2025年度から国民健康保険の保険料上限が「3万円引き上げ」に?負担増による影響について解説

配信日: 2024.12.19

この記事は約 3 分で読めます。
2025年度から国民健康保険の保険料上限が「3万円引き上げ」に?負担増による影響について解説
厚生労働省は、2025年度の国民健康保険料に関して、上限を3万円引き上げて109万円にする見込みです。
 
自営業者や農業従事者、学生など多くの方が国民健康保険に加入していますが、上限の引き上げは、どのような影響をもたらすのでしょうか。
 
本記事では、国民健康保険料の上限引き上げによって起こる影響について解説します。国民健康保険に加入している方や、これから切り替えをしようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

国民健康保険料上限の引き上げとは

国民健康保険料は、自営業者やフリーランス、無職の方などの医療費や療養費の負担を軽減するための保険制度です。
 
そもそも国民健康保険料は、医療分(基礎賦課額+後期高齢者支援金等賦課額)と介護分(介護納付金賦課額)に分けられます。2024年度分は、医療分が基礎賦課額65万円と後期高齢者支援金等賦課額の24万円で計89万円、介護分は17万円です。これらを合計すると106万円になります。
 
これら3つの賦課額は、「応益割」や「応能割」によって、世帯ごとに支払う割合が決定されるイメージです。計算方法は市町村の条例で定められているため、自治体のホームページや税を取り扱う係に確認してみましょう。
 
厚生労働省は、2025年度分の国民健康保険料について、医療分の上限を89万円から3万円引き上げて92万円にすることを決定しました。介護分については、17万円で据え置きとなる予定です。そのため、保険料の全体額は109万円となる見込みです。
 
上限の引き上げは4年連続であり、その理由として高齢化による医療費の増加が挙げられます。総務省統計局によると、2024年9月時点における高齢者数(65歳以上人口)は3625万人で、総人口に占める割合は29.3%です。
 
国民健康保険に加入している人は、社会保険の加入者に比べて年齢層が高く高齢者も多いため、医療費負担増加による財源圧迫を解消する目的で引き上げを行うと考えられます。
 
また、保険料率を上げるのではなく上限を引き上げることで、中間所得者層までの被保険者に対する負担が大きくならないよう配慮されています。
 

おもに影響を受けるのは高所得者層

国民健康保険料の上限引き上げによって影響を受けるのは、高所得者層です。特に年収1170万円以上で単身世帯の方が、対象となる見込みです。厚生労働省によると、令和7年度に国民健康保険料の上限引き上げによる影響を受ける世帯は、1.59%と予想されています。
 
該当する可能性がある方は、市町村が運営する計算シミュレーションサイトを活用して支払い額を計算してみましょう。国民健康保険料は、市町村によって計算の方法が異なります。現在の世帯人数や給与所得、年金所得などから算出可能です。
 
また、中間所得者層においては負担がおさえられ、2024年度の保険料率を据え置きした場合よりも保険料が下がるといわれています。また、今後も高齢化が進むと予想されており、次年度以降も国民健康保険料の上限が引き上げられる可能性があります。今後も、厚生労働省や各省庁の動きに注目しましょう。
 

3万円の国民健康保険料の上限の引き上げで、高所得者層の負担増大の可能性がある

国民健康保険料は、自営業者やフリーランスの医療費と療養費を軽減しています。今後、高齢化の影響で医療費の増加が予想されるため、厚生労働省は2025年度の国民健康保険料の上限を3万円引き上げる見込みです。
 
中間所得者における負担はそれほど変わらないようですが、年収1170万円を超える単身世帯の方にとっては、国民健康保険料の負担が大きくなるといわれています。
 
国民健康保険に加入している方は、今後も政府や市町村を通じて、保険料率や保険料の上限についての情報収集を行いましょう。
 

出典

厚生労働省 国民健康保険の保険料(税)の賦課(課税)限度額について スライド5
総務省統計局 統計トピックス No.142 統計からみた我が国の高齢者 -「敬老の日」にちなんで- 1 高齢者の人口
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集