「マイナ保険証」は個人情報が漏れるリスクがあると聞きました。できれば「既存の保険証」を使い続けたいのですが、デメリットや注意点はあるのでしょうか? 今から新規発行すると手数料がかかりますか?
配信日: 2024.12.09
「マイナンバーカードを持ち歩くのは怖いから、できれば今使っている紙やカードタイプの健康保険証を使い続けたい」と考える人も多いかもしれません。本記事では、「マイナ保険証」を使わないデメリットや注意点を解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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12月2日から既存の保険証は使えなくなる?
2024年12月2日から健康保険証は「マイナ保険証」に移行し、現行の紙やカード形式などで発行されている健康保険証は新規発行されなくなります。今までは健康保険証を提示することで主に患者の本人確認を行っていましたが、今後は原則「マイナ保険証の提示」を求められます。
「マイナ保険証」になったら「今使っている保険証は無効になってしまうのか」と不安を感じる人もいるかもしれませんが、制度変更でただちに使用不可になるわけではありません。経過措置期間が設けられており、手元にある健康保険証は最長1年間利用可能です。
今年の12月2日以降に、医療機関の窓口で既存の健康保険証を提示しても保険診療を受けられます。ただし、転職や退職などで加入資格を失うと、その後は利用不可になるので注意しましょう。
マイナ保険証を持っていない場合は、健康保険組合や勤務先などから「資格確認書」が交付されます。既存の健康保険証が使えなくなり、マイナンバーカードを持っていない場合でも、資格確認書を医療機関の窓口などで提示することで、これまでと同様に保険診療を受けられます。
「マイナ保険証を持っていないから医療費の自己負担が10割になる」わけではありません。資格確認書の交付時期や様式、発行形態は組合によって異なるケースもあるので、気になる場合は事前に確認してみましょう。
既存の健康保険証を使い続けるデメリットや注意点
「個人情報が漏れるリスクがあるからできる限りマイナンバーカードは持ち歩きたくない」といった理由で、いま持っている健康保険証を使い続けることもできますが、以下の点に注意しましょう。
●経過措置期間が過ぎると使えなくなる
●マイナ保険証よりも医療費が高くなることもある
既存の健康保険証は最長1年間利用できますが、経過措置期間が過ぎると失効するので要注意です。必要なときに保険診療を受けられないリスクを回避するため、経過措置期間内であっても資格確認書を常に携帯することをおすすめします。
また、マイナ保険証を利用すると初診料が少し安くなるメリットがありますが、既存の健康保険証利用の場合は、その恩恵を受けられません。マイナ保険証利用だと「初診・再診・調剤」それぞれ10円ですが、既存の健康保険証の場合は「初診30円・再診20円・調剤30円」加算されます(再診は3ヶ月に1回、調剤は6ヶ月に1回)。
今からマイナ保険証を作成したら費用はかかる?
以前はマイナンバーカードを新しく発行するとポイント付与や還元が受けられる時期もありましたが、いまから新規で発行すると手数料がかかってしまうのでしょうか。
マイナンバーカードの初回発行手数料は無料です。また、期限切れカードの更新、やむを得ない事情による再交付と認められると手数料はかかりません。ただし、紛失や破損などで再発行する場合は1000円程度かかるので注意しましょう。
まとめ
本記事では、健康保険証がマイナ保険証に移行しても、既存の保険証を使い続けられるのか、デメリットや注意点はあるのか解説しました。
賛否両論ありますが、今後も少しずつマイナンバーカードを使った仕組みに移行する可能性が高いと思われます。なお、マイナンバーカードを新規発行しても自動的に保険証として使えるわけではなく、医療機関や薬局などのカードリーダーやマイナポータルで健康保険証利用登録が必要となるので気をつけましょう。
出典
厚生労働省 マイナンバーカードの健康保険証利用について
デジタル庁 資格確認書(マイナ保険証以外の受診方法)
全国健康保険協会(協会けんぽ) 今から使おう! マイナ保険証
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー