最終更新日: 2020.07.21 公開日: 2020.07.22
保険

社会保険の扶養に入れる条件って? 扶養に入るメリットとデメリットは?

執筆者 : 菊原浩司

社会保険がカバーする範囲は非常に広く、医療や年金に介護といった生活に欠かすことのできない保障から、失業や労災などの雇用に関する分野まで及びます。
 
社会保険は生活を営む上で欠かすことのできない制度であることから、収入の少ない人でも過剰な負担なく加入できるよう、保険料負担が収入に応じて決められています。
 
また、社会保険は、扶養に入ることで保険料の負担なしで保障を受けることができる場合もあります。
 
今回は医療・年金・介護といった代表的な社会保険に着目し、扶養に入ることができる社会保険の種類、扶養に入るメリットとデメリットなどについて解説していきたいと思います。
 
菊原浩司

執筆者:

執筆者:菊原浩司(きくはらこうじ)

FPオフィス Conserve&Investment代表

2級ファイナンシャルプランニング技能士、管理業務主任者、第一種証券外務員、ビジネス法務リーダー、ビジネス会計検定2級
製造業の品質・コスト・納期管理業務を経験し、Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)のPDCAサイクルを重視したコンサルタント業務を行っています。
特に人生で最も高額な買い物である不動産と各種保険は人生の資金計画に大きな影響を与えます。
資金計画やリスク管理の乱れは最終的に老後貧困・老後破たんとして表れます。
独立系ファイナンシャルプランナーとして顧客利益を最優先し、資金計画改善のお手伝いをしていきます。

http://conserve-investment.livedoor.biz/

詳細はこちら
菊原浩司

執筆者:

執筆者:菊原浩司(きくはらこうじ)

FPオフィス Conserve&Investment代表

2級ファイナンシャルプランニング技能士、管理業務主任者、第一種証券外務員、ビジネス法務リーダー、ビジネス会計検定2級
製造業の品質・コスト・納期管理業務を経験し、Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)のPDCAサイクルを重視したコンサルタント業務を行っています。
特に人生で最も高額な買い物である不動産と各種保険は人生の資金計画に大きな影響を与えます。
資金計画やリスク管理の乱れは最終的に老後貧困・老後破たんとして表れます。
独立系ファイナンシャルプランナーとして顧客利益を最優先し、資金計画改善のお手伝いをしていきます。

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社会保険って何?

社会保険は、主に医療保険、介護保険、年金保険、雇用保険、労災保険といった5つの保険で構成されており、医療や老後の生活費、失業・労災対策など、社会生活を営む上で最低限必要な保障や、失業・労災などで貧困に陥らないようにするための保障として機能しています。
 
民間の保険会社の提供する類似の保険と比べると保険料は安く、保障範囲が広いといった特徴があり、収入の少ない人でも最低限の保障を受けることができるといったメリットがあります。
 
特に医療・介護・年金の3つは終生にわたって保障を受けられる社会保険となっており、その仕組みを理解しておけば万が一の場合でも保障を受けることができるという安心感を得られたり、過剰な民間の保険会社の保険への加入を防ぐことができたりします。

社会保険の被扶養者って?

社会保険は、保障内容を勘案すれば比較的割安な保険料で保障を提供していますが、保険料負担は決して小さいものではありません。
 
そこで、生活に密接している医療保険や年金保険などは、収入に応じて保険料の免除や減額といった制度となっており、さらに「扶養」に入って保障を受ける制度が利用できる場合があります。

・扶養に入れる社会保険は?

下表に代表的な社会保険における扶養制度の有無についてまとめてみました。このように、扶養制度は全ての社会保険にあるものではありません。
 
また、同じ医療分野の社会保険でも協会けんぽなどの健康保険では扶養制度を利用することができますが、国民健康保険では扶養の概念がありません。そこで扶養の範囲内で働こうと考えている場合は、扶養者が加入している社会保険を確認することが重要です。
 
表1.主な社会保険制度における扶養制度の有無

扶養制度あり扶養制度なし
協会けんぽ国民健康保険
組合管掌健康保険公的介護保険
船員保険国民基礎年金
厚生年金

・被扶養者の条件とは

組合管掌健康保険は大企業が運営母体となり、その社員が加入する健康保険です。今回は「協会けんぽ」と「厚生年金」の2つの代表的な社会保険を例に被扶養者の条件について説明していきます。
 
【協会けんぽと厚生年金の被扶養者の条件】

被扶養者の範囲3親等以内の親族まで
同居の条件子、配偶者、父母などの直系尊属、孫、兄弟姉妹以外の親族は同居が必要
収入の条件・年間収入130万円未満(60歳以上または障害者の場合は180万円未満)
・同居の場合は扶養者の年間収入の半分未満、別居の場合は仕送り額未満であることが必要

社会保険の被扶養者の概念は、所得税における扶養控除の条件とは異なっているので混同しないよう注意しましょう。

・年間収入とは?

