更新日: 2020.04.18 自動車保険
自動車保険の保険料。どんな割引サービスがあるの?
自動車保険は、単に保険料が安ければいいというわけではありません。どのような割引があるのか整理していきたいと思います。
執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)
明治大学法学部法律学科を卒業後、金融機関にて資産運用業務に従事。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の上級資格である「CFP®資格」を取得後、2007年に開業。
子育て世帯や退職準備世帯を中心に「暮らしとお金」の相談業務を行う。
また、全国商工会連合会の「エキスパートバンク」にCFP®資格保持者として登録。
法人向け福利厚生制度「ワーク・ライフ・バランス相談室」を提案し、企業にお勤めの役員・従業員が抱えている「暮らしとお金」についてのお悩み相談も行う。
2017年、独立行政法人日本学生支援機構の「スカラシップ・アドバイザー」に認定され、高等学校やPTA向けに奨学金のセミナー・相談会を通じ、国の事業として教育の格差など社会問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai
目次
運転者限定特約
すでにご存じの方も多いと思いますが、自動車保険では、自動車を運転する人を限定すると保険料が割り引かれます。自動車保険の契約者本人のみ、もしくは本人と配偶者だけという場合、それ以外の人が運転する場合と比べると保険料が少し安くなります。
運転者年齢条件特約
運転者年齢条件特約は、ドライバーの年齢によって保険料が割り引かれるというものです。保険会社によって年齢条件は異なりますが、例えば、運転する人が21歳以上と限定される場合や26歳以上、35歳以上、また全年齢と、年齢の区分がされています。
全年齢は年齢区分がないため保険料が高くなりますが、35歳以上などのようにドライバーの年齢を限定すると、保険料は割り引かれます。
使用目的による保険料の違い
自動車の使用目的は、「業務使用」、「通勤・通学使用」、「日常・レジャー使用」の3つに分かれています。業務使用は自動車を運転する機会や走行距離が多く、次いで通勤・通学使用、日常・レジャー使用という順です。
車を運転する機会が多いと、走行距離が長くなり自動車事故に遭うリスクが高まります。そのため保険料は高くなります。逆に、運転する機会が少なく、走行距離が短い場合は、リスクが低くなり、保険料も少ないと考えることができます。
ゴールド免許割引
ゴールド免許割引は、文字通り、記名被保険者の運転免許証の色がゴールドのときに自動車保険の保険料が割り引かれるというものです。割引率は損害保険会社によって異なりますが、おおよそ数%~10数%となっています。
ノンフリート等級別料率制度
こちらについては、「自動車保険の等級別料率制度って、どういう仕組み?」をご参照ください。
型式別料率クラス制度
型式別料率クラス制度は、車の型式によって保険料が決められるというものです。自動車の型式によっても事故の発生状況などが異なるためです。あらかじめ料率クラスが決められ、それにもとづき保険料が算出されます。
料率クラスは、自家用の普通・小型乗用車の場合、17段階に、自家用の軽自動車では3段階に分けられています。料率クラスが高いほど保険料は高く設定されます。
新車割引
新車割引は、新しい車の自動車保険の保険料が割り引かれる制度です。
保険会社によって異なりますが、自動車保険の契約期間の初日の属する月が、初度登録年月から、例えば、25ヶ月まで、49ヶ月までというように、一定期間の間、適用を受けることができます。
ノンフリート多数割引
ノンフリート多数割引は、2台以上の車をひとつの自動車保険で契約する場合に適用されます。
例えば、自動車保険の契約者が、契約者本人・配偶者・同郷の親族などを記名被保険者とし、2台の車を1つの保険証券として契約する場合です。2台では3%、3台以上5台以下では4%、6台以上では6%などの割引率が適用されます。
複数所有新規契約(セカンドカー割引)
複数所有新規契約は、一般的にセカンドカー割引と呼ばれます。自家用8車種の自動車を11等級以上で契約している人が、2台目以降の自動車を新たに契約する場合などが当てはまります。一定の条件を満たせば7(S)等級が適用され、割引されるサービスです。
エコカー割引
エコカー割引は、電気自動車やハイブリットカー、圧縮天然ガス自動車などのいわゆるエコカーに対して適用されるます。損害保険会社によって異なりますが、初度登録年月を基準に何ヶ月までといった条件もあります。適用を受けられるかどうか、事前に確認するようにしましょう。
ASV割引
ASV割引は、衝突被害軽減ブレーキ(AEB)、いわゆる自動ブレーキが装備されている自動車が対象です。歴史的にはまだ浅いものの、自動車の性能が向上していく中で、今後、一般化していく割引制度の1つといえます。
まとめ
他にも、インターネット専用の自動車保険ではネット割引や、保険証券をWeb(ホームページ)で閲覧する場合に適用されるWeb証券割引など、時代にあった割引サービスも出てきています。
細かく見ていくと大変な作業になりますが、それぞれの損害保険会社でどのような割引サービスを取り扱っているかをおおまかに確認しながら、自動車保険の加入を検討するようにしましょう。
執筆者:重定賢治
ファイナンシャル・プランナー(CFP)