更新日: 2019.06.26 その他保険
人生で訪れる保険の見直し時期は3回!?
保険は加入(契約)したら終わりではありません。加入時はどんなに最良最適な内容でも、時間が経ち年齢を重ねると、ほとんどすべての人にとって保障が不要(過剰)だったり、逆に保障が不足してきたりします。
保険は、保障の過剰も不足もよくありません。保障の過剰は余計な保険料を長年に亘って浪費することに繋がり、保障の不足は肝心なときに保険の機能を果たさないからです。つまり、保険に加入するすべての人にとって『見直し』は不可欠と言えます。
それでは、いつ『保険の見直し』をするのがよいのでしょうか? 押さえるべきは、人生で必須の3回のタイミング。そして、ある緊急事態時です。
執筆者:平田純子(ひらた じゅんこ)
CFP(R)認定者
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、2級建築士、インテリアコーディネーター
大阪市立大学・生活科学部・住居学科卒業。電機メーカーで商品企画の仕事を経て、好きが高じて、株式会社良品計画に中途入社。無印良品の店舗にて、家具やカーテン、照明のコーディネート提案を得意とする店長として10年以上勤務。しかしある時、お金に無計画・無頓着に過ごした自身のこれまでの人生を振り返り、後悔の念。豊かな人生を送るために、ライフプランニングの必要性を痛感。その必要性をより多くの人に伝えたいとの思いで、ファイナンシャルプランナーを志す。
現在、ファイナンシャルプランナーとして、ライフプランとキャッシュフロー分析・アドバイスを個別相談で行う傍ら、セミナー講師,や執筆も行う。得意分野はライフプラン(資金計画)、生命保険見直し、資産形成・運用。お金の相談に加えて、インテリア計画や片付け、収納計画についても、ご要望に応じて相談を承っている。
https://hataraku-okane.com/
最初に訪れる見直しタイミングは、家族がふえたとき
生命保険の加入目的は、被保険者に万が一の事態が発生したとき、遺された家族を経済的リスクから守ることです。
つまり、生命保険が必要なケースとは、被保険者の収入が途絶えてしまったときに、お金の不足が原因で、生きていくこと、最低限の教育を受けることさえままならない家族が存在する場合です。
結婚して共働きの時は必要なかった生命保険も、子供という家族がふえるとその必要性は人生の中で最大限にアップします。万が一の際、経済的に困る家族が存在する状態ということです。このタイミングでは、夫婦それぞれの保険をしっかり見直しましょう。
共働きが主流の現在では、見直しが必要なのは夫の分だけではなく、妻の分もです。家族の預貯金額と照らし合わせながら、必要な保障額や保障の種類を決めます。2人目、3人目と家族がふえる度に見直すことが理想的です。
補足ですが、家族がふえるということは、結婚して妻(夫)が専業主婦(夫)になる(収入がなくなる)ケースも同様に、保険の見直しが必要です。結婚、または出産してしばらくは共働きを継続する場合は、当分見直しの必要ないと思います。
次なる見直しタイミングは、住宅購入後
住宅購入、すなわち住宅ローン契約後のタイミングです。住宅ローン契約は、ほとんどすべてのケースで同時に団体信用生命保険に加入します。
これは簡単に言うと、ローン返済中にローン契約者(名義人)に万が一のことが発生すると、以降のローン負担が免除されるという保険です。
つまり、万が一の場合、遺された家族は管理費や修繕積立金、固定資産税といった住宅維持コストを除き、主たる住宅費の負担がゼロになります。
住宅費の負担リスクがなくなるということは、加入中の生命保険の保障額を大きく減らすことができ、保険料の負担を下げることができるケースが多いのです。家計から月々の保険料の支出を減らすことができれば、その分将来資金の貯蓄に回すことができます。
ぜひ、積極的に見直しましょう。もちろん、ペアローンなど夫婦共同の名義でローンを組む場合は、夫婦それぞれの保険を見直す必要があります。
そして最後は、末子大学卒業のタイミング
リタイアのタイミングや子供の教育費の目途がたったタイミング、いずれも同じ意味合いがあります。
それぞれ世帯の居住形態や預貯金を含む金融資産額、ご夫婦の就業状況にもよりますが、ほとんどのケースでいわゆる生命保険で備えは不要になる、あるいは大きく減らせるタイミングです。
ここからの余生を過ごしていくため、そしていずれは起こる相続に向け、必要な保険・保障の種類がガラリと変わるタイミングです。
ほとんどの方にとって、収入減というタイミングに加え、年金生活を見据えた老後生活資金を意識するタイミングです。ぜひ、契約中の保険を一掃するくらいの気持ちで整理をしましょう。
家計が苦しいときの救世主
家計の見直しが必要な時、その効果が非常に大きいのが保険の見直しです。保険契約には、解約だけでなく、減額や払済み、特約のみ解約など、保険料負担を下げる方法がいろいろあります。
また、同じ保障内容でも、選択する保険会社によって負担保険料を大きく下げることも可能です。
老後のためにと加入した貯蓄型保険もよく検討してみたら、今の収支改善や近い将来のための現金(貯蓄)の方が必要との判断もあり得ます。
ケースによっては、年間で数万~数十万円の収支改善効果もありますので、食費や光熱費などの削減に取り組む前に、せひ、加入中の保険の見直しから取り組むことをお薦めします。保険の見直しは、『人生3回&家計の見直し時』と覚えておきましょう。
執筆者:平田純子(ひらた じゅんこ)
CFP(R)認定者