車の「任意保険」が更新月だったけど、毎年自動更新にしていたら“年間1万円”高くなってた!「無事故」のはずなのに、なぜ上がってるの? 理由を解説
実は、事故を起こしていなくても、保険料が上昇しているケースがあります。本記事では、事故を起こしていないのに保険料が上がる原因や、保険の見直しのポイントについて紹介します。
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無事故なのに保険料が上がる!? 意外な5つの理由とは
自分が事故を起こしてなくても、自動車保険の保険料が上がる原因は5つ考えられます。
1. 車の型式別料率クラスの変動
車種ごとに事故リスクを数値化した「型式別料率クラス」というものがあり、これは毎年見直されます。自分の乗っている車種の事故が全国的に増えると自動的にクラスが上がり、保険料が高くなることがあります。
2. 記名被保険者の年齢上昇
ドライバーが高齢になると事故のリスクも懸念されるため、一定以上の年齢になると、被保険者の年齢が上がるにつれて保険料が段階的に高くなる傾向があります。
3. 割引適用条件の変更
新車割引やインターネット契約割引などが適用されていた場合、期間が過ぎたり条件から外れたりすると割引額が減少します。
4. 保険会社による料率改定
自動車保険の保険料の基準となる「参考純率」が改定されると、全体的に保険料が上昇します。最新では2024年6月に参考純率が平均5.7%引き上げられました。
5. 修理費用の高騰
最新の安全装備等(LEDヘッドライト、各種センサー)が増えたことで、修理費用が上昇し、保険料上昇に反映される可能性があります。
自動車保険を見直す最適タイミングはいつ?
「保険は一度入ったらそのまま」と考えている人も多いですが、定期的な見直しによって大きな節約効果が期待できます。では、どのようなタイミングで見直しをすればよいのでしょうか。
更新のタイミング
自動車保険は満期前になると保険会社から更新案内が届きます。この時期は見直しに適したタイミングです。
更新までは、保険料や補償内容を比較検討する余裕があるため、自分にとって最適なプランを選びやすくなります。同じような補償内容であっても、保険会社によって保険料に差が生じることがあるため、複数の会社を比較することでよりお得な保険を見つけられる可能性があります。
ライフスタイルの変化があったとき
退職、子どもの成長、部署の移動など、ライフスタイルが変わったときも見直しが必要です。
・通勤で車を使わなくなった場合:保険契約の際に申告している使用目的を「通勤・通学」から「日常・レジャー」に変更する。
・子どもが免許を取得した場合:補償の対象となる運転者の範囲を、子どもを含めたものに変更する。
・リモートワーク中心になった場合:年間走行距離が減少するため、申告している年間走行距離を少ない区分に変更する。
車を買い替えたとき
新車購入時には「新車割引」が適用され、保険料が安くなる可能性が高いです。また、車種によって型式別料率クラスが変わるため、コンパクトカーからファミリーカーに乗り換えた場合などは保険料が大きく変動します。そのタイミングで保険を見直すのもよいでしょう。
自分でできる! 保険料を安く済ませるには? 具体的な方法3選
「保険料を下げたいけど、どうすればいいの? 」という人のために、具体的な保険料削減方法を紹介します。
複数の保険会社で見積もり比較をする
最も効果的な方法は、複数の保険会社で見積もりを取って比較することです。同じ条件でも保険会社によって保険料は大きく異なります。例えば、代理店型からダイレクト型(通販型)への切り替えで、年間2万~3万6千円程度の保険料削減が期待できます。
補償内容を適切に見直す
必要のない補償や特約があれば、以下のように調整することで保険料を抑えられます。
・車両保険:車の価値が下がるにつれて補償範囲の見直しをする。
・運転者の範囲:家族限定、年齢条件の見直しをする。
・特約の見直し:家族で車を保有している場合やほかの保険(火災保険や地震保険)に入っている場合、個人賠償責任保険などの重複がないか確認する。
各種割引制度を最大限に活用する
割引制度を調べて活用することで、保険料を抑えることができます。
・インターネット割引:最大2万円程度。平均的な普通車(保険料7万2千円)の場合、新規契約で1万2千円~1万8千円割引が期待できる。
・ゴールド免許割引:12~15%程度の割引。運転者限定特約を組み合わせると18%の割引をしている保険会社もある。
・新車割引:普通車で6等級の場合、30%程度割引が期待できる。
・早期契約割引:特定の期日前に契約することで、500円程度の割引をしている保険会社がある。
・ASV割引:AEB(衝突被害軽減ブレーキ)が搭載されて、一定の条件を満たす場合約9%の割引が受けられる場合がある。
まとめ
事故を起こしていなくても、型式別料率クラスの変動や割引条件の変更などにより、自動車保険の保険料が上がることがあります。保険料が上がった、保険料を抑えたい、という場合は、更新時やライフスタイルの変化時に利用できる割引のチェック等をして保険の内容を見直すことで、出費を抑えられるでしょう。
出典
内閣府 令和6年版 交通白書
損害保険料率算出機構 2023年度 自動車保険の概況
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー