会社の保険に加入しているから安心?いや、40~50代のうちに保険の見直し
配信日: 2018.12.27 更新日: 2019.01.11
保険はケガや病気、死亡などのリスクに備えるものから、年金など老後のための保障まで、さまざまな種類があります。ご自身のお仕事状況や家族構成に合わせて、そのときに必要な保険に加入できていると安心です。
ライフイベントは20~30代に多いため、40代以上の方はあまり保険の見直しをする機会がないかもしれません。しかし、「会社の保険に加入しているから安心」と思われている方!そのままの保険、保障内容で大丈夫ですか?
Text:藤井亜也(ふじい あや)
株式会社COCO PLAN (ココプラン) 代表取締役社長
教育カウンセラー、派遣コーディネーター、秘書等、様々な職種を経験した後、マネーセンスを磨きたいと思い、ファイナンシャルプランナーの資格を取得。
「お金の不安を解決するサポートがしたい」、「夢の実現を応援したい」という想いからCOCO PLANを設立。
独立系FPとして個別相談、マネーセミナー、執筆業など幅広く活動中。
<保有資格>
2級ファイナンシャル・プランニング技能士、ファイナンシャルプランナー(AFP) 、住宅ローンアドバイザー、プライベートバンカー、相続診断士、日本心理学会認定心理士、生理人類学士、秘書技能検定、日商簿記検定、(産業カウンセラー、心理相談員)
<著書>
「今からはじめる 理想のセカンドライフを叶えるお金の作り方 (女性FPが作ったやさしい教科書)」※2019年1月15日発売予定
会社で加入している保険
よく皆さんが「会社の保険に入っている」と言っている保険は、企業が保険会社と契約をしている「団体保険」のことを指します。
<団体保険とは>
「団体保険 group insuranceや集団保険 collective insuranceともいう。会社や学校などの団体に所属する複数の従業員とその扶養家族を対象にし,これらを1個の保険契約すなわち1枚の総括保険証券で一括して契約する生命保険。
各被保険者 (従業員など) につき個人的診査を省略し,多人数の集団 (団体) を選択の単位とし,個人を選択の対象としない,つまり団体をもって危険単位とする。その団体に入ると被保険者となるが,団体から脱退すると被保険者ではなくなる。」(※1ブリタニカ国際大百科事典より)
団体保険はグループ保険とも言われ、企業が複数の従業員やその家族を対象に、団体で保険会社と契約をする保険です。
メリットは、ずばり保険料の安さです。
保障範囲が広く、保障される金額(保険金や給付金など)が高い保険に、割安で加入することができます。お子様が生まれた、あるいは家を購入したなど、ライフイベントの多い時期には最適な保険だと思います。
しかし、デメリットもあります。
それは、転職や退職する際に、その保険を引き継ぐことができない場合がほとんどだということです。企業が保険会社と契約していますので、お勤め先が変わったり、定年退職したりした際は、契約が切れてしまいます。同じ団体保険には加入できなくなることがあるのです。
定年までは団体保険で充分と思っていると、次の保険に加入する際に、大きな壁にぶつかる可能性があります。
年齢と持病の壁
現在、日本企業の多くは、60歳や65歳が定年です。定年まで団体保険で大丈夫、と考えていた方が、定年前に他の保険に加入しようと思うと、「年齢」と「持病」の壁にぶつかります。
血圧が高くなったり、生活習慣病などでコレステロール値が上がったり、持病が増えてくるのがこの時期です。
保険に加入する際は、「加入年齢」で保険料が決まります。年齢が高くなるにつれて、保険料も高くなります。また、通院や持病などを告知する必要がありますが、告知内容によっては保険料が高くなる可能性もあります。
「定年までは団体保険で」と保険の見直しを後回しにしておくと、次の保険に加入する際に保険料がぐんと高くなってしまいます。
ライフイベントが落ち着いた時期、健康なうちに、退職後も継続できる保険への見直しをおすすめします。
セカンドライフに入る前に
セカンドライフに入る前に、資産の見直しとあわせて、保険の見直しも行いましょう。
退職後の収入源は年金と退職金、それまで貯めた預貯金や、その他の金融資産となります。
毎月の保険料も支出として考えておく必要があります。税金や保険料など、退職後も支払う支出はいくつかありますので、事前にどのぐらい支出があり、どのぐらい年金収入があるのか、支出入の差額を試算しておきましょう。
保険料が高くて支払えない!となってしまうと大変です。
退職後は保険の見直しをする必要がないように、保障期間が終身、保険料も変わらない終身や、65歳や70歳までに支払いが終わる「短期払い」にするなどの工夫も必要です。
会社の保険に入っているから安心、ではなく、健康なうちに退職後も使える保険を準備しておきましょう。
●退職前の保険の見直しポイント
(1)年齢、持病を考慮して40~50代のタイミングで見直しを行う
(2)退職後の支出入の試算を行う
(3)退職後の保険料支払い負担がない短期払いを検討
出典
※1ブリタニカ国際大百科事典より引用
Text:藤井 亜也(ふじい あや)
株式会社COCO PLAN (ココプラン) 代表取締役社長