社会保険の被扶養者となる場合、年間収入が重要なポイントになります。年間収入は、過去の収入を指している訳ではなく、被扶養者に該当した時点での収入と、それ以降の年間の見込み収入のことをいいます。
 
収入の目安として、月給ならば10万8333円以下であれば収入の要件を満たすことができる可能性があります。
 
また、被扶養者の収入には健康保険の傷病手当金や出産手当金、雇用保険の失業給付金も含まれるため、結婚や出産などを機に退職し、扶養に入ることを考えている場合には、これらの給付金類を収入に加えることを忘れないよう注意しましょう。
 
さらに、農家の場合やフリーランスなどで事業所得を得ている場合は、年間収入の算出方法が異なり、年収から必要経費や種苗費・肥料費(農家の場合)を差し引いた金額が年間収入となります。
 
所得税の課税所得算出の場合と異なり、差し引くことができる経費が少ないため収入要件に抵触しやすくなりますので、事業と扶養の両立には一層の配慮が必要となります。

・条件に当てはまらない場合は自分で加入する必要がある?

日本では国民皆保険制度となっているため、扶養制度のない社会保険の場合や、上記の被扶養者の条件に当てはまらない場合は自分自身で社会保険に加入する必要があります。

社会保険の扶養に入るメリットとデメリット

健康保険と厚生年金の扶養に入ることで、さまざまなサービスを保険料の追加負担なしで受けることができます。以下に扶養に入った場合のメリット・デメリットを解説します。
 

【メリット】

・保険料負担なしに国民年金に加入できる

年金保険料の負担なしで国民年金に加入することができます。この期間は保険料納付期間に合算されるため、満額の給付を受けることができます。

 

・医療費の一部負担や、出産一時金を受け取れる

健康保険の被扶養者も扶養者と同様に医療費の一部負担のみで医療を受けることができます。また、子ども1人につき、42万円の給付を受けることができる出産一時金も受け取ることができます。

 

・手取り額が減らない

厚生年金の扶養に入らない場合、自分自身で国民基礎年金や厚生年金に加入する必要があります。こうした場合、保険料負担が新たに生じてしまい、扶養に入ったときよりも使えるお金が目減りしてしまうことになります。
 
なお、複数の年金の受給資格がある場合には注意が必要です。例えば、厚生年金は遺族年金と併給されず、自分自身の厚生年金か配偶者の厚生年金の3/4のどちらか高い方しか給付されません。
 
遺族年金の支給額が多い場合、自分自身の厚生年金が支給停止となってしまうため、せっかく保険料を納付しても恩恵を十分に受けることができない場合があります。

【デメリット】

・被扶養者は老齢年金が少なくなる

被扶養者は国民基礎年金のみとなってしまうため、扶養者(夫)と比べて、被扶養者(妻)の老後の生活資金が少なくなってしまいます。

 

・出産手当金は受け取れない

出産前後の収入を保障する出産手当金は、健康保険の契約者のみが利用できるサービスのため、被扶養者は利用することができません。扶養の範囲内でパートを行っている場合などは出産前後でパート収入が途絶えてしまう恐れがあります。

扶養に入るときの手続き

協会けんぽおよび厚生年金の扶養(第3号被保険者)に入る場合、被保険者が原則として事実発生の5日以内に事業所の社会保険の担当者に必要書類等を提出することで申請を行います。
 
必要書類は、被扶養者(異動)届に加え、続柄を確認できる戸籍謄本や抄本、確定申告書などの収入要件を確認するための書類が必須となります。
 
また、別居で仕送りを行っている被扶養者の場合は、預金通帳の写しや現金書留の控えなどの仕送りが確認できる書類が追加で必要となります。
 
扶養に入る際の収入条件は、収入見込みを含んだ年間収入で判断しているため、未確定の要素を含んでいます。このため、被扶養者の年間収入が想定よりも増加し、収入条件を満たさなくなってしまう場合があります。
 
こうした場合は、「被扶養者(異動)届(削除)」の手続きを行い、扶養から外れる手続きをとる必要がありますので、被保険者の収入に変動がないかを注意しましょう。

まとめ

社会保険は生活を支える重要な保険ですが、それに伴い保険料負担も求められます。しかし、扶養に入ることで保険料負担なしでさまざまなサービスを受けることができます。
 
その反面、被扶養者の年金は国民基礎年金のみになってしまうなど扶養者と比べて老後資産が脆弱なものになってしまうデメリットもあります。
 
扶養制度を利用するにはさまざまな条件がありますので、その条件を確認した上で扶養に入る意向がある場合は速やかに申請を行い、家計の防衛に努めましょう。
 
執筆者:菊原浩司
FPオフィス Conserve&Investment代表

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