少額短期保険の利用件数増加! その特徴と主な商品ラインアップ

配信日: 2021.07.12

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少額短期保険の利用件数増加! その特徴と主な商品ラインアップ
最近、「葬儀の費用を用意する保険」、「弁護士への相談や着手金を賄う保険」、「ペットの病気に備える保険」など、特徴的でユニークな保険商品を目にすることが多くあります。
 
これらの多くは「少額短期保険」に分類される商品ですが、一般の保険商品とは少し違う一定の規模の範囲内でニーズを捉えた商品を扱っているのが特徴といえます。
 
今回は、少額短期保険の概要と主な商品ラインアップについて確認してみたいと思います。
高橋庸夫

執筆者:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

少額短期保険とは?

少額短期保険とは、一定の事業規模の範囲内で、保険金額が1000万円以下、保険期間が1年以内(損害保険は2年以内)の保険のことです。
 
2006年の保険業法改正によって少額短期保険業の財務局への登録制度が開始され、現在は100社強の事業者が登録しており、保険契約件数、保険料収入も年々増加傾向となっています。
 
保険金額は、損害保険分野で最大1000万円以下となっていますが、その他の保険商品の種類別には以下のような上限金額が設けられています。

   

   

   

   

1 死亡保険 300万円以下
2 医療保険(傷害疾病保険) 80万円以下
3 疾病等を原因とする重度障害保険 300万円以下
4 傷害を原因とする特定重度障害保険 600万円以下
5 傷害死亡保険 傷害死亡保険は、300万円以下
(調整規定付き傷害死亡保険は600万円以下)
6 損害保険 1000万円以下
7 低発生率保険(個人賠償責任保険) 1000万円以下

※一般社団法人 日本少額短期保険協会 「少額短期保険業とは」より筆者作成
 
また、少額短期保険業者の参入要件は一般の保険と比較すると緩く、最低資本金は1000万円、生損保(生命保険会社と損害保険会社)の兼営が可能などの特徴があります。
 

ユニークな商品ラインアップ

少額短期保険は、その特徴から「ミニ保険」と呼ばれることもあります。
 
そのため、たとえ市場規模がそれほど大きくなくても、時代のニーズに合ったユニークな保険商品が提供されています。主な商品ラインアップを見てみましょう。
 
(1)葬儀に備える保険
ご自身の葬儀負担の軽減に特化した商品です。遺族に負担や迷惑を掛けたくないなどのニーズを捉え、生命保険分野の商品のため、保険期間は1年で更新が必要となります。
 
保険金額は300万円以下ですが、50万円または100万円の保障タイプが多く用意されています。
 

(2)ペットの病気に備える保険
ペットを飼う方にとって、ペットは家族と同じです。大事な家族の一員であるペットの病気による通院、入院、手術などに備える商品です。
 
さらにはペットが他人にけがをさせたり、物を壊した場合の損害賠償責任に対する補償、ペットが死亡した場合の葬儀費用などを補償する商品もあります。
 

(3)単独加入できる地震補償保険
地震保険は通常、単独では加入できず、火災保険などとセットにして加入する必要がありますが、一部商品では少額短期保険として単独加入できる地震補償保険を取り扱っています。
 
通常の地震保険(補償額は主契約となる火災保険の保険金額の最大50%)に加えて加入することで、不足する生活再建費用などを補うことを目的としています。
 

(4)新型コロナウイルス感染症に備える保険
新型コロナウイルス感染症により1泊以上入院した場合に、10万円の給付金が支払われる商品もあります。保険料が安価であることが特徴です。
 

(5)旅行やコンサートなどのキャンセルに備える保険
楽しみにしていた旅行やコンサートに急遽行けなくなった場合、旅行のキャンセル代金やチケット代金が支払われる商品です。
 

まとめ

少額短期保険は今後も社会の変化やニーズに応じて、さまざまな商品ラインアップが拡充されていくことでしょう。注意点として覚えておくべきなのは、少額短期保険は保険契約者保護機構の保護の対象には該当しないことです。
 
そのため、万が一、少額短期保険業者が破綻した場合、保険契約者保護機構が行う資金援助の措置はありませんが、別途、一定額の営業保証金を供託することが義務付けられています。
 
また、支払保険料については所得税等の保険料控除の対象にはならない点も覚えておきましょう。
 
出典
一般社団法人 日本少額短期保険協会 少額短期保険業とは
 
執筆者:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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