給料の約13%を支払う事になる『社会保険』 果たして社会保険はそれだけ払う価値があるのか

配信日: 2018.10.03 更新日: 2019.01.10

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給料の約13%を支払う事になる『社会保険』 果たして社会保険はそれだけ払う価値があるのか
会社に勤めているサラリーマンの人たちは魅力あふれる『社会保険』に加入しています。
 
給与のうち約13%の金額を社会保険料として支払うことになるのですが、社会保険はそれだけの金額を払う価値が充分にある程にお得で充実した内容なんです!
 
三浦雅也

Text:三浦雅也(みうら まさや)

酒井FP綜合事務所/お金工房わなび所属

2級FP技能士、AFP(日本FP協会認定)
「お金のことをもっと身近に感じてほしい!」をモットーに、“手帳”を使った人生設計の方法や、知っててよかったお金の話セミナーをはじめ、年間50回以上の講演を行う。

専門用語を使わないわかりやすい説明を心がけている。
http://www.fp-sakai.com

社会保険の内容はとても充実している

では、そんな社会保険って具体的に何のことを指すかというと、
 
・厚生年金:国民年金の上乗せ部分。納める保険料の半額を企業が負担する。

・健康保険:ケガや病気にかかる医療費のうち一定の割合を国が負担する。また、ケガや病気で働けない期間の給与の一部が保険金として支払われる。

・介護保険:介護を受けるための施設の利用料や訪問介護サービスの利用料、また、介護に必要な器具を借りる際にかかる料金のうち一定の割合を国が負担する。

・労災保険:通勤途中や業務中の事故などによりケガをしたときに医療費を負担してくれる。また、業務中のケガにより障害状態になった場合や死亡した際に一定の給付が受けられることもある。

・雇用保険:退職後や、育児や介護のために仕事を休むときにもらっていた給与の一部を支給する。
 
こんな内容となっています。
 
社会保険がいかに優れているかについては以前『正社員のよさについて~(リンク挿入予定)』お伝えしたとおりですが、社会保険のないフリーランスの人たちは社会保険の代わりに自分たちの保障を準備する必要があります。
 
では、具体的にどんな保障を準備する必要があるでしょうか。社会保険の内容と比較しながら確認していきましょう!
 

厚生年金と同様に基礎年金の上乗せ部分を準備する

わたしたちが暮らしている日本では20歳から60歳までの全国民が国民年金に加入することが義務付けられています。
 
国民年金(基礎年金)の金額については国民全員が一定の金額を払っていて、40年間きちんと納付をした際に将来もらえる金額についてもすでに決まっています(平成30年現在では77万9300円)。
仮に、あなたが65歳になったときに老齢基礎年金のみを受給すると想定してください。20歳から60歳までの期間をすべて支払った場合、あなたがもらえる年金額は1年で77万9300円です。
 
ひと月では約6万5000円です。さて、あなたはこの金額だけで生活できるでしょうか。
 
基礎年金部分の6万5000円に加えていくらの金額を準備すればあなたが納得のいく老後の生活を送れるかを考えてみてください。(ちなみに、総務省の家計調査(65歳以上世帯)によると、老後の生活に必要な費用は毎月26万5000円だそうです。)
 
あくまで目安ですが、基礎年金部分の月額6万5000円と総務省の家計調査を基にした生活費26万5000円の差額、20万円を将来に向けて準備したいですよね。
 
そのためには、基礎年金の純粋な上乗せである『国民年金基金』や『付加年金』を活用することや、将来に向けてお金を運用する『投資信託』や『確定拠出年金』または、貯蓄の機能も付いている保険商品である『変額終身保険』を活用する方法がおススメです。
 
どの方法も“時間を武器にする”ことが強みなので、早めに将来の準備を始めていきたいところです。
 

労災保険の代わりに傷害保険を検討する

会社へ通勤する途中、または、業務中にケガをした場合は労災保険から医療費が100%給付されるのでとても心強い存在となります。ただ、フリーランスの人たちは労災に加入していませんので、移動中や突然のケガに備えて『傷害保険』への加入がおススメです。
 
ちなみに、傷害保険(損害保険)や医療保険(生命保険)の加入については資金に余力のある人なら加入する必要がないと考えています。なぜなら国民健康保険によって一定の割合を国が負担してくれることや、高額療養費の支給があるからです。
 
とはいえ、サラリーマンであれば会社を休んでいる間、給与の一部を健康保険で補てんしてくれます(下記)が、フリーランスの場合には補てんがありません。
 
そのため、毎月の保険料を安心料として支払っておけばもしものときに保険金を受け取ることができる損害保険や医療保険などの民間の保険への加入も考えておきましょう。
 

『傷病手当金』の代わりに民間の保険に加入する

会社に勤めている人たちの特権である健康保険は『傷病手当金』の給付を受け取ることができます。この制度があるおかげで、仕事を休んでいるときもお金のことを気にせずに休養に専念できます。
一方、フリーランスが加入する国民健康保険では、傷病手当金の制度はありません。
 
では、どうやって『傷病手当金』の代わりを準備するかというと、民間の保険会社で給与を補てんしてくれる保険(所得補償保険)などがあります。
 
商品名は保険会社によって呼び方がさまざまですが、ケガや病気で働けない間は加入の際に設定した保険金を受け取ることができることは共通しています。ただし、医療保険や傷害保険と違って、実際にかかった治療費に対しては給付がありませんので注意が必要です。
 

人生100年時代にこそ知っておきたい保障のはなし

いかがでしたでしょうか。
 
人生100年時代といわれている現代ですので、これからは独立をしたりどこにも所属をせずに働く人たちも多くなってくるはずです。ただ、フリーランスとして活動をするなら知っておきたいのがやっぱり“お金のはなし”です。
 
今回は社会保険に加入していないフリーランスの人たちへお伝えしましたが、もしものときに向けて備えているだけで日ごろの生活に安心感が生じます。ご自身の保障をまだ準備されていないフリーランスの人たちはこの記事を参考に準備を進めていただけましたら幸いです。
 
Text:中西 雅也 (なかにし まさや)
酒井FP綜合事務所/お金工房わなび所属

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