更新日: 2019.11.14 その他保険

自分が亡くなった後の家族の生活をサポートする「収入保障保険」知っておきたい3つの特徴

自分が亡くなった後の家族の生活をサポートする「収入保障保険」知っておきたい3つの特徴
万一の際に必要となる「保険」。結婚して子どもができたりすれば、さらに保険について考えることが増えます。死亡保険や定期保険は何となく理解しているのですが、「収入保障保険」は聞いたことがない方もいるのではないでしょうか?

収入保障保険は、万が一のことが起こったときに、毎月の生活費として保障期間の間、保険金が支払われます。月々支払われるので、残された家族の生活費のサポートとして利用される保険です。

では、収入保障保険とはどのような保険なのでしょうか。メリットやデメリットをお伝えいたします。
西川誠司

執筆者:西川誠司(にしかわ せいじ)

2級ファイナンシャルプランンニング技能士・AFP認定者、終活ライフケアプランナー、住宅ローンアドバイザー(一般社団法人住宅金融普及協会)、キャリアコンサルタント

ウェディングドレスショップ「Atsu Nishikawa」を17年間経営。
接客の中でこれから結婚するおふたりのお金の不安や子供を授かったときの給付金や育児休業のこと、また親からの贈与や年金のことの悩みを伺い、本格的にファイナンシャルプランナーとして活動を始めました。
みなさまの「小さな疑問や不安」を分かりやすく解決していくことを目指しています。

収入保障保険はどんな保険

収入保障保険はその名のとおり「収入を保障する保険」です。毎月一定額の保険金が支払われます。
 
保険金を受給できるのは、あらかじめ決められた保険期間中に被保険者が死亡した場合、もしくは高度障害時のみとなります。
 
けがや病気などで働くことができなくなった時の収入の保障(※1)や保険を解約した際の解約返戻金、満期を迎えたときの満期保険金などといった仕組みがないものがほとんどです。
 
(※1)けがや病気のときに保険金を受給できる、所得補償保険、就業不能保険というものもあります

収入保障保険の3つの特徴

収入保障保険には3つの特徴があります。
 
(1)保険金の受給は死亡した場合と高度障害時のみ
(2)保険金の受け取りは月一定額支給
(3)時間の経過とともに保険金総額が段階的に下がっていく
 
それでは3つの特徴を詳しく説明します。

(1)保険金の受給は死亡した場合と高度障害時のみ

収入保障保険は、保険期間中に死亡した場合と高度障害時のみに保険金が支給されます。
 
保険期間中というのは各保険会社が定めている期間で、基本的には60歳までですが、65歳など別の年齢を選択できる保険もあります。
 
他の死亡保険では、解約をしたときの解約返戻金や、満期を迎えたときの満期保険金などを受け取れるものもありますが、収入保障保険は掛け捨てタイプの保険がほとんどですので、そのような保険金は受け取れない場合があります。
 
また、前述のとおり、ケガや病気で収入がなくなった場合は保障されません。

(2)保険金の受け取りは月一定額を支給

収入保障保険は、保険の対象となる人に万が一のことが起こった場合、遺された家族が毎月一定額の保険金を受け取ることができます。
 
「一時金で受け取る」「全額一括で受け取る」「一部一括で受け取る」などの設定ができるものもありますが、基本的には給料のようなイメージで毎月受け取る保険となります。

(3)時間の経過とともに保険金総額が段階的に下がっていく

例えば、保険期間が60歳で月額10万円の支給の場合、45歳で死亡したら10万円×15年(180ヶ月)=1800万円、55歳で死亡したら10万円×5年(60ヶ月)=600万円ですので、受給開始時期(死亡もしくは高度障害時)によって保険金の総額にかなりの差が出ることになります。
 
もし、59歳11ヶ月で死亡したら10万円×1ヶ月=10万円となるわけです。
 
このように、収入保障保険では、死亡した時点での保険期間の「残存期間」に応じて、受け取れる保険金の総額が徐々に少なくなっていきます。
 
ただし、最低支払保証期間(1年や2年など)を設定できるものもあります。これは、保険期間満了日までの期間が最低支払保証期間に満たない場合でも、最低支払保証期間分の支払いを保証してくれるものです。
 
例えば、最低支払保証期間2年の保険を選択・設定した保険契約の場合で59歳11ヶ月に死亡した場合は、先ほどは10万円しか受け取ることができなかったところ、10万円×2年(24ヶ月)=240万円が支給されます。

保険会社やプランによって異なる条件や割引

上記の3つが主な大きな特徴ですが、保険会社やプランによっては条件や保障が異なりますので、その一例をご紹介します。
 
(1)非喫煙者健康体保険料率(非喫煙者の保険料が割引になるというもの)
 
(2)健康体割引(体格指数〈BMI〉、血圧値、血液中のGOT値〔契約時の被保険者の年齢が40歳未満の場合、体格指数〈BMI〉、血圧値のみ判定対象〕が所定の基準を満たした場合)
 
(3)リビング・ニーズ特約(被保険者が余命6ヶ月以内と診断されたとき、特約基準保険金額から、対応する6ヶ月分の利息および保険料相当額を差し引いた金額を支給)
 
(4)保険加入期間が一定期間を満たない場合に毎月の受給額が減る(例えば、加入1年未満の場合は毎月受給額5万円、1年以上の場合は毎月受給額10万円、など)
 
(5)配偶者同時災害死亡時割増特則(同一の不慮の事故でご夫婦が2人とも死亡されたときに割り増し支給)
 
以上のように、各社・各商品によって、条件や割引、受給額などに違いがありますので留意しましょう。

まとめ

世帯主の死亡・高度障害など、収入が大幅に減ってしまうことへの対策として、収入保障保険が選ばれているようです。給料のように毎月受給できることは安心につながりますよね。
 
ただし、葬儀代や子どもの教育費等といった一時的な大きな出費には対応できませんので、家計に負担にならないよう、他の死亡保険や学資保険なども検討しなくてはいけないかもしれません。
 
どんな状況でどんなお金が必要か、大きな出費の可能性はあるのかなど、各家庭によって用意すべき資金は違いますし、同じ収入保障保険でも条件や保障内容、保険料はまちまちです。収入保障保険の加入を考える際は、各保険商品の内容を詳しく見る必要があります。
 
今後のライフプランを考えるとともに、万が一に備えて保険を見直してみてはいかがでしょうか。
 
執筆者:西川誠司
2級ファイナンシャルプランンニング技能士・AFP認定者、終活ライフケアプランナー、住宅ローンアドバイザー(一般社団法人住宅金融普及協会)

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