更新日: 2019.01.10 その他保険
ニューフェイス「少額短期保険」をご存知ですか?
自動車保険や生命保険のように著名な芸能人を起用して、派手なCMを打ったりするわけではないので、知る人ぞ知る地味な業界といえるでしょう。
しかし、現在少額短期保険の事業者数は増えています。
では、そもそも少額短期保険とは、どのような保険なのでしょうか?
Text:大泉稔(おおいずみ みのる)
株式会社fpANSWER代表取締役
専門学校東京スクールオブビジネス非常勤講師
明星大学卒業、放送大学大学院在学。
刑務所職員、電鉄系タクシー会社事故係、社会保険庁ねんきん電話相談員、独立系FP会社役員、保険代理店役員を経て現在に至っています。講師や執筆者として広く情報発信する機会もありますが、最近では個別にご相談を頂く機会が増えてきました。ご相談を頂く属性と内容は、65歳以上のリタイアメント層と30〜50歳代の独身女性からは、生命保険や投資、それに不動産。また20〜30歳代の若年経営者からは、生命保険や損害保険、それにリーガル関連。趣味はスポーツジム、箱根の温泉巡り、そして株式投資。最近はアメリカ株にはまっています。
文字通り「少額」な保険
少額短期保険とは、文字通り少額な保険です。例えば、死亡保障を目的とする商品なら、死亡保険金(生命保険金)は300万円が上限です。
また、建物の火災などの補償を目的とする火災保険などの損害保険の商品なら、その保険金の上限は1000万円までです。
先述の死亡保険金(生命保険金)の上限が300万円ですと、「死亡保険金の相続税の非課税枠=相続人1人付き500万円」には足らないですね。
なので、お金持ちの「相続税対策」にはイマイチですが、葬儀代などには十分なのではないでしょうか?
また、損害保険商品の保険金の上限が1000万円ということですと、自動車保険は無理ですね。自動車保険の保険金額は対人補償・対物補償は「無制限」ですから。
また、火災保険にしても1000万円を超えるお家もあろうかと思います。しかし、お家の中にあるタンスやドレッサー、テレビなどの家財を対象にした火災保険なら保険金1000万円でも十分かもしれませんね(もちろん、家族構成にもよると思いますが)。
文字通り「短期」間な保険
少額短期保険の保険期間は原則1年ですが、「物を対象にする」保険や「賠償」の保険の保険期間は2年間です。文字通り「短期」間な保険なのですね。
ところで、契約してから1年が経つと、少額短期保険の契約は終わってしまうのでしょうか?(もちろん、商品にもよりますが)更新することができる商品もあります。
つまり、1年更新の保険なのですね。なお、1年更新であっても、保険料が毎年変わるとは限りません。
少額短期保険…入っているのは?
少額短期保険協会が発表している『2016 年度 少額短期保険業界の決算概況について』によると、契約件数で見た場合、「家財の火災保険」が86%を占めていて、最も多く、次いで生命保険とペット保険がそれぞれ5%、その他が4%となっています。
最も多くを占めている「家財の火災保険」とは、賃貸アパートや賃貸マンションなどのお部屋を借りる契約をする時に火災保険も一緒に手続きする場合が多いと思いますが、その火災保険が少額短期保険だったりするのです。
もっと、具体的には?
少額短期保険でポピュラーなのは、賃貸アパートや賃貸マンションなどを借りる時に一緒に手続きをする「家財の火災保険」です。
しかし、実は少額短期保険は、生命保険や損害保険では語ることができないようなユニークな商品が多くあります。詳しくは、次回、ご紹介したいと思います。
Text:大泉稔(おおいずみ みのる)
株式会社fpANSWER代表取締役 専門学校東京スクールオブビジネス非常勤講師