「万一が怖い」と、保険に「月9万円」払う妻。家族4人分ではありますが、さすがに多すぎですよね?“保険貧乏”をさけるためのチェックポイントとは
保険に加入するうえで、目安となる適切な保険料とはいくらなのでしょうか。また、保険を見直す際にはどのようなポイントを押さえるべきなのでしょうか。本記事では、世帯で必要な保険について解説していきます。
ファイナンシャルプランナー2級
保険に加入する目的
保険に加入する目的にはどのようなものがあるのでしょうか。
公益財団法人生命保険文化センターの2024(令和6)年度「生命保険に関する全国実態調査」によると、保険に加入する目的として最も多かったのが「医療費や入院費のため」で57.5%、次いで「万一のときの家族の生活保障のため」が50.0%となっています。
また、「世帯の生活保障意識」として、万が一の際に必要だと考える資金は次のようになっています。
世帯主に万一のことがあった場合の家族の必要生活資金…総額6283万円
世帯主が2~3ヶ月入院した場合の必要資金…月額28万円
世帯主または配偶者が要介護状態となった場合の必要資金…総額3298万円
世帯主が就労不能となった場合に必要な生活資金…月額29万4000円
このように、家計を支える世帯主に何かがあったときの必要だと考えられる資金は高額となることが多いので、死亡、医療、老後、介護などに対する経済的備えについては、「現在の備えでは不安である」と考えている人は6割~7割にも及びます。
加入する保険料の平均は?
「万が一」の時の助けになってくれる保険ですが、保険料はどのくらいが適切なのでしょうか。公益財団法人生命保険文化センターの同調査によると生命保険の2人以上世帯での加入率は89.2%となっています。
また生命保険の世帯年間払込保険料は平均35万3000円となっており、毎月あたりの支払いは2万9416円です。2人以上世帯における保険料の平均的な支払額が約3万円であることを踏まえると、4人家族で9万円はやや過剰な保険料といえるかもしれません。
保険見直しのポイント
加入している保険が多いと感じたときは、保険の見直しをして、家族にとって本当に必要かを見極めていくことが大切です。保険を見直すうえで重要になるのが次の3点です。
内容が重複していないか
加入している保険の保障内容が重複していないか確認しましょう。例えば、医療保険と共済の両方に加入している場合、同じような入院保障が含まれていることがあります。重複している部分があれば、どちらかを見直すことで保険料の節約につながります。
ライフステージが変化したとき
結婚や出産、住宅購入、子どもの独立、定年退職など、ライフステージが変わると必要な保障も変わります。例えば、子どもが小さいうちは万一の際の生活費のために保障を大きくしておく必要がありますが、子どもが大きくなるにつれてそれほど多額の保障は必要なくなるケースもあるでしょう。
「一度加入したらおしまい」ではなく、ライフステージの変化に合わせて、適切な保障内容になっているか確認することが大切です。
支払いに無理がないか
保険料の支払いは、無理のない額に設定することも大切です。特に、収入が減少した場合や支出が増えた場合は、無理なく支払える保障内容に変更したり、不要な部分は解約したりしましょう。貯蓄で対応できる部分は削減し、必要な保障だけを残すことで、家計のバランスを保つことができます。
保険の加入は無理なく
保険は困ったときの助けとなり、生活の安心のためには必要不可欠なものですが、「万が一に備えて」「いざという時のために」と保険にどんどん加入していたら、キリがなくなってしまいます。必要なものであっても、保険料が家計を圧迫してしまっては本末転倒です。
自分たちの家族にとって本当に必要な保障はなにか、どれくらいの保障が適切であるかをきちんと見極め、無理なく加入するようにしましょう。もしも家計と保険のバランスの見極めが難しい場合は、ファイナンシャルプランナーに家計のアドバイスをもらうこともおすすめです。
出典
公益財団法人生命保険文化センター 2024(令和6)年度生命保険に関する全国実態調査
執筆者:渡辺あい
ファイナンシャルプランナー2級