相続税対策に有効な一時払い終身保険とは
配信日: 2022.05.31
もちろん、不動産を使った相続対策などもありますが、生命保険はすぐに実行でき、非常におすすめの相続税対策です。
そこで今回は、保険料が増えて戻ってくるレバレッジの効いた終身保険を使った相続税対策について説明をします。実用性の高い知識としてぜひ参考にしてください。
執筆者:渡辺智(わたなべ さとし)
1級ファイナンシャルプランニング技能士
生命保険には非課税枠がある
生命保険には、非課税枠というものがあります。生命保険の非課税枠とは、500万円×法定相続人が非課税になるということです。この非課税枠は預金にはないので生命保険特有の特典といえるでしょう。
例えば、配偶者と子ども2人が法定相続人だとすると、1500万円を亡くなった方の資産から控除することができます。生命保険に加入しているだけで大きな金額を控除できるので、生命保険に加入しておくメリットは非常に大きいのです。
レバレッジ効果の高い終身保険を利用する
生命保険の中には、レバレッジの利いた終身保険というものがあります。
レバレッジの利いた保険とは、支払った保険料より多くの保険金を受け取ることができる保険のことをいいます。終身保険とは、その名の通り一生涯保障がある保険です。つまり、レバレッジの利いた終身保険に加入すれば、一生涯支払った保険料の◯倍の保障を受けることができるのです。
高齢者ほど亡くなる可能性は高くなります。また高齢者は、一般的に持病がある方が多いので、終身保険に加入できないと思われている方も多いかもしれません。
しかし、終身保険の中には、保険料を一括で支払う一時払い終身保険というものがあります。一時払い終身保険の中には、健康状態を告知しなくても加入できるタイプのものがたくさんあります。このタイプの保険であれば、健康状態に自信のない高齢者でも加入が可能です。
一時払い終身保険には、円建てのタイプの保険以外にも、円よりも金利の高い米ドルや豪ドル建ての保険もあります。代表的な米ドル建ての保険は、プルデンシャル生命の「リタイアメントインカム」でしょう。豪ドル建ての代表的な保険は、大樹生命の「ドリームフライト」になります。
皆さんご存知の通り、現在の預金金利は過去最低水準です。円建ての終身保険もこの影響を受けており、レバレッジ効果に期待できなくなっています。
しかし米ドル・豪ドル建ての終身保険は、円建ての終身保険よりも金利が高いので円建ての終身保険よりもレバレッジがたくさん効く商品が多いのです。米ドルや豪ドルの場合、為替のリスクはありますが、一時払い終身保険を検討する際は、検討すべき商品でしょう。
まとめ
今回は、生命保険の非課税枠を利用した一時払い終身保険の活用について説明をしました。
相続税は、もはや富裕層だけの悩みではありません。相続税の控除は2015年に大きく少なくなり、今や多くの方が相続税対策の必要性があります。相続税の控除が少なくなった理由はさまざまですが、日本の財政状態が厳しいことと富裕層から税金を多く取ることは批判が少ないからと言われています。
基礎控除が大きく下がり、都心部を中心に不動産価格が上昇している今、2015年以前に比べ相続税対策を行わなければならない人は増えています。
今回紹介した生命保険の非課税枠を利用した相続税対策は非常に簡単かつすぐに実行できる相続税対策です。ぜひ今回の記事を参考にしていただき相続税対策に興味を持っていただければ幸いです。
執筆者:渡辺智
1級ファイナンシャルプランニング技能士