」というイメージが浸透しているのは確かですが、いざ何を基準に選ぶべきなのか、迷うところだと思います。
今日は学資保険の考え方についてみていきましょう。
Text:萬實赳志(ばんみ たけし)
AFP認定者
1988年4月5日大阪生まれ大阪育ち。
大学卒業後、「家庭の経済事情で進学できない子供を0にしたい」という思いから生命保険業界を志し、
国内大手生命保険会社入社。営業職員支援・教育に携わる。震災直後後の福島県にも2年間赴任。
その後自ら直接お客様に保険の大切さを伝えたいという思いから、生命保険販売のプロとなるべく外資
生命保険株式会社に入社。一社専業FPとして2年半セールスに携わり、毎週連続契約40週以上での表彰、
部門別表彰では全国5位となるなどお客様から評価いただく。
一社専属のセールスパーソンではお客様をお守りしきれないことに限界を感じ、さらに大きな安心、
多くのサービスをお客様に提供したいという思いから、独立系FPの集団である日本ファイナンシャル
プランニング株式会社の創業期に参画。現在に至る。
モットーは「家庭円満」。趣味は映画鑑賞、読書、妻と出かけること。
そもそも学資保険って?
学資保険というのは、簡単にいうと毎月一定金額を保険会社に払い続けると、定期的に、または満期時にお金が戻ってくる教育費目的の積み立て保険です。
ただし、現在は「学資保険」と名前がついている商品は意外と少なく、学資保険を取り扱ってない保険会社が大半です。理由はいくつかあると思いますが、
(1)学資保険を選ぶ基準の1つだった返戻率が、以前と比べてとても低くなっており、魅力があまりない
(2)「学資保険」と名前がついていない生命保険商品でも十二分にその機能を代用できる
などが主なものではないでしょうか。
返戻率に関連して、すでに学資保険に入っている方から「うちの学資保険、満期でも元本割れしているみたいなんです」というご相談を受けることが、よくあります。特約の医療保険を付加するなど、保障を厚くしたためですが、本人は少しでも増やすことができたらと思って加入していたのに、期待に反して目減りしてしまったというケースです。
学資保険という名前なので「とりあえず教育費の準備は学資保険でしよう」と思うのはよくわかるのですが、目的に合わせて選ぶ必要があります。
保険で学費を積み立てるメリットって?
銀行の定期預金などでなく、生命保険を使って教育費を積み立てるメリットとして、お金を増やすこと以上に大切なことがあります。それは、リスク対応力のある貯金だということです。
例えば契約者が一家の大黒柱である父親の場合。
父親が死亡したら、学資保険は払い込み免除となり、以後、掛け金を払わなくてもお金が積み立てられ、満期時に満期保険金を受け取ることができます。
払い込み免除となる範囲は、保険会社や特約などによって違ってきます。また、払い込み免除の特約をつけたり外したりできる保険会社もあるようです。
この特約をつけると、返戻率は少し下がりますが、わずかに下がる程度なので、「確実に準備する必要がある教育費のための備え」であるという観点から、払い込み免除特約はつけておいた方がよいでしょう。万一の際の対策にもなる、生命保険にしかできないことです。
学資保険以外の生命保険でも教育費は準備できる
終身保険や養老保険といった貯蓄性のある保険であれば、学資保険以外の生命保険でも教育費の準備はできます。
終身保険や養老保険で契約者・被保険者とも父親の場合
(1)父親が死亡もしくは高度障害時には、すぐに払った金額以上の死亡・高度障害保険金が支払われます。
(2)父親が不慮の事故にあい、事故の日からその日を含めて180日以内に、約款に定められた所定の障害状態になると、以後の保険料(掛け金)の払い込みが免除されます。解約返戻金または、満期保険金も、払い込みをしているときと同様に積み立てられていきますから、万一の際の対策もしっかりできます。
また、母親を被保険者として終身保険や養老保険など、貯蓄性のある保険に加入しておく方法もあります。父親は手厚い死亡保障に加入していても、母親はほとんど死亡保障がないケースはよくみられます。
専業主婦の場合「万が一のことがあっても収入がなくならないから」という理由からだと思いますが、専業主婦の家計に果たす役割は決して小さくはありません。幼稚園や保育園の送りむかえ、食事作りや洗濯など、家事全般を父親が一人でこなすとなると、当然、仕事にも影響が出てしまいます。
貯蓄性のある保険で、子育て期間中は母親の保障を準備しつつ、学費を積み立てていくのは有効な方法です。
まとめ
教育費の準備を生命保険でする場合、どの会社のどの商品がよいというのは一概にはいえません。大切なのはその内容が加入する家庭に合っているかどうかです。
いざ満期保険金などを受け取るときになって「加入した目的と合ってなかった」ということにならないように、しっかり内容を吟味しましょう。
Text:萬實赳志(ばんみ たけし)
AFP認定者