知らないと使えない!?生命保険の大事な役割 ~経済的な理由で支払いが厳しくなったら~
配信日: 2018.08.21 更新日: 2021.01.07
ただ、私が普段お客様から生命保険の見直しのご相談を受ける際、せっかく入っている生命保険の便利な機能をご存じないと思うことが多くあります。
今日は、前回ご紹介した機能以外のものをご紹介できればと思います。
Text:萬實赳志(ばんみ たけし)
AFP認定者
1988年4月5日大阪生まれ大阪育ち。
大学卒業後、「家庭の経済事情で進学できない子供を0にしたい」という思いから生命保険業界を志し、
国内大手生命保険会社入社。営業職員支援・教育に携わる。震災直後後の福島県にも2年間赴任。
その後自ら直接お客様に保険の大切さを伝えたいという思いから、生命保険販売のプロとなるべく外資
生命保険株式会社に入社。一社専業FPとして2年半セールスに携わり、毎週連続契約40週以上での表彰、
部門別表彰では全国5位となるなどお客様から評価いただく。
一社専属のセールスパーソンではお客様をお守りしきれないことに限界を感じ、さらに大きな安心、
多くのサービスをお客様に提供したいという思いから、独立系FPの集団である日本ファイナンシャル
プランニング株式会社の創業期に参画。現在に至る。
モットーは「家庭円満」。趣味は映画鑑賞、読書、妻と出かけること。
経済的な理由で支払いが厳しくなった時
前回、いざというときの機能として、一般的に被保険者(こども保険の場合は契約者)が不慮の事故に遭い、事故の日からその日を含めて180日以内に約款に定められた所定の障害状態になると、以後の保険料払い込みが免除される「保険料払込免除特約」の機能をご紹介しました。
では単純に経済的な理由で払えなくなった場合はどうなるのでしょう?「払えないから解約するしかない…」と思われる方も多いかと思いますが、解約すると大切な保障がなくなってしまいます。
そんな時、3つの対処法を知っておくと非常に便利です。
(1)減額
保険金額、つまり保障の額を減額することにより、保険料すなわち掛け金の支払い額を下げることができます。会社や商品によってどこまで下げられるかは違います。「月2万円は払えなくなったけど、1万円なら払える!」というような状況の場合、便利です。
例えば月2万円の保険料で死亡保障1000万円の生命保険に入っている場合、死亡保障を半分の500万円にすれば、保険料もそれに比例して半分の1万円になるといった具合です。
注意点は、減額した分は一部を解約した取り扱いとなるため(例外の商品あり)、貯蓄性のあるタイプの場合は、貯まっていた分が減額した割合に応じて手元に戻ってきてしまいます(解約返戻金)。契約した時から短期で減額した場合、支払った金額より解約返戻金が下回る可能性があります。
(2)払済
払済とは、以後の支払いを停止し、それまで貯まっていた解約返戻金をもとに、保険期間(保険が有効な期間)はそのまま変えず、保障額を少なくした保険(同じ種類の保険または養老保険)に継続する方法です。保障額より保障期間の方が重要な場合、便利です。
(3)延長
延長とは、以後の払い込みを停止し、それまで貯まっていた解約返戻金をもとに、保障額はそのまま変えず、保険期間を短くした定期保険に変更して継続する方法です。
例えば銀行からの借り入れがあり、自分が死んだ時に返済のために遺すお金を減らしたくない時など、保障期間より保険金額が重要な場合に便利です。
払済と延長の注意点としては、解約返戻金が少なすぎるとこの方法を使えないこと、特約というオプションがついている場合、特約は消滅してしまうことなどがあります。
とにかく相談してから決めましょう
今回は経済的に支払いが厳しくなった時の対処法をご紹介しました。状況が今までと変わった場合、対処法は保険の担当者の方に相談しましょう。
生命保険は一度解約してしまうと、絶対に元には戻せません。減額や払済、延長を使えば解約せずに保障を残せたのに、そのことを知らずに解約してしまう人がいます。健康状態によっては再加入できない場合がありますし、年齢が上がっているため、全く同じ内容の保険に加入する場合でも値上がりしてしまいます。
対処の仕方によっては、損をしたり、メリットが小さくなる可能性もありますが、うまく使えば非常に便利です。いざというとき助かりますので、是非知っておいてください。
出典
公益財団法人生命保険文化センター
公益財団法人生命保険文化センター「保険料の負担軽減・払込の中止と契約の継続」
Text:萬實赳志(ばんみ たけし)
AFP認定者