歯並びが悪い息子、噛み合わせも悪いため「歯列矯正」を検討しています。やはり「保険適用外」でしょうか?
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
「歯列矯正」は基本的に保険は適用されない
審美的な理由で行われる「歯列矯正」は、基本的に保険適用外です。保険適用となる治療は「健康や身体の機能性に影響がある場合のみ」だからです。「見た目がよくないから、歯列矯正をしたい」とするのは審美的な目的とされます。健康に深刻な影響を与えない場合でも治療が行われるため、基本的に保険適用はされません。
「かみ合わせ異常」がある場合は保険適用になるケースも
「歯列矯正」は一般的には保険適用外ですが、疾患によるかみ合わせ異常がある場合は、保険適用で「歯列矯正」を受けることができます。公益社団法人日本矯正歯科学会「矯正歯科治療が保険診療の適用になる場合とは」を基に、歯科矯正が保険適用となる場合をご紹介します。
●「別に厚生労働大臣が定める疾患」に起因した咬合異常に対する矯正歯科治療
●前歯及び小臼歯の永久歯のうち3歯以上の萌出不全に起因した咬合異常(埋伏歯開窓術を必要とするものに限る。)に対する矯正歯科治療
●顎変形症(顎離断等の手術を必要とするものに限る)の手術前・後の矯正歯科治療
上記の「別に厚生労働大臣が定める疾患」は2025年4月時点で66種あるようです。なお、これらの保険適用される矯正歯科治療を行える医療機関は、厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生(支)局長に届け出た保険医療機関のみになるため注意が必要です。
「歯列矯正」は保険適用でも高額! 「医療費控除」をお忘れなく
では、「歯列矯正」はいくらくらいかかるものなのでしょうか。以下表1に「歯列矯正」の相場をまとめました。
表1
| 部分的な治療 | 全体的な治療 | |
|---|---|---|
| ワイヤー矯正 | 30~60万円 | 60~130万円 |
| 裏側矯正 | 40~70万円 | 100~170万円 |
| マウスピース矯正 | 10~40万円 | 60~100万円 |
※筆者作成
一番安い「マウスピース矯正」の部分的な治療でも、10万円以上かかるようです。保険適用で3割負担になったとしても、一番安くて3万円です。
そんな、高額な医療費を払った際に行いたいのが「医療費控除」です。「医療費控除」とは、医療費が一定額以上になった場合に、税金の控除が受けられる制度です。
総所得額200万円以上の方は、10万円以上の医療費の支払いで控除をうけることができます。200万未満の方は、総所得額の5%の金額が控除対象です。しかし、保険金といった支給を受けた場合は、支給金分を差し引かなければならないので注意しましょう。
まとめ
「歯列矯正」は保険適用になるのかどうかを解説しました。「歯列矯正」が保険適用になるには、条件があります。「歯列矯正」を考えている方は、条件に当てはまるのか一度診てもらうのもいいでしょう。保険適用になった場合には、医療費控除も活用してより費用を抑えて治療を受けてください。
出典
公益社団法人日本矯正歯科学会 矯正歯科治療が保険診療の適用になる場合とは
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー