2018.12.01 保険

友人の車を借りて事故を起こしてしまいました。保険はどれを使う?自動車保険の対象の範囲とは?

執筆者 : 田中栄二

同級生の友人の車を借りることになった19歳大学生のAさん。楽しいドライブが一転。ちょっと目を離したときに前の車が停車。気付くのが遅れてしまい追突事故を起こしてしまいました。事故現場で動揺しているAさん。
 
とりあえず父親に連絡してみました「こっちの保険で何とかなるのでは?」そういえば車を借りる前に、友人が「保険は親が入れてくれているから大丈夫らしいよ」と言っていました。
 
この場合、父親の保険は使えるのでしょうか? 使えるならどちらの自動車保険を使った方がいいのでしょうか?
 

自動車保険の対象の範囲とは?

まずはAさんが運転した場合、父親の自動車保険の対象であるかを確認してみましょう個人契約で自家用車の自動車保険には、基本的に「他車運転特約」が自動で付帯されています。
 
この他車運転特約とは、臨時に借りた車を運転中での事故で、対人賠償・対物賠償・人身傷害保険・車両保険を自分がかけている補償内容の範囲内で保険金を支払う特約です。
 
父親の自動車保険の範囲にAさんが当てはまれば、この他車他社運転特約が使えるという訳です。
 
運転者の範囲は、まず同居の親族に対して年齢条件を定めます。年齢条件の区分は、年齢を問わず・21歳以上・26歳以上・35歳以上などがあります。
 
また、運転者を限定する場合もあります。限定すると保険料が削減できます。限定には本人限定・夫婦限定・家族限定などがあります。Aさんは両親と同居です。
 
仮に父親の保険の年齢条件が35歳以上しか補償しないとか夫婦限定などを付けているなどしていれば、Aさんは父親の保険の対象者から外れます。
 
年齢を問わずにしているか、家族限定だと対象者となります。対象者であれば他車運転特約で父親の保険を使えることになります。
 
では友人の保険はどうでしょう?
 
同じように年齢条件を設定していても、運転者の限定をしていなければ、ほぼ対象になります(仮に35歳以上の条件があっても別居の未婚の子や他人には年齢条件は適用しない保険商品がほとんどです)。
 

どちらの保険を優先したらいい?

父親の保険を優先するのが一般的です。なぜなら、保険を使うと翌年から保険料が上がるからです。友人の保険が15等級(事故有係数適用期間0年)だったとします。
 

 
事故が無ければ、15等級(51%割引)から16等級(52%割引)へ進みます。しかし、事故で保険を使うと等級は12等級へ下がり、割引率も事故有のものが適用されるので27%割引に下がってしまいます。
 
しかも3年間事故有の割引率を使わなければなりません。無事故の割引率に戻るのは4年後です。その間、保険料の負担がかなり増えることになります。
 
このように友人の保険を使うと保険料のアップがあるので、父親の保険を使えるなら使った方がよいということになります。
 
ただ、保険料が上がることを考慮しても、友人の保険を使わせてもらった方がいい場合もあります。それは、父親の保険には車両保険が付いていないが友人の保険には付けている場合です。
 
車両保険は車の修理代を補填してくれるので自己負担が減ります。例えば50万円の修理代が発生したら、修理代は友人の車両保険で支払ってもらい、保険料のアップを個人的に弁償する方が負担は少なくて済みます。
 

どちらも対象外の場合

自動車保険がどうなっているか運転する前に確認するのは、ドライバーの責務です。
 
どの保険も適用されない無保険の状態で事故を起こしてしまうと、賠償金をすぐに払えないなど相手にも多大な迷惑をかけます。
 
また、賠償金が大きくなるとを長い時間をかけて返済していかなくてはいけなくなり、将来にわたり大きな負担がかかってしまうこともあります。そういう最悪の事態を防ぐためにも保険の確認は絶対必要です。
 
どの保険も適用できないのであれば、ネットやコンビニで手軽に加入できる1DAY保険もありますので加入すると安心です。特に他人の車を借りる場合には必ず事前に確認や準備をしておきましょう。
 
Text:田中 栄二(たなか えいじ)
AFP認定者
 

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田中栄二

執筆者:田中栄二(たなか えいじ)

AFP認定者 

2級DCプランナー
確定拠出年金相談ねっと 認定FP
福岡でのテニスコーチ業で、個々に適した伝え方や問題解決の基礎を学ぶ。その後「保険業は困ったときにこそ必ず人の役に立てる」と誘われ保険代理店の道へ。複数の保険会社・証券会社を取扱う会社に所属し、保障から資産運用までサポートしている。20年の保険業務と15年の証券業務の経験を持つ。「幸せな楽しい老後を送るための資金準備をしませんか?」の思いを伝えるべく確定拠出年金を活用した老後資金作りの相談やサポート業務、資産形成セミナーも行っている。