更新日: 2023.03.06 その他保険

残業が多くて離職すると失業給付額が増える? 離職する前に知っておきたい「失業保険(失業給付)」のこと

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

残業が多くて離職すると失業給付額が増える? 離職する前に知っておきたい「失業保険(失業給付)」のこと
近年はライフワークバランスが大事という声がよく聞かれます。しかし長時間労働はいまだ多くの企業で残っており、精神・身体的に疲弊している会社員が多いという話も耳にします。
 
過度な残業は離職の原因の大きな一つです。そして、あまりに残業が多いと失業給付が多く受け取れる場合があることをご存知でしょうか?本記事では長時間残業と失業保険の関係について紹介します。
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失業保険とは

失業保険とは正式には雇用保険といい、失業中の生活の安定と再就職を促進させる制度です。失業中には一日当たりに支給される基本手当と、基本手当が受け取れる日数である所定給付日数にて受け取れる金額が決まります。所定給付日数は「自己都合退職」「会社都合退職」によって異なります。
 

自己都合退職

自分自身の意思で転職した場合などに当てはまる退職理由です。失業給付を受給するには離職日以前の2年間に雇用保険の被保険者期間が通算12か月以上あることが条件です。自己都合退職は、7日間の待機期間と、失業給付を受けるまでに2か月間の給付制限期間があります。
 

会社都合退職

解雇や会社の倒産などを理由に退職した場合に当てはまります。こちらが理由の場合は、失業給付を受給するにあたって、離職日以前の1年間に雇用保険の被保険者期間が通算6か月が条件が緩和され、2か月間の給付制限期間がありません。
 

自己都合退職と会社都合退職で所定給付日数が異なる

年齢と雇用保険の被保険者期間、離職理由によって所定給付日数が決定され90〜330日です。会社都合退職では所定給付日数が多く付与され、基本手当を受給できる期間が手厚くなり、失業給付額が多くなる場合があります。そして長時間残業により退職は会社都合退職とされるケースがあるので、そちらを見ていきましょう。
 

長時間残業と会社都合退職

長時間残業により退職した場合、会社都合になりえるケースは以下の通りです。
 

●時間外労働協定(36協定)を超える退職
●労働基準監督署の指示に違反

 
それぞれ見ていきましょう。
 

時間外労働協定(36協定)を超える退職

会社が労働者に対し「1日8時間、1週40時間」の法定労働時間を超え、残業を命じる場合、会社と労働者の代表が労働基準法に基づく労使協定を締結し、労働基準監督署に届け出る事が必要です。
 
この協定には罰則付きの上限が設けられ、以下の通りです。
 

●月45時間、年360時間
 
●臨時的な特別な事情があり労使が合意しても、年720時間、複数月平均80時間以内、月100時間未満(休日含む)、月45時間を超えるのは年間6か月まで

 
この上限を超えて残業し、退職した場合、会社都合退職となるケースがあります。
 

労働基準監督署の指示に違反

長時間残業が継続的に行われていれば、労働基準監督署から改善の指導や是正勧告がなされることがあります。これらに従わず、改善のための対策を取らない会社から退職した場合も、会社都合とされるケースがあります。
 

まとめ

長時間残業は非常に負担が大きいものです。失業給付の計算は複雑で、実際の支給金額はハローワークに問い合わせる必要がありますが、過度の残業で離職すると失業給付が多く受給できる可能性があります。過度な残業により離職をお考えであれば、今回紹介したことを抑えておくと良いかもしれません。
 

出典

ハローワークインターネットサービス 基本手当について

厚生労働省 雇用保険制度

厚生労働省 労働時間・休日

厚生労働省 36協定で定める時間外労働及び休日労働について留意すべき事項に関する指針

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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