車の運転中、不注意で「電柱」に擦ってしまった! ケガ人がいなければ「警察」は呼ばなくていい? 正しい対処法を解説
配信日: 2024.10.13 更新日: 2024.10.15
そこで本記事では、電柱に車を擦った場合に取るべき対処法や自動車保険について解説していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
「当て逃げ」は絶対にやってはいけない
結論ですが、事故を起こし、けが人がいないからといってそのまま立ち去る行為は絶対にやってはいけません。理由は「当て逃げ」と見なされるからです。「当て逃げ」は違反点数が付与されるだけでなく、罰金や免許停止になる可能性もあります。
例えば、交通事故による違反点数には2点加算される安全運転義務違反がありますが、「当て逃げ」をした場合は追加で5点が加算されるため、合計で7点もの違反点数が1度に科されます。この場合、免許停止の対象となるため、「当て逃げ」には大きなリスクが伴います。
公共物への物損事故は行政責任や刑事責任には該当しない
しかし、適切な対応をすれば物損事故として処理されるため、行政的な責任や刑事責任を問われることはありません。そのため、すぐに警察に連絡し適切な報告を行うことが大事です。
車を電柱に擦った際の正しい対処法
車を電柱に擦った際の正しい手順は以下の通りです。
1.警察に連絡をする
2.保険会社に連絡をする
3.事故の状況を記録する
警察に連絡をする
車を電柱に擦ってしまった場合、けが人がいなくても警察へ連絡するようにしましょう。公共物を破損した場合も「物損事故」に該当します。交通事故を起こした際、警察へ連絡することは道路交通法72条にも定められています。警察の到着を待つ間、二次被害が生じないよう迷惑のかからない場所へ車を止めて待機しましょう。
保険会社に連絡をする
任意保険に加入している場合は、保険会社へ物損事故をおこした旨の連絡をしましょう。自ら申し出なければ補償の処理が行われることはありません。 保険会社へ速やかに連絡を行い今後の指示を仰ぎましょう。
加入している保険によっては「電柱の補修代のみ」補償される、または「電柱の補修代+自身の車の修理代の両方」が補償される場合が想定されます。詳しくは後ほど解説します。
事故の状況を記録する
1.スマホで撮影
2.メモに記録
スマートフォンなどで電柱や車の損傷状況を撮影しておきましょう。後の手続きで「ここまで損傷させた覚えはない」など認識の相違を防ぐためです。ほかにも事故を起こした日時や時間、場所をメモして残しておくと、警察や保険会社へ報告を求められた際に役立ちます。
電柱の損傷は自己負担で補修する必要がある
電柱など公共物に個人が損害を与えた場合、一般的な物損事故同様にその補修代は自己負担になります。電柱の値段は1本あたり数万~10万円程度です。電柱に車を擦った際はこの範囲内で損害を賠償することになるでしょう。
軽微な擦れであれば補修代を請求されない場合もあるので、まずは警察へ相談することが大切です。
加入する自動車保険により補償内容が違う
「電柱の補修代のみ」補償されるか、または「電柱の補修代+自身の車の修理代の両方」が補償されるかは、加入する任意保険の車両保険の種類によって違います。
●電柱の補修代は「対物賠償保険」
●自身の車の修理代は「車両保険」
対物賠償保険とは
相手の財産に対する損害を補償するのが「対物賠償保険」です。車の事故で他人の家屋や塀などを壊してしまい、法律上の損害賠償責任を負った際に保険金が支払われます。電柱やガードレールなど公共物も「相手の資産」に該当するため、「対物賠償保険」の保険金を修繕費用として賄うことが可能です。
車両保険とは
自身の車の修理代については「車両保険」で補償できます。ただし、自損事故が対象になるか否かは保険の種類によって違うので注意が必要です。車両保険は「一般型」と「エコノミー型」の2つに分類されますが、自損事故が対象になるのは「一般型」のみになります。
自賠責保険と任意保険の概算料金の違い
損害保険料率算出機構によると、自賠責保険基準料率は12ヶ月契約で1万1500円です。日本損害保険協会の自動車保険比較例より抜粋すると、「対物賠償保険」+「車両保険・一般」の相場は5万4000円~6万2000円です(本人と配偶者のみ運転するケース)。
つまり、強制加入の義務がある自賠責保険のみだと約1万円で済む年間の保険料も、任意保険に加入することで約5万円~6万円の保険料が年間の固定費として上乗せされることになります。
まとめ
電柱に車を擦ってしまった場合、パニックになることなく冷静に対処することが求められます。「当て逃げ」をしてしまうと厳しい罰則を受ける可能性もあるので、黙って立ち去る行為をしてはいけません。たとえけが人がいなくても、必ず警察へ連絡するようにしましょう。
運転に自信がない人は、任意保険で万が一のリスクに備えておくのも手です。一方、年間の保険料が増えるため、自身の運転スタイルや車の価値など、任意保険の加入には総合的な判断が重要になります。
出典
警視庁 交通違反の点数一覧
警視庁 点数計算の原則
e-Gov法令検索 道路交通法
一般社団法人日本損害保険協会 任意の自動車保険
損害保険料率算出機構 自賠責保険基準料率表
一般社団法人日本損害保険協会 自動車保険比率表例
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー