【実録】車を擦り修理費は「約30万円」に! 保険対応で修理したけれど、“この先の保険料”は何円上がってしまう?「等級と保険料」について解説
配信日: 2024.10.19
しかし、何十万円もの修理費がかかる傷を負うことは、めったにない経験かもしれません。筆者はこのたび修理費が約30万円かかる傷を作るという体験をしたので、修理費用と保険料について本記事にまとめます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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すれ違いできず左車体に傷
筆者が乗っていたのは7人乗りのトヨタ・エスクァイアで、相手は道路脇に停まっていたトラックでした。すれ違おうとしたところ車幅を見誤り、トラックの荷台金属部分に自分の車の左側面を擦ってしまったという自損事故です。トラックには傷1つなかったのが、不幸中の幸いでした。
傷は線状で、車体左側のスライドドアからクオーターパネルにまたがって30~40センチメートルの長さがありました。素人目に見ても数十万円の修理費用がかかることは明らかで、冷や汗をかいたものです。
修理費約30万円の見積もり内容
ディーラーに駆け込んだところ、出された修理見積もりは図表1のとおり33万7348円でした。高額になった原因は、傷の範囲が広いこと、各種部品を取り外したうえでの作業が必要だったことです。
図表1
ディーラーの見積書(2024年3月時点)をもとに筆者作成
車は、ディーラーが提携する板金工場へ送られて修理されます。ちょうど車検時期と重なり車を約3週間も預けることになったのですが、その期間の代車は保険会社とディーラー双方のサービスにより無料となりました。
自動車保険の等級と保険料
修理費用が高額となってしまったため、任意で加入していた自動車保険を適用しました。自動車保険を適用するとその場での修理代は0円になるのですが、後々納める保険料が値上がりすることになります。
自動車保険の保険料は等級により変わり、等級は契約の更新時期ごとに定められます。一般的には6等級から始まり、事故がなければ等級が上がり、事故を起こすと下がるという仕組みです。等級が大きいほど優秀なドライバーと考えられ、割引率が大きくなり保険料が安くなるのです。
当時、筆者の車は16等級(事故なし)だったのですが、事故が「3等級ダウン事故」と保険会社に認定されたため、次の契約更新時は3等級下がった13等級になることに決まりました。等級は翌契約年から1年に1つずつ上がり、3年かけて元の16等級に戻る予定です。
図表2
事故後に保険会社より届いたお知らせ より筆者作成
※1 保険料は、車両価額によって変わります。車両価額は年数が経過するほど減少し、同じ等級でも車両価額が下がれば保険料も下がります。
※2 事故を起こさなければ払うことになっていた保険料と、事故後に等級が変わることによって支払うことになった保険料との差額です。
※3 保険会社によって、保険料・補償内容・割引制度は異なります。
事故を起こしたことで保険料がどれほど上がるのかは、払うはずだった保険料と、等級が変わることで上がった保険料の差額によって求められます。図表2に3年間の保険料差額をまとめましたが、実際には4年後以降も差額は発生するので、5年間で16万円以上に増える見込みです。
まとめ
不注意による自損事故で約30万円の修理見積もりをもらったものの、任意保険である自動車保険で対応することができ、負担額は0円となりました。しかし事故による保険料の上昇は16万円以上になる予定です。
実際に事故を起こしたときにどれほど保険料が上がるのかは車両の経過年数や等級、事故の度合いなどによって異なります。修理費用を自腹で払うか保険適用するか迷ったら、自動車保険の事故担当者に尋ねるのが良いでしょう。保険料の仕組みや差額を丁寧に教えてくれます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー